10・7ガザ蜂起3年 抵抗勢力の不屈の闘いに連帯する
米=イスラエルの虐殺・占領・住民追放を許すな
パレスチナ解放へ、イスラエルをさらに孤立させよう

10・7は民族解放闘争の歴史的転換点
 
 2023年10月7日の、ハマスを中心とするパレスチナ抵抗勢力による「アルアクサ洪水作戦」=ガザ蜂起から3年。その後の膨大な犠牲にもかかわらず、10・7の歴史的意義は失われるどころか、ますます鮮明になっている。
 第1に、長期の占領と封鎖が固定化され、忘れ去られたかのようであったパレスチナ民族解放を、西アジアと世界の民族解放闘争の中心課題へと再び押し上げた。パレスチナ人民が、植民地主義に支配されながら「人道援助」を受け取る対象ではなく、歴史を動かす主体として立ち現れたのだ。瓦礫の中で土地を離れず、負傷者を救い、子どもを育て、虐殺を記録し、自らの未来を決める主体として。それは、1948年のナクバ、1967年の占領支配、2007年以降のガザ封鎖、入植地拡大と住民追放=民族浄化に抗すパレスチナ民族解放闘争の新段階である。
 第2に、パレスチナ抵抗勢力の結束と不屈の闘争を全世界に示した。10・7はハマスが主導したが、イスラム聖戦、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)、パレスチナ解放民主戦線(DFLP)をはじめとするすべての抵抗組織が闘争に参加した。この確固たる抵抗闘争は、イラン、レバノンのヒズボラ、イエメンのアンサール・アッラー、イラク抵抗運動などの西アジアの反帝民族解放勢力=「抵抗の枢軸」を復活させる原動力となった。
 第3に、パレスチナの占領と封鎖を固定化し、サウジアラビアなど湾岸王政諸国とイスラエルとの国交正常化を進め、中東支配の手先にしようとした米帝国主義の中東戦略を挫折させた。米=イスラエルは巨大な破壊力を振るったが、抵抗組織のせん滅も、パレスチナ人民の意思を排除した支配秩序の構築も実現できなかった。
 第4は、パレスチナ連帯闘争が全世界に広がったことだ。各地で学生・若者・労働者らの連帯行動が展開され、武器禁輸・投資撤収運動が広がっている。パレスチナ解放は米帝国主義の中東支配、全世界での植民地主義支配そのものを問う世界的課題になった。南アフリカは国際司法裁判所にジェノサイドを提訴した。10・7によって目を開かされたパレスチナ連帯の行動がこの3年間、休むことなく世界中で続いている。われわれもまたその一翼を担ってきた。ガザでのジェノサイド阻止とイスラエル軍の完全撤退、西岸での不法入植中止を要求し、パレスチナ民族自決権の確立まで闘う決意を固めたい。

ガザ追放計画――「第二のナクバ」を阻止しよう

 ガザ蜂起からの3年は、イスラエルによるジェノサイドの3年でもある。ガザ保健当局の10月6日集計では、死者7万4245人、負傷者17万5267人。子どもの死者だけで2万人を超え、女性は1万2500人以上だ。昨年10月の「停戦」以降も1462人が殺され、5151人が負傷した。
 しかしこれは確認された数字だ。10月1日、23年10月のイスラエル軍の空爆で倒壊した建物の瓦礫から3年近くを経て収容された105人の遺体が合同埋葬された。遺族はようやく葬儀を行えた。なお約8500人とも言われる多数の遺体が瓦礫の下に残り、不発弾や重機不足が収容を阻んでいる。イスラエルは瓦礫1000万トン以上を1日約100台のトラックで域外へ搬出し、戦争犯罪の証拠を隠滅している。破壊された住宅、医療、水道と電力の再建も進まず、住民の生存そのものが脅かされ続けている。これとは別に英国医学誌「ランセット」は2024年7月5日の論考(栄養失調が激しくなる前だ)で、戦争に直接関係する死者に栄養失調や感染症などの死者を加えると18万6000人になると推定した。
 ネタニヤフ政権の閣僚たちは、ガザからの住民追放を繰り返し公言してきた。9月2日、カッツ国防相は強制移住なしには「真の解決策はない」と主張した。翌3日、ベングビール国家治安相は「自発的移住」と称し、初年度に25万人、7年で186万人を移住させる計画を発表した。強制移住を「自発的」と言い換える民族浄化計画だ。すでに昨年3月には国防省内に「自主移住局」が設立されている。こうした計画が、10月27日の総選挙を前に極右勢力の政治的要求となっている。
 イスラエルはガザ全体の7割に占領を拡大し、住民の避難地域との間に土塁を築き、食料や医薬品の搬入を著しく制限して土地の併合と再入植を狙っている。8月24日にはガザ北部のシェイク・ラドワン地区に新設された海水淡水化施設を空爆した。生活に必要なインフラを破壊し、住民を「自発的」にガザから離れさせるためだ。西岸併合・レバノン侵略を許すな

 イスラエルはヨルダン川西岸でも、不法入植地拡大と住民追放を加速している。8月18日、東エルサレム東方のE1地区に新入植地建設の入札を公示した。E1は西岸を二分し東エルサレムの包囲を完成させ、パレスチナ人の住宅建設を阻むものである。約7000人が戦争犯罪である強制移送に直面している。検問所や塹壕などの移動障害物は925カ所と過去20年で最多となっており、4万1500人以上が避難を強いられた。25年1月開始の「鉄の壁」作戦では、ジェニンなど3難民キャンプの住民全体が追われ、約3万3000人はいまも帰還を許されない。スモトリッチ財務相は「西岸の82%を併合する」と主張している。10月6日にはカッツが、難民キャンプからの大規模退避とインフラ破壊を含む対自治政府戦争の準備を軍に命じた。ガザと西岸を切り離した「解決」は、民族自決を否定するものだ。
 レバノンへの侵略も拡大している。6月の停戦合意後も犠牲者は増え続け、今年3月以降に約4400人が殺害され、負傷者は1万2300人を超える。約60万人が避難生活を強いられている。イスラエルはレバノン領土の約5分の1近くを占領している。9月28日には、全住民に退去を命じた上でマンスーリー村で大規模な爆発を起こし、「600以上のテロ・インフラを解体した」と発表した。だが実際に破壊されたのは住宅、学校、礼拝所、水や電力インフラである。「停戦」を掲げながら占領を続け、破壊と殺戮を続ける――ガザと全く同じやり口だ。

米トランプ政権はジェノサイドの共犯者

 イスラエルが殺戮と破壊を続け戦争犯罪を拡大できるのは、トランプ政権の支援あればこそだ。9月15日、トランプは総額28億ドル相当の大型爆弾の追加供与を承認した。2000ポンド(約1トン)級爆弾4万発と貫通爆弾2万発が中心で、ここ数年で最大規模だ。「武器売却」と呼ばれるが、実際は米国が対外軍事融資(FMF)で資金を供与し、それが米兵器企業へ還流する仕組みである。
 27会計年度の国防権限法案では、AIや自律システム、サイバー・電子戦などで米=イスラエルの軍事技術協力を強めようとしている。9月3日には、民主党議員33人も賛成して米下院が可決した法案H・R・4795は、イスラエルへのボイコットを行う大学等に連邦資金上の制裁を加えるものだ。軍事研究への参加には資金を与え、それを拒否する研究には資金停止を突きつけるというのだ。
 9月29日米上院は、ヨルダン川西岸の人権状況についての報告を国務省に求める決議を賛成47・反対51で否決した。それでも24年1月の類似の採決が賛成11・反対72であったのと比べれば、米議会でもイスラエル批判が広がっていることを示している。

孤立するイスラエル――武器禁輸と制裁を強めよう

 10月27日はイスラエル総選挙だ。腐敗裁判でネタニヤフは窮地にあり、与党「リクード」は大幅に議席を減らす見込みだ。だが政権交代があっても、パレスチナやレバノン、イランへの対応が大きく変化する可能性はきわめて低い。逆に投票前にトランプと新しい戦争を始める危険さえある。イスラエルの姿勢を変えさせるには、国際的圧力の強化しかない。
 9月24日、国連総会で演説したネタニヤフは、「ネタニヤフを逮捕しろ」を掲げた1000人超のデモに迎えられ、演説中に75ヶ国の代表団が席を立った。ネタニヤフは宿泊さえ避けて8時間で逃げるように去った。
 9月8日、英国・フランス・カナダなど12か国が、西岸の違法入植地で生産された商品の輸入禁止などを進める声明を発表した。英国は入植地産品の禁輸に踏み切り、イスラエルは報復として東エルサレムの英総領事館を格下げさせた。だが制裁対象は貿易総額のごく一部であり、武器輸出もF35部品の供給網を通じて続いている。イスラエルへの全面的な武器禁輸と実効ある制裁を迫らなければならない。
 高市政権は制裁どころか、イスラエルとの協力関係を強めようとしている。防衛省は今年度、攻撃型ドローンⅡ型・Ⅲ型の導入を狙い、候補にはイスラエル製2機種が残り、うち1機種は軍需最大手のエルビット・システムズ社製だ。同社の工場では、日本のファナック社製ロボットが155ミリ榴弾の製造に使われている。日本から兵器生産の国際的な連鎖を断ち切ることは、日本の連帯運動の課題である。
 10・7の3周年に前後して、世界100ヶ所以上で抗議と連帯行動が取り組まれた。9月28日~10月4日には、パレスチナBDS民族評議会の呼びかけでファナックへの国際抗議行動が、日本をはじめ各地で取り組まれた。虐殺を支える日本政府と企業に責任を取らせよう。日本からも兵器取引中止、イスラエル軍のガザ・西岸・レバノンからの完全撤退、封鎖と住民追放の中止を迫り、パレスチナ民族解放闘争への連帯を強めよう。運動を一層強化し、国際的な運動に合流しよう。イスラエルと米国に圧力をかけ、パレスチナ解放に向け前進しよう。

2026年10月8日
『コミュニスト・デモクラット』編集局

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