キューバは米帝によって理不尽極まりない非人道的な攻撃を受け、燃料封鎖によって未曽有の電力危機を押しつけられている。その現状と、政府と共産党が全力を挙げて取り組む打開策について見ていく。
(編集局)
燃料封鎖による長時間停電の強要
キューバでは現在、地方を中心に多くの地区が1日20時間以上に及ぶ計画停電を強いられ、今年すでに8回の全国停電に見舞われている。その主原因は米帝の燃料封鎖と火力発電所の停止だ。燃料封鎖の結果、今年入港した原油タンカーはロシア寄贈の1隻だけだ。もう一つの原因は火力発電所の老朽化にある。長年の米帝の制裁で、火力発電所を維持・近代化に必要な部品を輸入できない。16基ある火力発電ユニットの多くが故障や保守で停止し、復旧できない状況だ。5000~6000MWの発電能力のうち、実際に発電できるのは1000~1500MWしかない。国産原油は国内消費の3~4割を占めるが、硫黄分・バナジウムが多い超重質油が多くそのままでは火力発電所で使えない。超重質でない国産原油を精製し使えるのは2カ所(アントニオ・ギテラス、マクシモ・ゴメス)の火力発電所だけで780MW、これに天然ガス発電所480MWが主力となり、ほかの火力や小型ディーゼル発電などが故障を克服しながら補っている。
キューバの電力需要のピークは午後8時から10時で3300MWだから、2000MW前後が不足し、需要の4割前後しか供給できない。それが長時間に及ぶ計画停電の原因だ。
中国の協力で太陽光発電と蓄電による再建
老朽化し、米帝の燃料封鎖で打撃を受ける火力発電を、中国の援助の下で再生可能エネルギーへ段階的に置き換えていくのが現在進む計画だ。中国との協力を軸に、2026年までに1000MW、27~28年にさらに1000MWの太陽光発電所を整備する。計画の前倒しで、9月23日現在すでに144ヶ所・1400MWが系統に接続され、消費電力の21%超をまかなっている。2000MW分が完成すれば昼間電力の大半を補える。さらに中国の援助で、送電網のない農村の孤立住宅や医療施設、保育所、銀行支店などに、蓄電池付きの小規模太陽光ユニットが配備されている。第1期5000基(1基2kW)、第2期5000基(3.6kW)の計1万基だ。総発電量は少ない(合計28MW)が、地方の夜間照明や医療機器のバックアップ電力は最低限確保できる。太陽光は雨天に出力が落ち、夜間は発電できない。補うには大型の蓄電システムが必要だが、費用も高額で導入が始まったばかりだ。蓄電池でも中国の支援は大きい。キューバ政府は2026年中に50MW×4ヶ所、計200MWの大型蓄電システムを整備する計画で、すでにコトロの1ヶ所が稼働している。中国も120MWの太陽光発電パークを寄贈し、そのうち85MWが蓄電池併設型(蓄電池出力は17MW程度)だ。これらの計画で2028年には好天なら昼間電力の大半を賄えるが、夜間の発電量はなお不足し、停電時間は短縮されても解消には至らない。
他の再生可能エネルギーと国産原油、民間の活用
太陽光の不足分や夜間の発電を補うもう一つの柱が、他の再生可能エネルギーの導入だ。サトウキビの搾りかすを使うバイオマス発電や森林バイオマス発電は、地方の自家消費と中央への余剰電力の供給源として期待されている。政府は再生可能エネルギー全体を2030年に24%、2035年に40%へ高める目標だ。農村部では家畜の糞尿を使ったバイオガスシステムの導入が計画され、調理や照明などへの利用が想定されている。これら分散型エネルギーは中央電力の負担を減らす。
風力発電も建設が進んでいる。これまで利用が困難だった国産の超重質油も、独自の精製技術の開発が進む。今年、石油研究センターCEINPETが開発した熱変換技術を用いたサンティアゴ・デ・クーバの製油所での試験で、国産の超重質油からナフサ・燃料油・ディーゼル成分が得られた。技術が確立すれば、燃料として使える火力発電所が増えるだろう。
さらに経済社会改革が進み、個人・私企業・公的企業に太陽光発電装置を導入すれば、自家消費で中央電力線の負担が減る。6月からは余剰電力の売電も可能になった。
米帝は封鎖・制裁をやめろ! キューバの人々と連帯しよう
キューバは米帝の制裁と燃料封鎖により電力危機を押しつけられているが、現在進められている再建計画が実現すれば、米帝の制裁や干渉に追い詰められることのない強靭な社会主義体制を建設することができる。危機は深刻で、計画にもさまざまな困難、 問題点があるだろうが、力を合わせて再建に進むキューバの人々を応援し、連帯しよう。
