『コミュニスト・デモクラット』編集局声明
ガザ停戦とパレスチナ連帯運動の諸課題

〇米=イスラエルの停戦破りを許すな。一時停戦から恒久停戦へ
〇イスラエル軍は直ちにガザから撤退せよ
〇米国はイスラエルに対する武器・弾薬の供給を直ちにやめよ
〇米=イスラエルは占領支配をやめ、民族自決に基づくパレスチナ国家を認めろ


[1]ガザでの停戦を支持・歓迎する

(1)1月19日からガザでの停戦が発効した。

 この停戦は、何よりもまず第1に、米=イスラエル帝国主義のガザ大虐殺戦争に対するハマスと抵抗勢力とガザの人たちの抵抗闘争、民族解放闘争の成果であり、勝利だ。1年4ヶ月の侵略と大虐殺に抗し、耐え抜いたパレスチナ人民には敬意しかない。第2に、ヒズボラをはじめとする「抵抗の枢軸」などの武装抵抗闘争の勝利である。第3に、国際的な連帯運動の勝利である。そして第4に、米帝の拒否権を無効化するために国連で繰り返し停戦決議採択を追求し、国際刑事裁判所(ICC)で逮捕状を勝ち取り、米=イスラエルを追い詰めた社会主義中国とグローバルサウスの勝利である。反米・反帝・反植民地主義勢力全体の勝利である。
 われわれは、パレスチナ人民の周りに結集したこれら平和と反植民地主義を希求する世界中の人民と共に、この停戦を心から歓迎する。

(2)交渉決裂シナリオを許すな。イラン攻撃計画に反対しよう

 またもやメディアは、今回の停戦を米国の「成果」として大々的に世界中に喧伝している。曰く、「トランプの、いやバイデンのイスラエルに対する圧力が停戦をもたらした」。「ハマスが孤立したからだ」と。だがこれは全くの嘘だ。そもそも、ハマス側は一貫して恒久停戦と捕虜の交換を要求してきた。停戦を拒否してきたのは米=イスラエルの側である。
 停戦内容は6週間(42日)を1期として3期にわたるもので、大枠は昨年の5月に出された米の提案と同じだ。ネタニヤフは5月と7月、そしてそれ以降も頑なにこの提案を拒否し、ガザでの殺戮を続けてきた。米も政治的・軍事的・経済的支援を中止すれば「電話一本」で停戦が実現するのに、一度もそうしなかった。膨大な武器弾薬を供給し、政治的・経済的支援を続けた。今回、米が「口先圧力」をかけたぐらいでネタニヤフが認めるなら、なぜこれまで停戦させなかったのか、説明がつかない。
 では、なぜ停戦が成立したのか? 19日という停戦発効日に一つの鍵がある。トランプが1月20日の就任式で「停戦の成果」を誇示するためだけに、イスラエルに「圧力」を加えた可能性がある。しかし、この「圧力」の裏には、間違いなく米=イスラエルの取引がある。2つある。一つは、第1段階で捕虜を取り戻した後、第2段階で交渉を決裂させ、攻撃を再開するというシナリオだ。現に、ネタニヤフはわざわざテレビで「ガザ地区の一時停戦であり、作戦を再開する権利がある」と演説した。彼はさらに、米側は、停戦合意の第2段階が達成されなかった場合、ガザでの軍事作戦を再開できると保証した、しかも攻撃を再開すれば、武器を無期限に提供し、イスラエルは「より新しく、より強力な方法」で戦うことで合意したとも付け加えた。
 もう一つは、一時停戦でイスラエル軍を休息させ、トランプ政権成立後に、米=イスラエル帝国主義が共同でイランを侵略し、攻撃し、中東で生き残った最後の反米・反帝イラン政権を打倒することである。すでに、前哨戦として現在、米=イスラエルはイエメンを爆撃し、攻撃している。

(3)停戦の原動力はハマス・抵抗勢力とパレスチナ人民

 しかし、停戦を促進した奥深い根本的な矛盾は、イスラエル帝国主義とハマス・抵抗勢力・パレスチナ人民の民族解放戦争の真正面からの闘争である。一方で、イスラエルは疲弊し、侵略的拡張行動は行き詰まった。四方八方に攻撃と領土拡張を広げすぎ、国力が限界に達したのだ。そして、このイスラエルの限界を放置できなくなった米国が、中東支配の軍事的尖兵であるイスラエル国家の破綻を避けるために動いたのだ。
 他方で、ハマス・抵抗勢力とパレスチナ人民、「抵抗の枢軸」は、一体となって反米・反イスラエルの武装抵抗を果敢に挑み続けた。そしてこれを世界中の人民大衆が国際連帯の力で支え続けた。これに社会主義中国が主導するグローバル・サウスが国連の場で、国際会議で様々な国際連帯の輪を広げてきた。ガザでは長期の激烈な攻撃にによる被害にも関わらずハマスが戦闘力を維持している。新たな志願者で戦闘員が補充されている。イスラエルはハマス壊滅という目標を達成できず、その目途も立たないことが明らかになった。レバノンのヒズボラを壊滅するためには兵力が足らず地上侵攻できないことを認めて停戦せざるを得なかった。
 カタールが仲介した停戦交渉はこうした国際的力関係が反映した結果であって、停戦を推進した原動力ではない。

[2]停戦発効後のパレスチナ連帯運動の課題

(1)停戦違反、攻撃再開を阻止し、恒久停戦に追い込もう

 停戦は始まりに過ぎない。全く予断は許さない。米帝国主義がイスラエルと共謀して追求する中東覇権の野望、入植者植民地国家としての凶暴性は国際的な力で止めるしかない。現に、合意後も、毎日のように攻撃を続け、数日間で100人近くも殺し続けてきた。停戦実施も人質リストが届かないと最後まで抵抗し停戦開始を遅らせ攻撃を続けた。レバノンでのヒズボラとの停戦では違反行為を繰り返している。西岸地区でも虐殺と入植地拡大を続けている。
 米=イスラエルは、明らかに難癖を付けて第2段階を失敗させ、トランプ政権の下でさらなる大量虐殺戦争を強行するだろう。そしてイランを侵略し崩壊させ、米帝の中東戦略を完結させようとするだろう。

(2)停戦発効後のパレスチナ連帯運動の五つの課題

 停戦発効後のパレスチナ連帯運動の課題は何か。以下の五つである。

――第一は、米=イスラエルの側に停戦違反をさせないこと、攻撃を再開させないことである。

――第二は、停戦を第2段階、第3段階に進ませ、戦争を完全に終結させることである。そのためには、イスラエルと米国に国際的な圧力をかけ続けることが必要だ。世界中で連帯運動をさらに強め、ボイコット、抗議行動、連帯闘争を引き続き続けていく必要がある。

――第三は、米=イスラエルによる食糧・生活必需品の搬入妨害を阻止し、ガザ住民を飢餓・餓死から救うこと、完全に破壊された病院・インフラを再建させることである。ガザの人たちは厳冬の下でテント暮らしを余儀なくされている。住宅どころかすべての病院が破壊され、食料水も極度に不足し、飢餓と病気に苛まれている。子供や老人たちが次々と倒れていているこの事態を解決しなければならない。緊急の支援が必要だ。停戦を利用して直ちに人道物資、食料、医療品を急増させガザの人たちに届ける必要がある。

――第四は、米帝主導で武装テロリスト集団を使ったシリアへの「代理戦争」を糾弾することである。14年にわたる米によるシリアの領土分割と石油略奪、制裁は苛酷を極めた。

――最後に第五は、イエメンの侵略・攻撃を即刻中止させ、米=イスラエル帝国主義の究極目標であるイラン打倒計画を阻止することである。

[3]真の民族自決権に基づくパレスチナ国家樹立まで連帯しよう

(1)イスラエルの占領=植民地支配打倒。民族自決権に基づく独立国家樹立を

 停戦を継続させ、戦争を終結させても、まだ道半ばである。根本的な課題はまだ解決していない。パレスチナの人たちが10月7日に命を張って訴えたイスラエルによるガザとヨルダン川西岸の占領と植民地支配の問題は何も解決していない。パレスチナの解放=民族自決権の承認とパレスチナ国家の独立こそが必要だ。
 米帝と西側帝国主義は、彼らの傀儡であるアッバスの「自治政府」をガザの統治者として押し付ける計画だ。「自治政府」だけでは力不足だとUAEなどアラブ王政の軍隊で支援する案も出ている。しかし、イスラエルの大虐殺戦争を支持し、武器・弾薬を供給し、共謀した米と西側帝国主義に、戦後統治を仕切る資格はない。
 オスロ合意体制=「自治政府」傀儡方式は音を立てて崩壊した。「自治政府」は、破廉恥にも米=イスラエルと西側帝国主義に自分の統治能力を顕示し認めてもらおうとヨルダン川西岸のジェニンなどで、同胞であるパレスチナ住民と抵抗勢力を弾圧し、殺している。彼らがイスラエルと米国の傀儡として、抑圧者として振る舞うことしかできないことは明らかだ。
 現にガザを統治しているのはハマスと抵抗勢力である。食料や人道物資配布を組織し、医療を支え、死者や負傷者の世話を引き受け、地域と抵抗闘争を支えてきたのは彼らだ。彼らを無視してガザを統治することは不可能だ。ガザの統治はガザの住民に委ねる必要がある。

(2)われわれは日本政府に以下のことを要求する。

 停戦発効は始まりに過ぎない。米=イスラエル帝国主義による停戦破りと攻撃再開を許さず、虐殺戦争終結まで、スタンディングや抗議行動を継続しよう。パレスチナ国家樹立まで、連帯の取り組みを継続しよう。
 われわれは、1967年の国境を基礎とし、東エルサレムを首都とする完全な主権を有するパレスチナ独立国家の樹立を断固として支持する。パレスチナの国連への完全加盟を支持する。社会主義中国とグローバル・サウスが呼びかける、より広範で権威のある効果的な国際平和会議の呼びかけを支持する。

 われわれは、石破政権に対し、以下を要求する。
①日本政府が停戦を支持し、イスラエルの攻撃再開に反対すること。
②政府がガザの人々への食料、医療品、人道支援物資、住宅等の供給を実施すること。
③政府はイスラエル政府支持をやめ、国連でパレスチナ国家を承認すること。
④イスラエル軍、軍事産業との協力をやめ、軍用ドローンの輸入などをやめること。

2025年1月19日 『コミュニスト・デモクラット』編集局

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