停戦踏みにじるレバノン侵略・ガザ全面占領を許すな
国際的孤立を深めるイスラエルに、さらに圧力を

レバノン停戦を破る南レバノン侵略

 イスラエル軍は、今年4月の停戦後も南レバノンから撤退せず、国境の内側6~15㎞に及ぶ「緩衝地帯」に居座って住宅や民間インフラを大規模に破壊している。6月5日にも南部各地を空爆し、6日にはレバノン軍車両を攻撃して准将ら3人を殺害、サクサキーヤ村でも6人を殺した。3月2日以後のレバノンでの死者は3500人を超え、120万人以上が家を追われた。2000年に占領を打ち破った村々が再び占領下に置かれ、住民はこれを「第3のナクバ」と呼んでいる。
 5月末から6月にかけて、イスラエル軍は2000年解放の象徴ビューフォート城を一時占拠して「占領」を誇示した。だがヒズボラは自爆ドローンとロケット弾の集中攻撃で反撃し、イスラエル軍を撤退に追い込んだ。
 6月3日、米国が主導してイスラエルとレバノン政府は停戦実施を発表した。だがその内容は、ヒズボラの武装解除と南部からの撤退だけを求め、イスラエルの撤退も攻撃停止も含まないものだった。ヒズボラはこれを事実上の降伏要求として拒否し、イスラエルも「占領と攻撃を続ける」と公言した。6月7日のイスラエルによるベイルート南郊攻撃は2人を殺害、11人を負傷させ、イランによる対イスラエル報復ミサイルを招いた。このイスラエルのレバノン侵略こそ、米・イラン停戦の最大の障害となっている。

ガザ全面占領を既成事実化するイスラエル――飢餓・追放・西岸併合

 ガザでも、イスラエルは停戦合意を踏みにじって軍事支配を拡大している。ネタニヤフ首相は5月28日、ガザの70%を支配するよう軍に指示したと公言した。昨年10月の停戦合意でイスラエル軍の占領地は約53%と定められたが、いまや60%を超え、さらに70%、最終的には全面占領を狙っている。停戦後も殺戮はやまず、昨年10月以降の死者は930人を超え、2023年10月からの死者は7万3000人に迫る。「停戦中」にもかかわらず、月100人以上が殺されているのだ。しかもこの事態は、トランプ米大統領が主導する「平和評議会」の下で起きている。トランプがネタニヤフを「罵倒」してみせても、米国がイスラエルを支え続ける構図は変わらない。
 イスラエルは「飢餓作戦」も続けている。停戦下で搬入が予定された支援物資のトラックのうち、実際に入ったのは4割にも満たない。人々はテントや壊れたビルで、煮炊きの燃料も電気もない暮らしを強いられている。さらにイスラエルは国防省内に「自発的移住」担当局を設け、カッツ国防相は5月、住民を大規模に国外移送すると公言した。
 ヨルダン川西岸でも政府公認の「事実上の併合」を進めている。これも明白な国際法違反だ。軍と入植者の暴力で住民が土地と生活の糧を奪われている。占領拡大は、飢餓と追放による植民地主義的支配の全面化として進んでいる。

孤立深めるイスラエル――高まる国際的批判と連帯

 しかし、レバノン侵略、ガザ全面占領、西岸併合は、イスラエルの国際的孤立を深めている。6月中旬にパリ近郊で開かれる世界最大級の防衛・安全保障展示会「ユーロサトリ」で、フランス政府はイスラエル政府の公式参加と公式パビリオンの設置、攻撃用兵器の展示を禁じた。2024年に過去最高となる対イスラエル武器輸出を受注したフランスでさえ、国際世論とパレスチナ連帯運動の圧力に押されて、この措置を取らざるをえなかったのである。
 ガザ封鎖を破ろうと「グローバル・スムード船団」が2波、100隻以上が向かったが、イスラエルは5月、大半の船を拿捕して約430人を拘束し、拷問や性的虐待を加えた。極右のベングビール国家治安相は、手を後ろで縛られてひざまずき、頭を床につけられた支援者たちを侮辱する動画を投稿した。自国民を拘束された韓国の李在明大統領は、ICCの逮捕状を挙げて「ネタニヤフが入国すれば逮捕を検討する」と述べた。マレーシアはイスラエルの国際法廷への提訴を準備し、イタリアのメローニ首相も「人間の尊厳に対する侵害だ」と非難した。イギリス・フランス・カナダ・トルコなども批判を強めている。
 国際的孤立を深めるイスラエルにさらに圧力をかけ、レバノンからの即時撤退、ジェノサイドの即刻中止、ガザからの完全撤退、入植地拡大の中止を受け入れさせよう。イスラエルに加担する日本政府・企業への抗議を強めよう。

2026年6月9日
『コミュニスト・デモクラット』編集局

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