第10回キューバ連帯アジア太平洋地域の集い、北京で開催

 10月29、30日、第10回『ICAPキューバ連帯アジア太平洋地域の集い』が中国北京で開催され(ICAPは「キューバ諸国民友好協会」の略)、16カ国から36団体(各国キューバ友好団体、共産党、市民団体など)の代表団70人が参加した。
 私は、代表団の一人として参加し、キューバへの熱い連帯表明と、米国によるキューバ経済封鎖への批判の声をあげてきた。

米国による経済・金融・商業封鎖の即時解除を要求

 「集い」の主な目的は、米国に対して、キューバへの経済封鎖の解除を要求し、一方的なテロ支援国リストからの除外を迫る声を、アジア・太平洋地域でも高くあげることだった。
 開催中の10月30日には、国連総会において、米国がキューバに対して実施している長期的な経済的・商業的・金融的制裁(いわゆる「経済封鎖」)の終結を求める決議案が187カ国の圧倒的な支持をもって採択された。この経済封鎖は、1962年に始まり現在まで60年以上続いている。 92年以降は毎年同様の決議が採択されている。
 制裁はバイデン政権下で243項目追加された。またトランプ前政権時代からの『テロ支援国家再指定』により、キューバと取引をする国や企業はますます少なくなってきている。おまけに、キューバへの対外支援が厳しく制限され、この集い直前と直後2回のハリケーンとその後の大地震による被害で困窮する中、物資も海外送金もできない状態である。この人道危機に、会場から米国への強い非難の声が上がり続けた。
(参照記事:米はキューバへの経済封鎖を今すぐ解除せよ!

アジア・太平洋地域におけるキューバ連帯の継続した活動

 「キューバ連帯アジア太平洋地域の集い」は、1995年のインド・コルカタで初めて開かれ、2年ごとにアジア・太平洋諸国の持ち回りで開催されている。
 今回、キューバからはICAPのフェルナンド・ゴンサレス総裁とアジア太平洋担当のアリシアさんが出席した。ゴンサレスさんは、1998年に米国での反革命組織による破壊活動を防止する活動中に米国政府に逮捕された「キューバン・ファイブ」の一人で、15年間獄中で過ごした。解放後、2017年にICAP総裁に就任。参加団体には、逮捕当時から、「キューバン・ファイブ」の活動に関わってきた人も多くいて、ゴンサレスさんと会する喜びが会場に溢れていた。
 ホスト国・中国からは中国外交部ラテンアメリカ・カリブ海局の孫毅福局長と中国人民対外友好協会の袁敏道副会長が出席され、駐中国キューバ大使が会議をリードした。
 ゴンサレスさんからは、中国人がキューバへ到達した177年来の繋がりを挙げ、中国での開催は友情の絆を強化するものと述べ、中国外交部・孫さんからは、「冷戦の考え方は歴史的な傾向に反しており、我々はこれらの過ちを正し、キューバに援助を提供し、この種の世界覇権主義に反対し、グローバル・サウスの国々を団結させねばならない」と述べるなど、両国の固い連帯を確認するものであった。

キューバの献身的な途上国支援に感銘

 今回の集いに参加して特に驚いたのは、キューバの他国、特に貧困地域への支援がいかに長く献身的なものかであった。参加国のほとんどが、アジアの発展途上国や新興国だったが、それらの国々へキューバが行った支援の数々は計り知れないと感じた。特に目立ったのが医療援助で、薬や医師の提供に留まらず、医学留学生を受け入れ医師を育てるなど自立への道を提供していることが伺われた。フィリピンの報告者は、「制裁により一般の必需品さえ不足する中、(医学生)受入れは揺るがず、私たち留学生に可能性を共有してくれた。彼らは、私たちを訓練し、祖国に帰国した際に、私たちを通して人々の健康と幸福を維持することが人類に対する最善かつ最も人間的な貢献であると信じているからである」と語り、その他の代表団からも、ベトナム戦争・災害・コロナ時の多大な支援に感謝の意が述べられた。キューバが65年「社会主義」を堅持する姿に多くの人が励まされていることを実感した。

(OD)

第10回アジア太平洋地域対キューバ連帯会議「最終宣言」

 アジア太平洋地域のキューバ連帯運動は、2024年10月29日から30日にかけて、中華人民共和国の北京で第10回キューバ連帯地域会議を開催し、16カ国から36の友好・連帯団体を代表する70人の代表団が参加した。
 ディスカッション・セッションにおいて、代表団は、60年以上にわたって米国政府がキューバ共和国に課してきた不当かつ犯罪的な封鎖政策の終結を求める国際的な要求を満場一致で支持し、また、この冤罪がキューバ国民の経済的・社会的発展の主な障害となっていることから、キューバを一方的なテロ支援国リストから除外するよう要求した。
 ここにいるすべての者は、我々の国家間で未来を共有する平和な世界を構築するために、団結、支持、協力を強化することが不可欠であると考えている。よって我々は、以下の事項を共同で約束することを宣言する。

1.尊厳あるキューバ国民に対する敬意、賞賛、連帯の証として、実践的な行動から始め、あらゆる可能な状況において、あらゆる機会においてキューバ革命を支持し、擁護すること。

2.経済・金融・商業封鎖の即時恒久的・全面的・無条件の解除と、貿易制限を強め、経済・社会発展を妨げ、キューバ国民に苦難をもたらし、キューバとの関係を求める他国とその国民の利益を害する、国連憲章と国際法に著しく違反するテロ支援疑惑国リストからのキューバの除外を要求すること。

3.国際の平和と安全、そして自国の完全性と主権を守り続けること。キューバは、その領土の一部が外国の軍事基地によって不法占拠されているにもかかわらず、世界平和の保証者であり、10年前にハバナで平和地帯が宣言されたラテンアメリカ・カリブ海地域の保証者である。

4.私たちの組織と人々の連帯と協力の行動を促進することで、開発戦略を最も必要としている国々に開発戦略を実施することを可能にし、この地域の多くの国々の例に倣って私たちが打ち出した共有の未来のために、資源と平等な機会を提供する。

5.保健、教育、食糧生産システムの発展に寄与するため、キューバ国民への支援を拡大する。

6.キューバの教育機関の卒業生の役割を強化し、国際主義、協力、民族間の連帯の夢の忠実な信奉者として、新しい世代との友好の仕事を促進すること。

7.ICAPが65周年を迎えるにあたり、その連帯の使命に敬意を表するとともに、フィデル司令官生誕100周年を迎えるにあたり、生命と友好を守る世界の人々の政治的・倫理的パラダイムである彼の思想と歴史的遺産を広めることを目的として、2024年と2025年の間、キューバ内外でICAPが招集・主催する国際的なイベントに同行する活動を組織すること。

8.パレスチナのガザ地区における即時かつ永続的な停戦、緊張をエスカレートさせる行動の停止、およびガザにおける人道的災害を軽減するための措置を求めること。

 中国人民対外友好協会(CPAFFC)の第10回キューバ連帯アジア太平洋地域会議の温かいもてなしと素晴らしい組織に対し、特別な祝意と深い感謝の意を表します。中国人民対外友好協会創立70周年の記念すべき年にあたり、国防と建設に従事する中国人民の皆さまにご挨拶申し上げます。

 第10回キューバ連帯アジア太平洋地域会議代表団
 中華人民共和国 北京市    2024年10月30日

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