ニジェール政変 米・仏・NATOは軍事介入をやめよ
仏米帝国主義の資源略奪を許すな

7月26日、ニジェールで軍事クーデターが起こった。バズム元大統領は解任・拘束され、クーデターを率いた大統領警護隊長のチアニ将軍が国家元首に就任し、祖国防衛全国評議会(CNSP)が新政権を樹立した。仏米の資源略奪と植民地支配に反対する反仏・反米・反植民地主義的性格を持つ進歩的なものだ。バズムは、隣国マリから追放された仏軍を招き入れ、仏の資源略奪を認め、これに抗議する人民運動を弾圧する傀儡であった。新政権は直ちに仏との軍事協定を破棄し、仏軍の国外退去を要求した。仏へのウラン輸出を取り消し、空域を閉鎖し航空機の上空通過を禁止した。
ニジェール人民は歓喜の声を挙げ、民衆蜂起の様相を呈している。直後から連日のように新政権支持の数千人~3万人の集会・デモが行われている。参加者にはチュニジア国旗と共にロシア国旗を振る人たちもいる。昨年結成された反帝運動の結集体「M62」が中心だ。われわれは、反仏・反米・反植民地主義の人民の決起を支持する。

ECOWASを使った「代理戦争」を許すな

仏米帝国主義は、即座に西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)を使った「代理戦争」を画策した。ウクライナ方式だ。仏米の指示で、バズム元大統領を復権しなければECOWASが軍事侵攻すると、8月6日期限で最後通牒を突き付けた。ECOWASの中心であるナイジェリアは8万の陸軍を持つ地域の大国だ。米仏・NATOの指揮下でECOWAS軍を投入して一挙にクーデター政権を潰す計画だった。
 マクロン、バイデンは相次いで、バズムの解放・復権を要求し、ECOWASの侵攻を支持し、航空便、貿易、通貨取引などの制裁を発動した。マクロンは「フランスとその利益に対するいかなる攻撃も容認しない」と声明を出した。
 すでにニジェールには仏軍1500人、米軍1100人、イタリア軍300人がいる。アフリカではNATOと米アフリカ軍(AFRICOM)が連携して軍事覇権を握っているのだ。兵力8000人のニジェールに仏米伊だけで2900人の軍隊がいる。ECOWASが介入すれば、新政権を支持する人民大衆を巻き込んだ凄惨な殺戮と惨劇が起こるのは必至だ。われわれは、米仏・NATOとECOWAS軍のニジェール軍事介入に絶対反対だ。

資源の軍事的略奪と植民地支配に終止符を

 21世紀の今日にもかかわらず、米・NATO帝国主義は、資源の宝庫アフリカを軍事力で支配している。そのような植民地主義を終わらせなければならない。
ニジェールは今もフランスの実質的な植民地である。鉱物資源は全てフランスをはじめ帝国主義にタダ同然で略奪されている。ニジェールのウラン鉱山を保有するのはフランス国営のオラノ(旧アレバ)だ。仏のウラン需要の18%、EUのウラン輸入量の24%を占める。だが、ニジェールでは人口のわずか2割が電気を使えるだけ、国民の大半は極貧である。ニジェールには金も石油もある。フランスはまた、共通通貨CFAフランを押しつけ、通貨、外貨準備、為替を支配し、ニジェール経済全体を牛耳っている。何と外貨準備はフランスの国庫にある。これが同国の「未開発状態」の根本原因だ。この植民地支配の暴虐が、今回のクーデターと人民決起を生み出したのである。

「第2のリビア」を許すな! 緊張は続く

 だが、ECOWASは期日通りの侵攻はできなかった。なぜか。クーデター政権がニジェール人民の決起と結びついて支持を集めている。突然の軍事介入通告がECOWASを分裂させた。ECOWAS最大の国ナイジェリアの上院が軍事介入反対決議を挙げた。昨年フランス軍を追い出した西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ギニアが、介入すれば自分たちへの宣戦布告と見なし、新政権を軍事支援すると警告した。西アフリカ人民機構(WAPO)、ガーナ社会主義運動、ベナン共産党など民族解放勢力が介入国で民衆蜂起を起こすと、相次いで闘争声明を出した。周辺のもう一つの大国アルジェリアも軍事介入には反対の立場だ。
 アフリカでは、2011年のNATO軍によるリビアへの軍事介入と元首カダフィの殺害、リビア国家の崩壊とイスラム原理主義の暴力と殺戮の蔓延が、アフリカを無政府状態に陥れたことへの怒りが渦巻いている。「第2のリビアを許すな」という声は強い。
 情勢は緊迫したままだ。米・仏・NATOは、軍事介入を諦めていない。米・仏・NATOは軍事介入をやめよ。米アフリカ軍(AFRICOM)を解体せよ。

2023年8月9日
『コミュニスト・デモクラット』編集局


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