反戦と生活防衛を結合し、高市軍国主義政権と対決しよう
○対中戦争政策を転換し、日中平和友好へ進もう
○消費税廃止・改憲阻止へ国会外の闘いを拡大しよう

高市首相は日中関係改善の芽を潰すな
「台湾」有事発言を撤回せよ

 10月5日の首相所信表明演説は、高市政権の軍国主義的・反人民的本質を誇示した。柱は「危機管理投資」「成長投資」だ。その対象17戦略分野の要は軍需産業、成長投資の柱は小型無人機、艦艇、デュアルユース(軍民両用)技術である。高市の「責任ある積極財政」とは、軍民両用を土台とする軍需産業への大盤振る舞いに他ならない。さらに、年末までの安保3文書改定、国家情報局の強化、基地周辺・国境離島の土地規制、改憲論議の加速を宣言した。経済・産業政策と軍事・情報・治安対策を一体化して進める、文字通りの「対中戦争国家」化だ。沖縄米兵の強盗殺人事件については「遺憾」「再発防止」と述べただけで、日米地位協定にはひと言も触れず、辺野古基地推進と米軍の「円滑な駐留」への理解を求めた(参照:米海兵隊員の女性殺人断固糾弾米兵犯罪許さぬ 日米地位協定の抜本改定を | コミュニスト・デモクラット)。
 所信表明で際立ったのは対中強硬姿勢である。中国の「軍事活動」「威圧的措置」を列挙して「主張すべきは主張」すると語った。国連総会で旧敵国条項の削除を要求し中国を挑発したばかりだ(参照:高市首相は「旧敵国条項」削除要求を撤回せよ○「台湾有事」軍事介入発言を撤回せよ○対中戦争準備をやめ、日中平和友好へ転換せよ | コミュニスト・デモクラット)。
 日中関係改善のボールは高市政権の側にある。9月には日中友好議員連盟の若手議員団が訪中し、岩屋前外相が北京で王毅外相と会談した。王毅は台湾問題での誤った言動の是正、歴史問題での正しい姿勢、中国への客観的認識を求めた。朝日新聞の世論調査では、対中関係改善に「努力すべき」が57%。「必要ない」35%を大きく上回る。経済団体のトップも、来年3月の訪中で調整に入った。高市首相は「台湾有事」軍事介入発言を撤回せよ。対中対決をやめ、日中平和共存へ転換せよ。

食料品限定減税・2年限定減税反対。消費税は5%から廃止へ

 政府は9月15日、飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間1%に引き下げ、2029年度から給付制度へ移行する「大綱」を閣議決定した。高市政権はこの食料品限定・2年限定消費税減税を今国会最大の争点にしようとしている。しかし、食料品値上げは昨年だけで2万品目、今年も2万品目を超え、来年4月の限定消費税導入後には、企業が一斉に便乗値上げする見通しだ。すでに食料品7%減税分は帳消し状態なのである。さらに、2年間限定だから、2年後に5兆円もの大増税となる。
 われわれは、政府のこの「大綱」そのものに反対する。消費税は一時的ではなく恒久減税、部分減税(食料品限定)ではなく全面的引き下げ(一律減税)を要求する。そして消費税5%から廃止へ進むことを要求する。
 メディアや減税反対派は、未だに「社会保障が維持できない」と猛反対している。だが、消費税は目的税ではなく一般財源である。そもそも37年前の消費税は、大企業法人税や富裕層所得税の税率を大幅に引き下げる原資として、その負担を人民に全面転嫁するために導入された。低所得者の生活苦を顧みずに導入した逆進性の階級的税制度である。そして37年後の今日、その収奪的・階級的本質が露わになり、生活苦が続出しているのである。
 世論調査によれば、人民は減税には過半数が賛成しているが、財源を懸念している。今こそ、財源への懸念を逆手にとって、もう一度、「消費税とは何か」「なぜ導入されたのか」という根本問題を暴露していこう。財源はある。大企業優遇税制の廃止、法人税増税、金融所得課税と富裕層への累進課税である。何より軍事費の大規模削減こそが最大の財源だ。
 そして日本の国家財政の階級的性格を暴こう。政官財の日本の権力構造にメスを入れ、金融資本富裕層に大胆に負担させよう。歳入面では、消費税導入時点の法人税・所得税の税率に戻し、株式投機や金融投機でボロ儲けする「金利生活者」に重税をかけよう。歳出面では、政府・野党・メディアがタブー視する軍事費を大幅削減し、金融資本への補助金や大盤振る舞いをやめさせよう。

社会保障の制度解体狙う「給付制度」反対。マイナンバーカード義務化反対

 論戦が始まれば、焦点は消費税限定減税の是非に集中するだろう。しかし、食料品限定減税は本丸でも目的でもなく、社会保障の制度的解体に向けた全く新しい「所得連動型給付制度」確立へ向けた第一歩、「つなぎ」なのである。政府は消費税限定減税終了の2年後をもって、この制度への移行開始を計画している。野党もメディアも知らぬフリをしている。人民を愚弄する騙しの手口だ。どういう制度か?表向きは、「中低所得の現役勤労者優遇」「現役世代の手取り増」「『年収の壁』による働き控えの解消」(就労促進)という甘い言葉が並ぶが、その保証は全くない。具体策は全て、政令で政府が自由自在に決められることになっている。
 2029年度に導入されるこの制度の最終目標こそが真の狙いである。2つの目標がある。第1に、「給付一本化」による社会保障の整理・統合だ。政府に群がる新自由主義者たちは、この「所得連動給付」と「所得税増税」「社会保障削減」をセットで進める「三位一体改革」を提言している。配偶者控除の廃止や基礎控除・扶養控除の削減などが想定されている。第2に、今回の給付が、すでに国や自治体が実施している「現金給付(生活保護や児童扶養手当・児童手当など各種手当)」と対象者が重なる「二重給付」を口実に、セーフティネット全体の水準を切り下げることである。この動きは、社会保障を、普遍的な権利としての保障(現物給付)から、選別主義によるお金(現金給付)へと転換し、新自由主義的な「社会保障の民営化」へすり替える第一歩になりかねない。
 政府は、「所得連動型給付制度」の準備として、所得把握の強化とマイナンバーカード・口座紐づけの制度の義務化へ向けた準備を姑息に進めている。すでに今年8月から、65歳以上の年金受給者約1600万人に意向確認書が送付され、45日以内に不同意を返送しなければ公金受取口座に登録される。拒否する側だけに手続きを課す「みなし同意」の押しつけである。これは、政府がマイナンバーカードと個人口座紐づけを義務化し、個人収入・資産の完全監視・把握する体制に向けた一歩だ。確かに、まだ全面義務化ではない。しかし今の段階で義務化への警鐘を鳴らそう。

改憲阻止。「条文起草委員会」設置反対

 高市首相は、来年春までに改憲発議のめどをつけると宣言し、所信表明では国民投票法改定による環境整備を歓迎した。首相みずから改憲の具体的な期限に踏み込むのは異例だ。すでに衆院憲法審査会では前国会中に緊急事態条項の条文の「イメージ案」が初めて示され、与党は今臨時国会で「条文起草委員会」の設置を目指している。緊急事態条項は、戦争国家化を憲法で固定する入口だ。一部の条文で合意を先行させる起草委員会の設置は、改憲の既成事実づくりであり、断じて許されない。
 しかし、与党内でさえ改正内容はまとまっていない。自民は9条への自衛隊明記を掲げ、維新は戦力不保持を定めた2項の削除と「国防軍」創設を掲げる。協議会を10回重ねても隔たりがある。衆院では与党が3分の2を超えているが、参院では与党は3分の2に遠く及ばず発議のめどは立っていない。闘えば押し返せる。

足元から揺らぐ高市政権を追い込もう

 高市政権は内閣改造でさらに脆弱となった。臨時国会冒頭から簗農水相の辞任と高市首相の任命責任をめぐって与野党が対立している。簗氏が自身を選挙で支持しなかった首長がいる自治体の道路予算を「大幅カットした」と自己暴露した件である。「政治とカネ」問題も再浮上した。入閣した簗氏と関文科相は裏金議員だ。その他、藤井総務相の運動員買収疑惑、麻生太郎元首相の政治資金の私的流用疑惑もある。「企業・団体献金」を直ちに全面禁止すべきだ。
 与党提出の衆院議員定数削減法案も与野党の対決法案になる。少数政党を葬り去る反動法案だ。「政治とカネ」問題を徹底追求しよう。衆院議員定数削減法案を廃案にしよう。
 確かに高市政権は依然として4~6割の支持率がある。しかし、若年層、女性層の支持率は急落し、消極的支持が増えている。野党の惨めな分裂と迷走がそうさせている。
 国会外の闘いが政治的力関係を変える条件は十分にある。第1は、「責任ある積極財政」の矛盾だ。軍事費急膨張、大型投資と複数年予算、経済安保への巨額支出で突き進めば、金利上昇、円安、物価高、国債利払い増との矛盾は避けられない。そのツケは物価高と社会保障削減、大衆増税として人民に転嫁される。生活苦の怒りはさらに広がるだろう。第2は、対中関係である。米中関係が緊張緩和と戦略的安定へと進み、財界と世論も日中関係改善を求める声が強まっている。高市がこのまま対中強硬路線を続ければ、日本のさらなる孤立と経済的打撃を招く。経団連などが訪中に動き始める中で、対中対決に固執する政権との亀裂が支配層の中にも拡大するだろう。第3は、裏金・利益誘導、政治とカネの腐敗だ。来春の統一地方選、来年秋の自民総裁選に向け自民・与党内からも反高市の動きが必ず出てくる。
 反戦、生活防衛、社会保障、改憲阻止、日中友好、金権政治糾弾の闘いを一つに結び、街頭・職場・地域から大衆運動を拡大すれば、高市政権を退陣に追い込む現実的な展望は十分にある。9月19日の国会正門前行動には1万5000人が参加し、全国約330か所に広がった。ペンライト行動は、組織に属さない人々に参加の入口を開いている。安保3文書改定、日米首脳会談、改憲発議の動きを受け、反戦・反改憲運動は新たな段階に入る。軍国主義と反人民の高市政権を、国会外の大衆的な闘いで退陣に追い込もう。 

2026年10月8日
『コミュニスト・デモクラット』編集局

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