【主張】米=イスラエル帝国主義は停戦を遵守し、敗北を認めよ
イラン戦争の世界史的意義と反帝反戦運動の任務

[1]イラン政府・人民の事実上の勝利――米帝軍事覇権最大の危機

(1) イラン戦争は新たな局面に入った。トランプが4月7日、迷走の末に、遂にイランと2週間の停戦で合意したのだ。同日、国連安保理で、米が関与するホルムズ海峡航行関連決議案が中ロの拒否権行使で否決された。侵略正当化の試みが挫折したのだ。「石器時代に戻す」「文明を滅ぼす」と豪語してきたが、もはや万事休す、イランの徹底抗戦の前に事実上屈服したのである。だが予断を許さない。停戦は極めて脆弱で停戦破棄の危険は十分ある。イスラエルの停戦破りはガザで実証済みだ。現にイスラエルはレバノンを無差別空爆し市民数百人の死者、千数百人の負傷者を出した。文字通りのジェノサイドだ。イランは即座に、ホルムズ海峡を再封鎖し、米に停戦か戦争継続かを選べと警告した。結局は、この異常な虐殺国家の暴走をどう止めるかが鍵となる。
 しかし、米=イスラエルが攻撃を再開しても、開戦からイランが40日間に形成した軍事的・政治的・経済的力関係は変わらない。むしろイランはより優位に立ち、米=イスラエルはよりいっそう孤立するだろう。
 トランプ=ネタニヤフは、はっきりと敗北を認め、停戦を遵守すべきだ。攻撃再開は更なる殺戮と破壊につながる。すでに子どもたちを含む2000人以上を殺戮し、住宅、医療・教育施設、原子炉、石油・天然ガス生産施設、発電所や橋などのインフラを次々と破壊する重大な戦争犯罪を繰り返している。一刻も早くこの無謀な侵略戦争を終結させなければならない。トランプにもネタニヤフにも終わらせる意志も能力もない。反戦運動が強制的に終結させるしかない。全世界・日本各地の反戦運動と連帯し、米=イスラエルの侵略を最後的に終結させよう。

(2) イラン最高国家安全保障会議は「勝利宣言」を出した。しかも、この交渉は「戦争の継続」だと述べ、こう締め括った。「もし戦場における敵の降伏が交渉における決定的な政治的成果となるならば、我々は共にこの偉大な歴史的勝利を祝うだろう。そうでなければ、イラン国民のすべての要求が達成されるまで、戦場で肩を並べて戦い続ける。我々の指は引き金にかかっている。敵が少しでもミスを犯せば、即座に全力をもって応戦する」と。
 イランは降伏を要求しているのである。戦争の主導権も、従って戦争終結と交渉の主導権もイランが握っている。反撃は百波近くになる。イランは、中東で米=イスラエルの獰猛かつ残虐な攻撃に真正面から対決できる最初の相手となったのだ。この世界史的意義は計り知れない。
 イランの要求は、単なる停戦ではなく侵略の再発防止だ。10項目に及ぶ。①米国は、原則として、不侵略を保証すること。②ホルムズ海峡に対するイランの継続的な支配。③イランのウラン濃縮権を承認すること。④すべての一次制裁の解除。⑤すべての二次制裁の解除。⑥すべての国連安全保障理事会決議の終了。⑦すべてのIAEA理事会決議の終了。⑧イランに与えられた損害に対する賠償金の支払い。⑨同地域からの米戦闘部隊の撤退。⑩レバノンの英雄的なイスラム抵抗勢力に対するものを含め、あらゆる戦線での戦争の停止。
 われわれは、これら侵略戦争の完全終結を求めるイランの要求を断固支持する。

(3) 米=イスラエルの劣勢と迷走は、西側帝国主義内部の諸矛盾を爆発させている。全世界的なトランプ=ネタニヤフ包囲網の条件が拡大している。
 第1に、米国内の矛盾だ。ノー・キングスデーⅢは最大の反トランプ行動となった(参照記事:ノー・キングスデーⅢに史上最大の900万人が参加)。陸軍参謀総長が解任され、司法長官も解任、国家テロ対策センター所長が辞任した。トランプによるイラン戦費2000億ドル(約32兆円)追加予算の議会要求が、議会内の対立を先鋭化させている。さらに、インフレ・物価高に苦しむ米国民のトランプ不支持がMAGA派も含めて拡大し、中間選挙での共和党敗北が現実味を帯びている。上下両院を民主党が制すればトランプ政権は完全に死に体となる。
 第2に、NATO内の亀裂が顕在化した。スペインに続きイタリア、オーストリアが自国の米軍基地使用拒否、仏独首脳が米軍事行動への非同調を表明するなど、対米離反の動きが生じている。ウクライナ戦争で疲弊するNATO諸国の民衆はイラン戦争でさらに苦境に追い込まれ、莫大な戦費負担と物価高・インフレ、社会保障削減と人民負担への怒りが、反戦機運を高めている。

[2]「モザイク防衛」と「抵抗型経済」――イランの非対称徹底抗戦の物的基盤

(1) イランは、米=イスラエル帝国主義に打撃を与え、米帝一極支配を没落させる決定的要因、最前線に浮上した。また、米帝の侵略と制裁にさらされている途上国の反米・反帝民族解放運動を勇気づけ、創造的な戦い方をも含めて示唆するものとなった。われわれは、このイラン政府・人民による反米・反イスラエル戦争の徹底抗戦の世界史的意義、その徹底抗戦を支援するイラン反戦運動の世界史的意義を深く考える必要がある。
 イランが戦争の主導権を握るに至った最大の要因は、イランが長年にわたり国家の存亡をかけて構築してきた「分散型防衛戦略」(モザイク防衛)と「抵抗型経済」にある。
 まず「モザイク型防衛」で、イラン全土を数十の独立した防衛区画(モザイクの破片)に分割し、各地域の司令官に独自の兵力、弾薬庫、後方支援網を自律的に運用させる体制を敷いている。米軍による「斬首作戦」で中央指揮系統が破壊されても、各部隊が独自に戦闘を継続することが可能なのだ。ミサイル網などの重要拠点は、地下深くの「ミサイル都市」や強固な山体洞窟に隠蔽されており、大規模な空爆に対しても極めて高い生存性を誇っている。要するに、頭部が破壊されても全身運動が止まらない体制だ。
 さらにイランは安価なドローンとミサイルを用いた飽和攻撃で米=イスラエルの超高価な迎撃システムを枯渇させ、侵略者を長期の消耗戦に引きずりこんだ。国力・軍事力で劣る側が逆転する非対称戦略の真骨頂である。
 イラン軍と革命防衛隊(IRGC)は3月下旬以降、多方面で防衛態勢から攻撃態勢へと転じ、中東全域での主導権を完全に掌握した。第1に、イスラエルの防空能力の大幅低下である。3月21日にはイランの極超音速ミサイルが、イスラエル南部の核施設近郊のディモナとアラドを正確に攻撃した。小弾頭を分離し軌道を変化させる最新鋭ミサイルが、イスラエルを迎撃不能にしている。イランは「ミサイル優勢」を宣言した。第2に、イラン上空での米軍「制空権」の喪失、米国の「制空神話」の崩壊だ。4月に入って米軍の濃縮ウラン奪取作戦を失敗させ、それに参加したF15戦闘機、A10攻撃機、C130輸送機などをイラン領空で撃墜した。その前にはF35ステルス戦闘機がイランの特殊レーダーに探知され、迎撃ミサイルによって損傷した。ステルス技術の無敵性が崩れた。第3に、イランは防御余力を温存している。対艦ミサイル、対艦巡航ミサイル、対艦ドローンは多数保有したままだ。米軍がカーグ島やホルムズ海峡付近への上陸作戦を強行すれば、接近する米艦船はこれらのミサイルの集中攻撃を受けるだろう。
 米帝の空母機動部隊、最新鋭戦闘機と統合防空ミサイル体制が相次いで無力化されたことは、米帝軍事覇権の歴史的限界を露呈した。戦後一貫してその強大な軍事力で世界覇権と帝国主義的植民地支配を拡大してきたやり方が通用しなくなったのだ。
 しかも、イランは社会主義中国やロシアの支援を受けているが、軍事的にはイランが単独の対決を強いられている。戦後、米帝のどう猛な侵略に単独で立ち向かい挫折させたことがかつてあった。それはベトナム戦争だ。社会主義北ベトナムが南ベトナム解放民族戦線と共に闘い、ソ連や中国などの社会主義陣営が司令塔となり、全面的に軍事支援し、共産主義運動や左翼運動、労働運動などが全世界でベトナム反戦運動を組織した。ところが今回は、米=イスラエルの侵略撃退をイランの政府・人民が一身に背負っている。歴史的かつ画期的なことだ。

(2) イランの徹底抗戦のもう一つの決定的要因は、「抵抗型経済」と呼ばれる経済戦略だ(参照記事:・(解説) イランはなぜ長期持久戦に耐え抜くことができるのか?)。米=イスラエル帝国主義の長期にわたる侵略戦争、政権転覆、経済制裁・封鎖と闘い、反米=反イスラエル、反帝国主義的民族主義を形成し、イラン革命防衛隊(IRGC)を中核として「自給自足経済」構造を構築してきた。さらに、2021年以降は「東方重視」戦略へとシフトし、中国やロシアと戦略的パートナーシップを結ぶことで、戦時下にあっても人民への食糧・日用品の供給を維持し、持久戦を耐え抜く経済基盤を保持しているのである。
 西側の支配者イデオロギーである「イラン嫌悪」(イラノフォビア)が、トランプやネオファシストからリベラルまで、別の意味でトロツキストから共産主義者まで蔓延している。原子力の平和利用の権利を「核兵器開発」にすり替え、イランの現体制を「神権独裁」「軍事独裁」と決め付け、イランを「悪魔化」することだ。これは結局、侵略と真正面から対決する現政治体制の打倒を呼びかけ、米=イスラエルの中東覇権・石油支配を後押しすることだ。
 とりわけ共産主義とマルクス主義の名の下に、イラン政権打倒、ベネズエラのマドゥーロ政権とボリバル革命の打倒、「中国帝国主義」の独裁体制打倒、「ロシア帝国主義」のプーチン体制打倒を結合させて呼びかけることは、帝国主義の手先に成り下がる階級的背信行為であり、断じて許されない。

[3]米帝一極支配の崩壊と多国間主義世界への歴史的転換

(1) イランの徹底抗戦と持久戦が世界を突き動かし始めた。米帝の中東覇権と世界覇権全体を根柢から揺るがしている。
 第1に、何よりも、非対称戦略の柱であるホルムズ海峡封鎖とその全世界的な打撃である。ホルムズ海峡は石油・石油製品、LPG、ナフサや化学肥料の多くが通過する世界経済の大動脈だ。さらにイランは、自国の石油施設が攻撃されたことへの反撃として、湾岸協力協議会(GCC)諸国の米軍基地と石油施設・ガス施設に対しても大規模な報復を加え、湾岸の石油・ガス生産そのものに打撃を与えている。これらの供給への打撃は、石油ショック、原材料ショックを引き起こし、世界の株式市場、金融市場を震撼させ、資本主義世界経済全体の体制的危機、インフレ・物価高と世界恐慌循環の悪化、スタグフレーションを惹起している。これら西側資本主義の危機が西側諸国の階級闘争を活発化させ始めている。
 イランのホルムズ海峡封鎖と湾岸の米軍基地に対する報復攻撃は、帝国主義による石油資源の安価な帝国主義的略奪に対する反撃でもある。イランが非敵対国に人民元決済を求めたことは、オイルダラー体制・ドル基軸体制への直接的打撃である。それは米帝のドル・金融覇権への打撃でもある。イランの徹底抗戦は、米帝の軍事覇権に続いて、ドル・金融覇権をも掘り崩し始めた。

(2) 第2に、一時的な後退を強いられてきた「抵抗の枢軸」を力強く蘇らせ始めた。レバノンのヒズボラによるイスラエル攻撃の再開、イエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)の参戦、そしてイラクのサドル派の復活、シリアでの新たな抵抗戦線の形成など、中東全域で米=イスラエルに対する反撃が一気に加速している。それは軍事的反撃だけではない。大規模デモなどの大衆動員と結合した強靱な反米・反イスラエル抵抗線戦の復活である。中東全域で米=イスラエルに反撃する連鎖を再び呼び起こしているのだ。
 イランの勝利は「抵抗の枢軸」の勝利でもある。ハマスの武装解除は失敗し、ガザ「再植民地化」計画も頓挫させるだろう。西岸地区への入植拡大への批判が高まり、パレスチナ国家樹立に向けた可能性が生み出されるだろう。イランの徹底抗戦は、国際的なパレスチナ連帯とイラン反戦運動を強固に結びつける新たな展望を切り拓いている。

(3) 第3に、米=イスラエルと湾岸諸国とイランとの力関係の変化である。すでに、サウジアラビアとUAEを要に、イランを包囲するように配置された湾岸王政諸国の米軍基地・施設、石油・ガス施設がイランの大規模な報復攻撃で損傷・炎上している。「アブラハム合意」で米=イスラエルに従属依存し、米軍の出撃基地、金融・石油帝国、世界の超富裕層の天国として繁栄する王政存続モデル=「湾岸モデル」はすでに崩壊し始めた。米=イスラエルへの従属は破滅の道と知った湾岸王政諸国は、イランとの和解・共存へと向かわざるを得ない。既にカタールは米軍基地を追放した。
 イスラエルのファシズム帝国主義も強烈な打撃を受けることは確実だ。今回のイラン侵略はネタニヤフの最後的な生き残り戦略であった。イスラエルの事実上の敗北は、中東全体を武力で支配するファシズム的「大イスラエル計画」の破綻を意味する。

(4) 第4は、米帝によるラ米カリブ覇権再確立への打撃である。イラン戦争は、無敵と恐れられてきた米軍の侵略に徹底抗戦すれば道が開けることを実証した。ラ米カリブにおいても反米・反帝勢力を勢いづかせることは確実だ。ベネズエラやキューバを標的としたラ米カリブの「再植民地化」の目論見も、イランの抵抗によって挫折を余儀なくされるだろう。キューバの防衛態勢強化とベネズエラのロドリゲス大統領代行が「一時的な譲歩」から反転攻勢へと転じる条件を生み出すだろう(参照記事:米トランプはキューバへの石油全面封鎖をやめろ  米帝の軍事的圧迫に立ち向かうロドリゲス代行)。

(5) 第5に、社会主義中国の権威と影響力の増大である。今回の停戦合意で表に出たのはパキスタンだが、実質的には「中国-パキスタン」イニシアチブが牽引した。元々中国は3月末からパキスタンと「中東の平和と安定の5項目」で合意し、中東諸国に根回しをしてきたが、トランプが音を上げたのを見て一気に停戦で勝負を賭けたのだ。
 中国が主導してきた国連憲章と国際法、独立と主権を軸とする「多国間主義外交」が結局は決定的局面で浮上した。トランプは、「国際法など無意味」「私の道徳が国際法だ」と豪語したが、国連憲章と国際法に違反する一方的な侵略が許されないこと、この枠組みが80年経った今も生きていることを事実で証明したのだ。
 中国は何よりも、制裁下のイランから石油を大量輸入し、イラン経済の生命線となり、「モザイク防衛」と「抵抗型経済」を支えている。また軍事的にも北斗衛星航法システムは、米が支配するGPSから切り替えることで、ミサイル・ドローンを発射後に再誘導でき、命中精度を上げることができる。
 さらにイラン戦争での米帝の挫折は、「ドンロー・ドクトリン」の最終目標である社会主義中国の侵略・打倒が軍事的には困難であること、イラン以上に堅固な防衛力、「自立経済」を備えた中国には勝てないことを米の金融寡頭制支配層に深く刻み込んだ。

(6) 第6に、気候危機に対する米中の体制的優劣が改めて鮮明になった。
 米帝はパリ協定を破棄し戦争で石油を爆食いし石油略奪に動き、中国は気候危機対策の先進国となり再生可能エネルギーの牽引車となっている。
 われわれが全く予想しない形で、化石燃料の放棄と再生エネルギーへの転換が一気に進む可能性が高まっている。イラン戦争と石油危機によって石油価格急騰で苦しむ新興・途上諸国全体で化石燃料からの離脱が加速することは確実だ。米帝の残忍な石油封鎖に直面するキューバが太陽光パネルへの移行を急加速させている。中国の太陽光パネルやEVなどのグリーン技術の優位性が本領を発揮する時がやってきた。
 1956年、当時のエジプトのナセル大統領によるスエズ運河の国有化がスエズ危機を勃発させた。植民地略奪の大動脈スエズ運河が途絶し、「大英帝国」が没落し、「アメリカ帝国」が取って代わった。今回のイラン戦争は米帝覇権を没落させるだろう。しかし、今回は別の「帝国」が取って代わるのではなく、社会主義中国が主導する多国間主義秩序が生み出される新たな転換点になるだろう。

[4]高市政権は参戦するな!侵略加担をやめよ

(1) 米帝の侵略戦争に異常なまでの無批判的追従と実質加担を進めているのが高市政権だ。その恥知らずなトランプ礼賛と戦争加担姿勢はG7帝国主義の中でも突出している。すでにトランプが要求する巨額の対米投資(総額730億ドルのインフラ投資)と軍事的支援(ミサイル等の共同生産・供給など)を差し出した。
 開戦以来、米=イスラエルの国際法違反評価を拒絶し、将来の自衛隊派兵に道を開こうとしている。政府内では、特別措置法による他国船護衛、停戦後の「機雷掃海」や、米艦船への燃料補給等の後方支援、さらには「存立危機事態」「重要影響事態」認定などの議論が行われている。 
 その一方で高市政権は、侵略被害国であるイランの正当な反撃のみを強硬かつ一方的に非難し、対イラン圧力を強めている。英仏独伊蘭と共に、周辺国への攻撃とホルムズ海峡の封鎖に対して「最も強い言葉で非難する」6カ国共同声明を出した。イラン側からのホルムズ海峡通過の協議提案も拒否した。国際法違反の侵略戦争と大量虐殺を不問に付し、侵略被害国を一方的に非難し、協議さえしない姿勢は、侵略戦争加担以外の何ものでもない。

(2) だが最も重大なのは、在日米軍基地がすでに米帝のイラン侵略の出撃拠点となっている現実だ。高市政権は、対イラン侵略戦争の直接的な出撃拠点として日本の国土を提供するという物理的・軍事的支援を行っているのだ。
 横須賀からのイージス駆逐艦によるトマホーク発射、佐世保・沖縄からの凶暴な海兵隊遠征部隊の緊急展開など、日本は米軍のイラン侵略の前線基地と化している。これは安保条約の規定に真っ向から反する露骨な先制攻撃への参加に他ならない。
 高市政権の露骨な自発的対米従属とイラン戦争への実質加担によって、第1に、日本から出撃した艦船やミサイルがイラン本土を爆撃している以上、国際法上の観点から、イランからすれば横須賀、佐世保、沖縄の米軍基地は「正当な軍事目標」となった。その意味で、米軍基地で守られると勘違いした湾岸諸国の顛末は他人事ではない。米軍基地とは何か、それは侵略基地であり防衛基地でないことが暴露された。第2に、すでにインフレ・物価高で苦しむ日本の労働者・人民の生活破壊をよりいっそう悪化させる最大の要因となっている。
 高市政権のイラン侵略加担をやめさせることは、日本の労働者・人民と反戦運動の責務である。

(3) 高市政権のイラン戦争への実質加担、改憲、対中軍国主義での暴走に反対する人民大衆の歴史的なうねりが起き始めている。若者と女性が中心を担う、新たな運動主体が前面に出た反戦運動の新しい波だ。主要メディアがほとんど無視する中で、SNS等を駆使して爆発的に情報が拡散され、若者たちの自発的行動を喚起している。
 国会前だけではない。全国の主要都市から地方都市に至るまで、街頭行動の形で急速に広がっている。イラン戦争が重大な転換点となった。「改憲反対」「戦争反対」「高市辞めろ」が中心的要求だが、イラン戦争反対と高市政権の加担反対、対中軍国主義反対、さらには「日本政府は中国に謝れ」「日中友好」などのスローガンが積極的に持ち込まれている。
 かつてのイラク反戦や戦争法反対の大規模運動の波と異なるのは、戦争の切迫性に対する危機感と物価高騰・生活悪化への危機感の高まりである。さらにスパイ防止法や外国人差別・排外主義などネオファシズム政策や人権蹂躙と排外主義に反対する市民運動、パレスチナ連帯運動などが積極的に合流し始めていることが大きな特徴だ。政府に対するさまざまな方向からの怒りの支流が混ざり合って、「自分たちは大きな歴史的運動の一部だ」という連帯感を生み出し、ひとつの大きな流れに発展する可能性がある。明らかに潮目が変わりつつある。
 われわれも、積極的に連帯し行動しよう。高市政権のイラン侵略戦争加担、対中対決姿勢と対中軍国主義、人民生活破壊、差別・排外主義と治安抑圧体制強化、原発推進、等々に反対する足元での運動を強化しよう。

2026年4月9日
『コミュニスト・デモクラット』編集局


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