[1] トランプが直面する大激動の世界―グローバル・サウスの劇的台頭と米帝一極支配の終焉
(1)トランプを待ち受ける世界は、2017年からの第1期とは大きく異なる、歴史的大激動の世界である。それは、中国とBRICSが主導するグローバル・サウス(新興・途上諸国)の台頭と、米帝と西側帝国主義の覇権体制・植民地主義支配体制の没落である。2つの劇的変化がある。
第1に、国際政治をG7がやりたい放題に出来なくなった。最も象徴的だったのはブラジルでのG20首脳会議だ。G7は、自らの覇権維持のために作ったG20で完全に脇に追いやられた。その主導権を握ったのは中国とBRICSである。最優先課題は、貧困撲滅と真の経済成長、「真の多国間主義」「包括的グローバリゼーション」であった。G7が持ちこもうとした、ウクライナ支援や制裁など戦争・介入・資産強奪などの課題は、見る影もなかった。
第2は、帝国主義的新植民地主義的経済体制の掘り崩しである。中国主導のBRICSが西側の貿易戦争やドル・金融覇権や制裁に左右されない別の「経済システム」を形成しつつある。ロシア・カザン首脳会議とBRICS拡大は、決定的な転換点となった。(参照記事:BRICSカザン・サミット~社会主義中国が牽引し、多極世界の構築めざす)
米欧日帝国主義が、自ら作り上げてきたグローバル経済構造を、対中国の保護主義的な関税・貿易戦争・ハイテク戦争、デカップリング・デリスキングを仕掛けることで、矛盾やあつれきを生み出しながら真っ二つに分断している。中国とロシアを中心に、BRICSとグローバル・サウスが、西側の戦争・介入・制裁に脅迫されない、左右されない貿易・投資を中心とする「もう一つの世界経済」を作り始めているのだ。
このような歴史的大激動を正しく理解するには、今日の国際的諸関係の全体をその動態において弁証法的に捉えることが不可欠である。マルクス主義者は、国際情勢を主要な4大矛盾(①米中の体制間矛盾、②帝国主義と民族解放勢力との矛盾、③帝国主義間矛盾、④帝国主義国内の階級矛盾)において捉え、これを世界認識の基軸に据えなければならない。
(2)今日の国際的力関係の変化を決定づける最大の要因は、この4大矛盾の①と②の結合である。とりわけ中国とグローバル・サウスの経済的発展、その経済力である。購買力平価GDPで比較すれば、すでに中国と米国、BRICS+とG7それぞれの経済力は逆転している。
中国37兆721億ドルに対し米国は29兆1678億ドル。BRICS+は世界の33%で、29%のG7を上回る。世界人口はBRICS+の45%に対して、G7は10%に過ぎない。確かにG7は依然として、軍事・ドル金融など世界覇権を維持し、逆にBRICS+諸国は1人あたり所得や技術水準で後れを取り発展途上国のままだ。だがBRICS+の成長力はG7を大きく凌駕し、その経済力で帝国主義の経済覇権を掘り崩し始めている。西側帝国主義諸国は、コロンブスの新大陸発見に始まる西洋による植民地支配以来、500~600年間で初めて、自らの経済力を大きく凌駕する「非白人」のグローバル・サウスの経済的台頭に直面しているのだ。これが中国や途上国の共産主義者の新たな認識である。
この新たな多極化世界、新しい国際秩序を生み出す最大の原動力は、社会主義中国の堅実な経済成長である。西側メディアが煽り立てる中国経済崩壊論とは逆に、2024年の目標とする5%は確実な状況だ。不動産危機、若者失業などの諸困難に必要な手を打ちながら、EVなどイノベーション主導の製造業を柱に、今世紀半ばの社会主義現代化強国の実現に向かって成功裏に社会主義建設を進めている。
戦争と略奪を通じた「西洋式現代化」ではなく、平和とウィン・ウィンの経済協力を通じた「中国式現代化」は、新興・途上諸国の新しい発展のモデルなりつつある。中国は世界最大の製造業を持つ経済力を武器に、世界平和と開発・発展に向けて国際政治の舞台で攻勢に打って出ている。ウクライナ和平ではブラジルと共同提案、さらに8月にはパレスチナ解放勢力14派を団結させるなど、世界平和への貢献を積極的に推し進めている。気候危機対策でも世界をリードしている(参照記事:COP29バクー会議と国際的階級闘争)
(3)グローバル・サウスの劇的台頭を生みだした、もう一つの原動力は、パレスチナ解放の闘いが最前線に立つ、全世界の反帝・反植民地闘争、民族解放闘争の前進である。
米=イスラエルは、世界最大の軍事力を使って1年以上にわたりガザ大虐殺・民族浄化戦争を行ったにもかかわらず、パレスチナ人民を屈服させることも、イラン、レバノン、イエメンその他の抵抗枢軸の革命的結束を打ち砕くことも出来なかった。パレスチナ民族解放勢力の団結とグローバル・サウスの支持と連帯が一段と強固になる一方で、米=イスラエルは国連の場でも、国際司法の場でも完全に孤立した。それは全世界でのパレスチナ連帯行動、反帝・反植民地闘争に自信と確信と展望を与えている。とくに入植者植民地主義との闘いは、ニュージーランド・マオリ族、米国のネイティブ・アメリカンをはじめ、帝国主義の虐殺・弾圧・抑圧に長年苦しめられてきた全世界の先住民族の闘いに新たな息吹を注ぎ込んでいる。
もう一つの最前線が西アフリカ・サヘル諸国人民の確固たる反帝・反植民地闘争だ。マリ、ブルキナファソ、ニジェールの反帝・反植民地の「第2の独立闘争」に続き、チャドとセネガルが結束してフランス軍を追い出した。サヘルの民族解放闘争は、領土と天然資源に対する政治的および経済的主権の回復、新植民地協定の破棄、フランス、米国、その他の外国軍の撤退を追求している(「サヘル人民との連帯会議・ニアメ宣言」)。米仏軍を叩き出すだけでなく、経済主権の基礎の構築、すなわち食糧主権、独立通貨、IMF・世銀体制からの脱却など、真の独立への新たな挑戦が始まっているのだ。「古典的形態の植民地体制」に対する闘いから「新植民地主義の主体」に対する闘いへ移行しつつある。この新たな反植民地闘争を、人民大衆の支持、大衆運動強化によって成し遂げようとしている。
さらにラ米・カリブの闘いの前進がある。ベネズエラのマドゥロ政権と人民は、米帝による執拗な第2のグアイド=政権転覆策動をはねのけ、コムーナ建設を柱とする社会主義指向革命を推し進めている。米と西側帝国主義の介入策動は、ラ米カリブの反米反帝、中国とBRICSとの連携をますます強めるだけである(参照記事:米帝による新たな反マドゥロ・クーデターを許すな)。
社会主義中国が主導するグローバル・サウスの台頭、反米反帝の民族解放闘争の前進を積極的に支持し連帯すること、米帝が率いる西側帝国主義に矛先を集中して闘うことは、とくに西側諸国で活動する左翼・共産主義者が、いついかなる時も徹底的に貫かなければならない基本的姿勢である。中国やBRICSを帝国主義呼ばわりすることは言語道断だ。
[2] 高まる「ハイブリッド戦争」の危険――戦争拡大、関税・貿易戦争、政権転覆策動に反対しよう
(1)進歩的歴史変動は順風満帆でも平坦でもない。絶えず逆流が起こる。米帝が主導し、イスラム原理主義テロ組織を前に押し立て、イスラエル、トルコと一体となってシリア・アサド政権を転覆させたのだ(参照記事:[編集局声明]米帝主導連合軍によるアサド政権転覆を糾弾する)。米帝は、パレスチナもレバノンも屈服させることが出来ない中東支配の行き詰まりを、一挙に打破し巻き返そうと打って出たのだ。しかし、社会主義中国とグローバル・サウス台頭の歴史的趨勢を変えることはできない。
バイデン政権の「三正面戦争」が破綻し始めた。だがバイデンは、その破綻を取り繕い巻き返しを図ろうと、異常なまでの冒険主義的好戦的姿勢に転じている。ウクライナ戦争での敗北が不可避となった。あれほど莫大な軍事援助を続けてきたが、ウクライナは軍事的に崩壊しつつある。対ロ制裁も完全に破綻し、ロシア弱体化の目論見は見事に失敗した。それでも米帝は諦めない。長射程兵器の使用を認め、対人地雷の供与などウクライナ軍事支援を強化するとともに、例え停戦になってもウクライナ再軍備と米・NATO軍駐留で戦争状態の継続を狙っている。
(2)米国大統領選は、トランプ共和党とハリス民主党、そのどちらも戦争党であること、戦争・介入・制裁の継続以外に選択肢がないことをまざまざと見せつけた。いずれも金融資本と政官財の金融寡頭制支配層、軍産金融複合体の政党、帝国主義政党だ。
ソ連崩壊と冷戦終結から今日に至るまでの30数年間、米国は中東・北アフリカから中央アジア、ラ米・カリブまで、文字通り全世界で侵略戦争と介入・制裁を繰り広げてきた。NATO東方拡大に始まり、ユーゴ侵略、アフガニスタンとイラクへの侵略戦争、リビア侵攻、シリア戦争、ウクライナ代理戦争と対ロ制裁、イスラエルと一体となったガザ虐殺とレバノン侵略、キューバ・ベネズエラへの介入、対中戦争準備と対中制裁、等々。結局、誰が政権についていても、政権をまたがり、様々な形態で戦争・介入・政権転覆・制裁を続けてきたのが米帝国主義なのである。トランプがこのような米帝国主義の基本路線を引き継ぐことは間違いない。
(3)だが同時に、20年に及ぶアフガニスタン・イラク戦争は、膨大な軍事費負担を強い、これを転機に直接的な軍事侵攻、大規模な軍事力行使が格段に困難となった。
米帝一極支配の没落の下で、米帝の力関係後退の下で、自ずと帝国主義戦争の形態は変化する。軍事力一本やりができなくなるのだ。あくまでも軍事力を柱としながらも、「代理戦争」、ドル・金融覇権、貿易・関税戦争、経済制裁・封鎖、「カラー革命」を組み合わせた「ハイブリッド」方式を多用する。しかし本質は変わらない。社会主義中国の封じ込め、反米・反帝の途上・新興諸国の弱体化を狙った包括的な戦争政策である。危険なのは、直接的な軍事介入だけではない。ベネズエラのマドゥロ政権転覆策動も、香港での反革命暴動も、ファーウェイ禁止等の対中貿易戦争も、それらを仕掛けたのがトランプ政権であったことを想起すべきだ。
すでにトランプは来年1月20日の就任と同時に、関税を柱とする貿易戦争を発動する方針をぶち上げた。中国への追加関税10%、カナダ・メキシコに25%関税を課すと宣言した。トランプの究極の狙いは、米帝国主義の世界覇権、とくにドル・金融・貿易の維持である。BRICS諸国が脱ドル化を進めれば100%関税を課すと、公然とBRICSを標的にすると明言した。だが貿易・関税戦争は、結局は自らの首を絞めるだけである。
トランプが具体的に何を打ち出すか、予測不能で分からない。だが早々に決めた新政権の陣容を見れば、トランプ政権の性格が浮かび上がる。戦争推進政権となることは確実だ。主要閣僚は親イスラエル・対中・対イラン強硬派で固めた。対中戦争を軍事分野に加え情報戦、通商政策で激化させることになる。 中でも国務長官に指名されたマルコ・ルビオは、米国で最も過激な戦争推進派だ。これまで軍事介入、クーデター、制裁など米帝の軍事外交政策の多くを主導してきた中心人物の一人、香港での反革命策動の張本人である。
われわれは改めて、トランプが確実に仕掛けてくるハイブリッド戦争の危険性を強調したい。対中新冷戦と同盟諸国への軍事・財政負担の強要、イスラエル支援継続とパレスチナ支配の恒久化、対イラン対決、シリアへの戦争拡大、キューバやベネズエラへの制裁強化と政権転覆策動、等々。これらを阻止することが、世界の反戦平和運動、左翼・共産主義者の第一の任務である。
[3] 米・西側帝国主義の体制的危機、階級的諸矛盾の激化
(1)トランプ再登場は、米帝の衰退、製造業崩壊と労働者・人民の生活苦、金融経済肥大化による富裕層の所得増、貧富の格差拡大、等々、要するに資本主義体制そのものの危機、とりわけ先進国の階級矛盾激化(4大矛盾④)の帰結である。
バイデンが、自国の国力を大きく上回る「三正面戦争」をエスカレートしたことで、諸矛盾が爆発した。米軍事費は約9000億ドル、実際は1・5兆ドルに達する想像を絶する額だ(参照記事:本紙110号米帝「三正面戦争」と戦争構造を暴く(その1) 超巨額な軍事費:米軍産複合体の異常な膨張の源泉)その結果、米国の国家債務は、今年1月34兆ドルから7月には35兆ドル、そして10月36兆ドル、わずか3ヶ月で1兆ドル増加し、増大ペースが加速した。国家財政は完全に破綻している。
「米国景気が好調」というのはウソだ。暴利を得て「好調」なのは金融資本と超富裕層、軍需産業と軍産複合体だけだ。物価高とインフレで労働者階級、とくに低所得者層の生活苦と窮乏化は急速に進んでいる。
このような中で、イーロン・マスクが「政府効率化省」で年間5000億ドル(約75兆円)削減を強行すればどうなるか? 結局、医療・社会保障・教育・雇用など人民関連予算のさらなる削減と大規模リストラ、社会保障制度の破壊であり、労働者・人民の切り捨てそのものだ。
トランプ米帝のハイブリッド戦争とリストラ政策は、米帝の経済的危機、国内階級矛盾を一段と激化させ、米帝の没落を一段と加速するだろう。
すでにトランプの虐殺戦争支持と戦争政策、労働者の権利破壊、移民家族の強制送還、環境保護規制廃止、公共部門労働者の解雇などに対する労働者・人民の反撃は始まっている。米国の反戦団体、パレスチナ連帯運動、広範な進歩主義者等は、1月20日の就任式に照準を合わせた全国的動員を呼びかけている。
(2)米国だけではない。米欧日の西側諸国政府の政治的危機が一挙に噴き出した。ブルジョア政党の退廃と没落、極右政党の台頭が一挙に、同時並行的に広がり始めている。いずれも莫大な戦費負担と財政危機が発端だ。トランプ政権になれば、先進帝国主義に容赦なく軍事負担と経済戦争を仕掛けるだろう(4大矛盾③)。
フランスでは、バルニエ内閣の緊縮予算強行に対して左派連合・新人民戦線(NFP)が内閣不信任案を提出、極右国民連合(RN)が賛成して成立し内閣は総辞職した。不信任の成立は実に60年ぶりだ。マクロンの求心力が低下し、政治的危機が深まっている。
ドイツでは、ショルツ連立政権が瓦解した。きっかけは、軍事費増と生活費急騰の中での国家財政危機、社会保障削減を主張した自由民主党(FPD)財務相解任とFPDの連立離脱だ。ドイツ政治のさらなる右傾化は不可避である。
英国では、14年ぶりに政権交代を果たした労働党スターマー政権が、自らの公約を破り、左派を切り捨て、保守党の内外政策をそのまま引き継いだことで支持率が低下し、窮地に陥っている。
韓国においても政治的危機が爆発した。少数与党の行き詰まりと自らの腐敗で窮地に陥った尹大統領の45年ぶりの非常戒厳宣布と挫折が、大統領弾劾と辞任を要求する労働者・人民の闘いを燃え上がらせている。大混乱の韓国政治の行方は、日韓関係と日米韓の軍事一体化、さらには朝鮮半島・アジア情勢全体を大きく左右する。
日本もまた、自公政権が30年ぶりの少数与党に転落し、政治的不安定の局面に入った。
これらの根底にあるのは、資本主義体制そのものの危機である。世界資本主義史上3番目の深刻な長期的不況であり、ここからのブルジョア的活路が破綻している。80年代以降の新自由主義、量的金融緩和と過剰流動性増発、財政膨張とケインズ主義の繰り返しで、ますます資本主義的矛盾がスパイラル的に激化している。このような中での米帝「三正面戦争」と日欧帝国主義の巻き込み、軍事費急増と戦争経済の強制で、帝国主義諸国全体が戦争経済へと政治経済構造を変え始めたのだ。それは資本主義の循環的・構造的危機を一段と激化させ、40年来なかったインフレと物価高を招来した。労働者階級の生活苦と窮乏化が一気に深刻化し、階級的諸矛盾が爆発したのだ。資本主義の新たな全般的危機の時代が始まっている。
[4]今こそ大衆運動の強化を――対中戦争準備から平和共存・人民生活最優先へ
(1)トランプが関税戦争を発動し、同盟諸国に軍事費負担等を押しつければ、米欧間の対立は必ず激化する。同様に、日米間矛盾も激化するだろう。関税や軍事費増額など、トランプの対日要求が一気に強まることは不可避だ。日米間の対立・あつれきが噴き出すだけでなく、階級矛盾が一段と激化し、闘争の可燃物は急速に蓄積していくだろう。
戦争一辺倒の米帝に、目下の同盟者として付き従い、事実上の属国になりながら、対中戦争の尖兵の役を買って出ているのが日本帝国主義だ。トランプ大統領で、さらなる軍事費負担、対GDP2%どころか、3%、4%への増額など対日要求を強める可能性が高い。この間、日本政府はキーンソードなど日米共同演習の常態化、沖縄・南西諸島と日本列島全体の対中攻撃基地化、等々、莫大な軍事予算を投じて対中戦争準備を加速してきた。このまま対米従属を深め戦争国家化に突き進むのか、中国と近隣諸国との平和共存、平等互恵関係の道を進むのかが、根本的に問われている。
だが先の衆院選挙で、この日本が直面する根本問題は争点にさえならなかった。問題提起する政党もほとんどなかった。国会は、自公過半数割れとなったが、与党だけでなく、野党第1党から第3党まで、すべてが「日米同盟基軸」である。左派の後退、労働組合運動と大衆運動の弱体化の中で、ブルジョア議会の軸は大きく右にぶれた。中国敵視、ロシア非難ではほとんど全政党が歩調を合わせている。このようなブルジョア議会の翼賛体制を厳しく批判しなければならない。
(2)しかし同時に、自民党の歴史的大敗と30年ぶりの少数与党で、自公政権の基盤は弱体化し、安倍一強・自民一強の時のような野党無視の強権的手法は取れなくなった。政局の不安定化と政治的危機の深まりは、労働者・人民が自らの要求実現を支配層に迫っていく格好の条件を作り出している。
石破政権の軍国主義的・反人民的政策を阻止し、平和共存と人民生活最優先に転換させるためには、議会外の大衆運動が決定的に重要である。大衆運動を抜本的に強化し、大衆世論を喚起することで野党を突き動かし、要求を実現していく余地は十分にある。対中軍備増強と軍事費膨張、軍事費増税、原発推進、生活破壊・切り捨て阻止を結合して闘おう(参照記事:自公政権を打倒する闘いへ )。
野党と労働組合ナショナルセンターの右傾化・弱体化の中で、パレスチナ連帯運動、沖縄はじめ各地の反基地闘争、反原発闘争など、支配層・自公政権と対決する運動は頑として存在している。足元での大衆運動と世論への働きかけを粘り強く進めよう。
2025年は敗戦80周年である。それは対ファシズム戦争勝利の80年、抗日戦争勝利と朝鮮半島解放の80年でもある。支配層と極右勢力、主要メディアが煽り立てる、かつての侵略戦争と植民地支配、加害責任の否定、反中嫌中のデマ宣伝、民族排外主義・差別主義に対する暴露と批判、イデオロギー闘争をいっそう強めよう。2025年を、「対中戦争ではなく日中友好を」を合言葉に、対中戦争阻止と日中平和共存へと進む年にしよう。
2024年12月9日
『コミュニスト・デモクラット』編集局