米海兵隊員の女性殺人断固糾弾
米兵犯罪許さぬ 日米地位協定の抜本改定を

「基地との共生」はあり得ない

 10月4日、沖縄県警は、3日に那覇市で沖縄の女性の首を絞め所持品を奪った強盗殺人の容疑で、普天間基地所属の米海兵隊上等兵を逮捕した。米軍基地があるがゆえに、またも女性の命が奪われた。あまりにも卑劣な犯行に満腔の怒りをもって抗議する。凶悪犯罪を生む基地と、加害者を守る日米地位協定――この構造を根本から断たなければならない。

「次は自分の番かも」沖縄の怒り

 4日、那覇市、沖縄市、うるま市で開かれた緊急集会には200人以上が集まった。「Me Too」「With You」のプラカードが掲げられ、何十年も続く暴力への怒りが静かに語られた。発言者の一人は「根源にある日米安全保障条約を破棄する闘争をするときではないか」と呼びかけた。「『次は自分の番かも』と沖縄の人が思っていることを本土の人にも分かってほしい」「軍隊が守るのは私たちじゃない」。新宿駅前、首相官邸前、大阪などでも抗議のスタンディングがあった。
 沖縄の人々は、米軍基地の危険と不条理に日々さらされ、「安全保障」の名の下で、女性の人権と尊厳を踏みにじられてきた。平和のうちに生存する権利を奪い続ける米軍基地と日本政府に、怒りを禁じ得ない。

繰り返された凶悪犯罪 日米地位協定の特権を許すな

 1972年の復帰から2025年まで、米軍人・軍属等の刑法犯検挙は6409件。3日に1件の割合だ。うち殺人、強盗、不同意性交などの凶悪犯は約600件に上る。2025年は101件と、22年ぶりに年間100件を超えた。
 2016年にうるま市の女性が元海兵隊員の軍属に殺害され、2023年には16歳未満の少女が連れ去られて性的暴行を受け、2024年には20代の女性が首を絞められて両目を負傷した。日米両政府は事件のたびに、「綱紀粛正」「再発防止」を約束し、日米合同パトロールや米憲兵隊(MP)の巡回も実施した。それでも止まらない。
 背景には、加害者を守る日米地位協定がある。1960年の締結以来、一度も改定されず、「運用改善」でも事件は止まらなかった。
 第1に、身柄の引き渡し。米側が先に確保した容疑者は、日本が起訴するまで米側が拘禁する。1995年の少女暴行事件で米軍は県警の引き渡し要求を拒み、「運用改善」後も、起訴前の引き渡しは米側の「好意的考慮」次第だ。基地内では、米軍の同意がなければ捜索も差し押さえもできず、今回は基地の外で逮捕できたが、基地内なら阻まれかねない。司法権が基地の前で止まる沖縄は、今なお米軍の占領下に等しい。日本側が求めれば起訴前でも身柄を直ちに引き渡す義務と、基地内の捜索・差し押さえ権限を協定に明記させなければならない。
 第2に、通報だ。2023年12月の少女暴行事件を、外務省は24年3月に把握しながら県に伝えず、県は6月に報道で知った。公共の安全に関わる事件事故を自治体と住民に速やかに知らせる義務を明記させなければならない。
 第3に、補償。公務外の犯罪の賠償は加害者個人の資力に左右されかねない。被害者・遺族への補償は、日米両政府の責任で行わせなければならない。

「綱紀粛正」ではなく基地撤去を

 高市首相は事件当日のX投稿で「極めて遺憾」と述べただけだ。5日の所信表明では、冒頭で哀悼と米側への抗議を表明したが、辺野古新基地の推進と在日米軍の「円滑な駐留」への理解を求め、地位協定にはひと言も触れなかった。同日、古謝玄太知事と知念覚那覇市長の抗議に、在沖米軍トップのワトソン中将は哀悼の意を示したが、これまで同様謝罪はしなかった。
 同中将は6日、7日正午から48時間の活動停止、外出・飲酒の禁止、9日から30日間の夜間外出規制を発表した。だが、同じ対症療法の繰り返しだ。背景にあるのは、暴力と支配を容認する組織風土と、在日米軍専用基地面積の約7割を押しつけられた沖縄への基地・海兵隊の集中だ。19日からの日米統合演習「キーン・ソード27」で軍事一体化を急ぐ一方、沖縄の人々の生命と安全は置き去りにされている。
 今度こそ「綱紀粛正」「再発防止」で幕引きさせてはならない。真相究明、被害者の遺族への謝罪と補償、日米地位協定の抜本改定、米軍基地の撤去を求め、国会で徹底審議すべきだ。沖縄の人々がいつ被害者になるかと恐れて暮らす状況を放置して、「基地との共生」などあり得ない。基地問題は沖縄の問題ではない。基地を押しつけてきた日本政府の責任を問うこと、それはわれわれ自身の課題である。


2026年10月9日
『コミュニスト・デモクラット』編集局

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