途上国収奪分析

途上国収奪の定量的分析(連載その2)
アンドレア・リッチ氏の不等価交換研究(下)

連載1回目が、アンドレア・リッチ氏の第1論文で、地域別・各国別の価値移転総額の推移を計算したとすれば、今回の連載2回目の第2論文は、貿易に伴う不等価交換が、先進帝国主義諸国と新興・途上諸国の一人当たりGDPをどのように変化させていくかを考察したものである。新興・途上諸国の、特に新興諸国のGDPは急速に増大したが、それは労働者・人民を豊かにしたのか? それとも、むしろ貧困化・窮乏化と貧富の格差が深刻...
反米・反帝・反植民地主義

読者からの疑問に答えて
マルクス主義「従属論」の不等価交換論とは?
~エマニュエルの不等価交換論について~

われわれは、本紙前号から、帝国主義による途上国収奪の定量分析に関する国際的諸研究を紹介しているが、「不等価交換」概念が分かりにくいという疑問が読者から寄せられた。そこで、基本的な考え方を紹介したい。 各国政府や世銀にある貿易統計は、「等価交換」を前提にしている。そして、ブルジョア経済学者は、貿易とは国家間の商品と貨幣の「等価交換」なのだから、そこに「不等価交換」が入る余地はないと強弁する。例えば、...
反米・反帝・反植民地主義

米国の先住民大虐殺の歴史と「入植者植民地国家」
イスラエルによるジェノサイドと通底する

アメリカ合衆国は、「入植者植民地主義」(セトラー・コロニアリズム)である。それは南北アメリカ、カリブ海、ニュージーランド、オーストラリア、そしてまさにイスラエルと同様の特殊な植民地主義であり、大量虐殺(ジェノサイド)から切り離すことはできない。 現在のガザ大虐殺戦争はイスラエルと米国の共謀だが、共に入植者植民地国家なのである。このことを私たちはパレスチナ連帯運動に取り組む中で痛感した。以下、米国の...
反米・反帝・反植民地主義

BRICS カザン・サミット
社会主義中国が牽引し、多極世界の構築めざす
グローバル・サウスの劇的台頭と米帝一極支配の没落

世界をグローバル・サウスが動かし始めた。今年の夏から秋にかけて開催されたサミットは南の台頭を強く印象付けるものとなった。中でも、10月22~24日にロシアのガザンで開催されたBRICS第16回サミットは、新興・途上諸国(以下、グローバル・サウス)の劇的な台頭の原動力がBRICSにあること、それによって米帝一極支配の歴史的没落が加速していることを明らかにした。BRICS最新会議の意義について報告する...
パレスチナ連帯

編集局声明:
米帝主導連合軍によるアサド政権転覆を糾弾する
米・NATO、トルコのシリア分割支配を許すな

(1)米帝主導の「代理戦争」 米帝国主義が突如、今度はシリアで牙を剥いた。米主導のイスラム原理主義シャーム解放機構(HTS)などテロリスト・グループが12月8日に首都ダマスカスに攻め込み、アサド政権を打倒した。バイデンとネタニヤフは「歴史的勝利だ」と大歓迎した。今回の事態が誰の階級的利益を代弁するかを表す。主力のHTSは元々「ヌスラ戦線」でアルカイダの分派だ。イドリブ県に逃亡しそこで米とトルコ、イ...
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