[1]国際法・主権を蹂躙する米帝の植民地主義戦争を許すな!
(1) 2026年は帝国主義の侵略戦争、露骨極まりない帝国主義戦争、植民地主義戦争で幕を開けた。
1月3日未明、トランプ政権はベネズエラ・ボリバル共和国に対する空爆と特殊部隊による地上攻撃を強行し、ニコラス・マドゥーロ大統領と妻のシリア・フローレスを拉致し、米国に強制連行した。米軍は首都カラカス、ミランダ州、アラグア州、ラ・グアイラ州の軍事施設と民間施設に大規模空爆を行い、現在判明しているだけで少なくとも80人を殺害した。大統領警護にあたっていた兵員のほぼ全員を虐殺した。キューバ政府は、ベネズエラ政府の要請で派遣していたキューバ人32人が米との戦闘行動で命を落としたとし、その英雄的行為を称え国家追悼を行った。すでにトランプは侵略前段階で110人以上の漁民・住民を虐殺している。
トランプは、マドゥーロ大統領夫妻が抵抗すればその場で射殺したであろう。夫妻は闘いを法廷闘争の場で展開することを決意した。かつてフィデル・カストロがバチスタ独裁政権に拘束された際、法廷で「歴史は私に無罪を宣告するだろう」と正々堂々と闘ったことを想起する。
トランプのベネズエラ攻撃と拉致作戦は、国際法と国連規約を真っ向から否定し蹂躙する暴虐な国家テロ、侵略戦争そのものである。主権国家に大部隊を送り込み、空爆し、大統領を拉致するなど、「主権の尊重と平等」「武力行使の禁止」を定めた国連憲章の前文および憲章全体(とくに1条および2条)を公然と踏みにじった、歴史を逆行する21世紀の植民地主義戦争に他ならない。
われわれは、トランプ大統領のベネズエラ侵略、マドゥーロ大統領の拉致を断固として糾弾する。トランプ大統領の侵略には何一つ正当性も根拠もなく、むき出しの帝国主義的な侵略欲だけしかない。世界はこの無法者、乱暴者、戦争犯罪人を絶対に許してはならない。米国に対し、直ちに侵略を停止し、ニコラス・マドゥーロ、シリア・フローレス両氏を無条件で即時解放することを強く要求する。
(2) トランプのベネズエラ侵略に対し、ベネズエラと世界の人民は侵略者と5つの戦線で同時に闘うことになった。①ボリバル政府とベネズエラ人民の革命防衛と主権のための闘争、②米ニューヨークの裁判所におけるニコラス・マドゥーロとシリア・フローレスの法廷闘争の2つの戦線を軸に、③国連を舞台とする、中ロを中心とするグローバル・サウスと米国の闘争、アフリカ・中東などの各地の連帯闘争、④米による地域の平和と安定の破壊に対するCELAC・ALBAなど地域統合体の闘争、⑤全世界の反米・反帝反戦闘争、ベネズエラ連帯闘争、民族解放運動が合流した。これら5つの戦線が米帝国主義に矛先を集中し、ベネズエラ連帯を掲げ、全世界で一斉に決起したことは前例のないことだ。米帝かベネズエラかが国際政治の集中点に躍り出たのだ。
これを可能にしたのは、2023年10月以来、全世界で高揚した米=イスラエル帝国主義のガザ大虐殺戦争を糾弾するパレスチナ連帯闘争である。大阪ではリブ・イン・ピース☆9+25が急きょ、1月4日に米帝侵略糾弾の抗議行動を呼びかけた。そこに結集したのは、この間パレスチナ連帯のスタンディング行動で一緒に闘い協力した仲間や市民であった。
今回の事態は、米帝国主義が世界平和と人類の戦略的主敵であることを悲劇的な形で示した。トランプに率いられる米帝国主義こそが、植民地主義支配と侵略戦争の根源、原動力であり、人類と世界平和にとって最大の脅威なのである。一部の左翼・共産主義者が唱える「中国帝国主義論」「ロシア帝国主義論」、さらには「ALBAもCELACも帝国主義」「マドゥーロ政権はブルジョア独裁政権」「米帝の制裁は外的矛盾で二次的」「ベネズエラ国内の階級矛盾が主要矛盾」等々、米帝国主義との闘いを逸らせ回避する寝ぼけた主張を木っ端みじんに打ち砕いた。
われわれは改めて、この戦略的主敵を鮮明にし、米帝の犯罪性と危険性を根底から批判する反戦運動を強化する。
[2]侵略目的は石油・資源略奪と植民地主義支配の復活
(1) 未だに西側メディアや親米・親トランプの「専門家」たちは「麻薬取り締まり」が目的であるかのように見え透いた嘘を垂れ流すが、トランプ自身がベネズエラ侵略の目的をあけすけに語っている。それは、世界一の埋蔵量を誇るベネズエラの石油資源、天然ガス、金属などの資源略奪である。侵略の数週間前にトランプは石油メジャー幹部に「準備せよ」と指示した。シェブロンの株価は侵攻後急騰した。投資した石油メジャーには補助金を出すとまで言い出す始末だ。
4日の記者会見でトランプは、「ベネズエラの運営をする」「石油資源を取り戻す」などとベネズエラに対する植民地支配を宣言した。ベネズエラ政権がトランプに従わなければ、軍事力をさらに投入すると脅迫した。だが、石油利権、石油支配は直接的な目的に過ぎない。
(2) トランプには、もっと壮大な戦略目的がある。それは昨年12月の「米国家安全保障戦略」(NSS2025)、米国が西半球を独占支配するという新戦略である。トランプはそれを、「ドンロー・ドクトリン」(ドナルドのモンロー・ドクトリン)と呼び、自画自賛する。トランプは露骨だ。西半球(南北アメリカ大陸)の国々は全部トランプと米国が自由にできる植民地だ、ラテンアメリカ・カリブ海(ラ米カリブ)市場は全部米国の多国籍企業のもので、資源はそもそも全て神が米国に与えたものだ、奪われた資源を米国に取り戻すのだ、等々。21世紀の今日、常軌を逸している独裁者・暴君の論理、数百年前の植民地時代に歴史を巻き戻す荒唐無稽な論理だ。西半球全域を自らの直接的な所有物だと再定義し、意のままにならない政権を軍事力で排除し、資源を支配下に置こうという帝国主義的野望だ。
ひとことで言えば、帝国主義的植民地主義支配の復活である。ラ米カリブ諸国全体、その膨大な富や資源や市場全体を丸ごと略奪し、没落した米帝覇権を復活させることである。元々、米資本主義はラ米カリブ地域全体を搾取し、収奪し、独占的に強奪したことで「発展」した。今から約200年前、1823年のモンロー・ドクトリンは、その資本主義の発展を支える外交戦略であった。ところが、ラ米カリブ地域で21世紀に入ってベネズエラのチャベスが率いるボリバル革命をきっかけに、ボリビアやエクアドルをはじめ社会主義指向革命、ブラジル・アルゼンチンなどの社民主義的左傾化が起こる。民族主権と資源の国有化が進む。さらに社会主義中国が主導する一帯一路やBRICSが米帝の新植民地主義支配を掘り崩していく。米州ボリバル同盟(ALBA)やラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(CELAC)などの地域統合体が米帝の支配から離脱し始める。
従って、モンロー・ドクトリンの復活は米帝のラ米カリブ支配を掘り崩したボリバル革命を叩き潰すことから始めたのである。ラ米カリブで広がる社会主義中国やロシアとのウィン・ウィンの協力関係、BRICSの影響を叩き潰すことも含まれる。かつてのモンロー・ドクトリンがヨーロッパ列強から米国の勢力圏を独占することが狙いだとすれば、ドンロー・ドクトリンは社会主義中国の政治的・経済的影響を叩き潰すことが狙いなのである。「モンロー・ドクトリン2.0」と呼ばれる所以だ。
(3) ベネズエラで成功すれば、トランプはラ米カリブ全域に魔の手を広げる計画だ。現にトランプとルビオ国務長官は早くも次の獲物を公言している。コロンビア、メキシコ、そしてキューバを標的にすると口にしている。グリーンランドさえ奪うと豪語している。これら諸国とその資源はすべてトランプのものだと言うのだ。
とりわけわれわれは、社会主義キューバに対する侵略を懸念している。キューバとベネズエラはラ米カリブの社会主義の強固な同盟者だからだ。
しかし、ドンロー・ドクトリンは、西半球孤立主義ではない。それは第1幕に過ぎない。第2幕、第3幕がある。トランプは2027年の「台湾有事」での台湾独立勢力を後押しした対中戦争準備を加速している。過去最大規模の武器売却を承認した。合計約111億ドル、約1兆7300億円だ。高市首相の発言はこの対中戦争で日本が先兵役を果たすことを公言したのである。昨年末トランプはネタニヤフと会談し、イランへの再侵略で合意した。その前哨戦が今イランで起こっている米=イスラエル謀略機関によるデモの煽動だ。ウクライナ戦争ではトランプは一方で「和平」を語りながら、他方で武器援助と防空・諜報体制で戦争を煽っている。
米帝の「三正面戦争」、今回のベネズエラを含む「四正面戦争」は、間違いなく米国の国力・財政力を超える膨大な戦費負担となって米国人民の生活を苦しめる。マドゥーロ大統領を拉致したものの、ベネズエラの「植民地化」は困難を極めるだろう。陸上侵攻はベネズエラ人民の英雄的抵抗に遭遇することは必至だ。イラクやアフガニスタンでさえ占領支配できなかった。違う時代、違う形態の「ベトナム戦争」の泥沼化は不可避だろう。
確かに今回の米帝の侵略は短期的には成功したかに見える。人類は、戦争か平和か、植民地主義か反植民地主義か、ラ米カリブの革命か反革命かの歴史的な決定的分岐点を迎えている。楽観視できない困難な一時期は避けられない。社会主義中国も新たな対応を迫られるだろう。しかし、何よりも、社会主義中国主導のグローバル・サウスの集団的台頭と米帝主導の西側帝国主義の歴史的没落という時代的趨勢は、もはや押し戻すことはできない。今回のベネズエラ侵略を挫折させることで歴史の歯車はさらに前に進むだろう。われわれは、そういう揺るぎない確信、覚悟でベネズエラ連帯闘争を闘う決意だ。
[3]ボリバル政権、防衛体制強化と法廷闘争の2正面で米帝と対決
(1) ベネズエラのボリバル革命政権は健在だ。マドゥーロ大統領は拉致されたが、国家権力全体が確固として存続している。ベネズエラ政府は非常事態宣言を発令し、米国の更なる攻撃に備えて防衛体制を固めている。ベネズエラ最高裁の決定によって、デルシー・ロドリゲス副大統領が大統領代行となり、国家防衛と政権運営を指揮している。ロドリゲス大統領代行は、米国にマドゥーロ大統領の即時解放を要求し、「大統領はマドゥーロ氏ただひとりだ」「いかなる帝国にも屈しない」「植民地にはならない」と言明した。またロドリゲス代行の下に国防相がベネズエラ軍を指揮している。ベネズエラ全土で軍や警察、そして志願兵部隊、人民と一体になって防衛体制を固めている。民兵隊は全国のコムーナ組織と結びつき、地元の住民自治組織に支えられている。
革命的民主主義政党ベネズエラ社会主義統一党(PSUV)が国家権力全体を指導し、米帝の侵略と植民地支配に断固として闘う態勢をとっている。同党は全国民に政府のもとに結集せよと呼びかけ、首都カラカスをはじめ全国でマドゥーロ大統領の拉致を糾弾する大規模な集会やデモを組織している。
(2) ボリバル政権のもう一つの闘いが、ニューヨークの連邦地裁で繰り広げられている。マドゥーロ大統領と妻のシリア・フローレスの法廷闘争だ。マドゥーロ大統領は、「私は無罪だ」「ベネズエラ大統領であり、戦争捕虜だ」と宣言した。この「戦争捕虜」という自己規定は重要だ。なぜなら、トランプは国際法違反を免れるために、今回の事態を「戦争行為」と言わず、麻薬取締局(DEA)による「麻薬テロ、コカイン密輸の共謀、機関銃および破壊的装置の所持」など4つの罪、つまり米国内法の「犯罪者」として裁こうとしているからだ。
しかし、150機以上の航空機、サイバーおよび宇宙戦能力、海軍と空軍、海兵隊などの米軍が総力を挙げた合同攻撃は侵略戦争以外の何物でもない。弁護士は、マドゥーロ大統領夫妻を「軍事的拉致」と主張した。
マドゥーロ大統領は、罪状全てをキッパリと拒否し、シリア・フローレスも無罪を主張した。また、弁護士は、拉致されたとき、何の罪で逮捕・拘束したかを告げなかったと非難した。しかも夫妻は負傷しており、米国はまともな治療行為をしていない。米国は許し難い二重三重の犯罪行為を犯しているのだ。
そもそも、一国の大統領を、米国の国内法である「麻薬テロの共謀」の罪で逮捕・拘束すること自体が、国際法や国連憲章に違反する犯罪行為である。米国にマドゥーロ大統領を逮捕・拘束する権利などないのだ。
米国内法が国際条約や国連憲章より優越するという論理は、反ファシズム戦争勝利の人類史的成果を否定し、第二次世界大戦後の国連創設時以来の国連憲章や国際法を公然と否定するものである。これも歴史を戦前の帝国主義略奪戦争の時代に巻き戻す反動的犯罪行為なのだ。
[4]全世界で高まるトランプ侵略批判、ベネズエラ連帯運動の拡大
(1) 直近の最大の外交戦は国連安保理で繰り広げられた。コロンビアが要請し、中国・ロシアがこれを支持する形で5日に緊急会合が開催された。米国は「戦争ではない、法の執行だ」と開き直ったが、各国から非難が相次いだ。ベネズエラ国連大使は、「正当性のない違法な武力行使」「国連憲章の重大な違反」と批判し、マドゥーロ大統領とシリア・フローレス両氏の解放を要求した。常任理事国である中国とロシアは、他国の主権を踏みにじった米国の武力行使を厳しく批判した。
米帝の同盟諸国は、動揺しながら偽善的な慎重姿勢か沈黙に終始することで、米国への支持と黙従姿勢を示した。軒並み動揺し醜態をさらしている。真正面からトランプを国際法違反と咎めるものは誰もいなかった。仏マクロン大統領は「マドゥーロ独裁からの解放」を歓迎し、「政権の平和的、民主的移行」を要求した。ドイツ、イギリスは米国の軍事行動への自国の関与を否定しただけだ。どの国も「国際法の遵守」を口にしたが、国際法を踏みにじるトランプの攻撃を批判しない国際法遵守など、何の意味も持たない。
(2) 世界各国がトランプの侵略戦争、国際法違反と国際秩序の破壊に対する非難の声を挙げている。中心を担うのはグローバル・サウス諸国政府だ。
――先頭に立つのは社会主義国である。中国政府は、「米国による主権国家への公然たる武力行使と国家元首に対する行動を強烈に非難する」と表明し、地域の安定と平和に重大な脅威をもたらすと警告した。キューバのディアスカネル大統領は「米国による犯罪的攻撃であり、勇敢なベネズエラ人民と〈我らがアメリカ〉に対する国家テロだ」と非難し、国際社会の緊急対応を訴えた。
――4日に開かれたCELAC緊急会議では、ベネズエラ、キューバ、ニカラグアが攻撃を厳しく非難した。
――さらにロシア外務省も「いかなる口実も通用しない武力侵略だ。合法的に選出された大統領とその妻を特殊部隊が拉致したことは極めて危険な主権侵害であり決して容認できない」と声明を出した。
――パレスチナ抵抗組織、ハマスやイスラム聖戦も、米国の侵略とマドゥーロ大統領の拉致が「国際法の重大な違反」であり「独立国家の主権に対する攻撃」だと真正面から非難した。
――スペインとコロンビア・メキシコ・ブラジルなどラ米6か国がトランプを非難する共同声明を出した。次の標的になるメキシコ政府は「国連憲章第2条に照らし明白な違反だ」と糾弾した。
――アフリカ連合も米国の行動に深刻な懸念を表明し国連憲章の遵守を声明した。
まさに世界的な怒りと抗議の声が巻き起こっている。
(3) 世界の人民が即刻行動に立ち上がった。侵略開始直後から、全世界で「ベネズエラから手を引け(Hands Off Venezuela)」をスローガンとする大規模な反戦運動が連日展開されている。ベネズエラ連帯行動がこれほど世界的規模でかつ大衆的広がりを見せたのは初めてのことだ。
米国内では、国際行動センター(IAC)、ANSWER連合、コード・ピンクなどが、攻撃当日から緊急行動を組織した。ワシントンD.C.、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど全米75都市以上で抗議行動が行われた。マドゥーロ大統領とシリア・フローレスが収監されたメトロポリタン拘置所には数百人が結集し、「マドゥーロを解放せよ」「トランプを収監せよ」と声を上げた。さらに英国、ドイツ、スペイン、イタリア、フランス、ギリシャ、トルコなど欧州各国、コロンビア、ブラジルなどラ米諸国、インド、バングラデシュ、インドネシア、フィリピン、韓国などアジア全域、南アフリカ、ザンビア、チュニジアなどアフリカ全土で、文字通り世界各地で抗議行動が行われた。米国の侵略を糾弾すると同時に、自国政府に対してこの侵略を非難せよとの要求が広がっている。日本でも4日以降、東京、大阪をはじめ、全国各地で抗議行動が連続的に行われている。
[5]高市政権は侵略非難を明言しマドゥーロ夫妻の解放を要求せよ
(1) 高市首相は、「民主主義の回復及び情勢の安定化に向けた外交努力を進めていく」と発言した。この「民主主義の回復」とはG7帝国主義の決まり文句だ。マドゥーロ独裁政権の打倒であり、「民主主義者マチャド」への政権移行のことである。国際法を無視して公然と他国を侵略し、主権を侵害しているトランプの侵略に一言も触れず、非難もせず、事実上容認したも同然だ。「苦渋の中立姿勢」などではない。
高市首相は、自らの「台湾有事」発言での窮地からの脱却を目論み、今春に訪米しトランプとの会談を予定している。日米首脳会談で公然と侵略を支持するのは間違いない。高市政権が口にしてきた「力による現状変更反対」「自由と民主主義、法と秩序を守れ」というお題目はどうなったのか。それは、中ロや反米・非米諸国を攻撃するためのもので、トランプの「力による現状変更」「国際法の蹂躙」は容認するという、それこそ帝国主義の論理でしかない。
われわれは、高市首相がトランプのベネズエラ攻撃に反対を表明してニコラス・マドゥーロ、シリア・フローレス両氏の解放を要求するよう求める。
(2) ブルジョア・メディアとのイデオロギー戦が決定的に重要だ。主要メディアは全て「マドゥーロ独裁者」論、「マチャド民主主義の闘士」論である。これが根底にある限り、国際法違反を主張するメディアも簡単に「政権の民主的移行」論という形の、革命政権転覆容認に転じる。ある新聞は侵略直後に「マドゥーロは陰謀論者」と矛先を何と拉致された大統領に向け、国際法違反を一切主張しなかった。国際法違反を主張した全てのメディアも必ず「マドゥーロが独裁者であったとしても」の条件が付く。さらにもう一つ、「そんなことをすれば中露の独裁国家が同じことをしかねない」という条件が付く。こうした「条件付き国際法違反論」は、局面が変われば、本音であるボリバル革命政権転覆論に変わり、トランプの植民地主義的侵略戦争と略奪を正当化する。マチャドはトランプに対して、帰国して大統領になりたいと懇願している。もしそうなれば一斉にメディアはトランプへの公然たる支持に豹変するだろう。
ロドリゲス大統領代行の発言が世界中で一斉に「態度軟化」「米に協力」「米と共に発展」と喧伝された。しかし、事実は「戦争ではなく平和を」を呼びかけたに過ぎない。この発言はトランプが陸上侵攻で恫喝した直後のものだ。かつてない難局に遭遇した革命政権が、トランプの陸上侵攻や更なる空爆を回避し、平和外交で時間稼ぎをし、体制の建て直しを優先するのは当然のことである。
ところが一部左翼は、ブルジョア・メディアを鵜呑みにし、やれ「後退した」、やれ「裏切りだ」と騒ぎ立てている。自らを局外に置きながら評論家風に人々に疑心暗鬼を振り撒く。断じて許されない。
われわれは、改めてマドゥーロ政権とボリバル政府、ボリバル革命に対する断固支持を表明する。ロドリゲス大統領代行とその革命権力を断固支持する。ベネズエラは、マドゥーロ政権を支持してきた社会主義中国や資本主義ロシアから遠く離れ、米帝国主義の「裏庭」にあるという決定的な地理的ハンディキャップの下で社会主義指向革命を開始した。2005年から始まった米帝による経済制裁・封鎖は2015年以降に本格化し、ベネズエラ経済をどん底に突き落とした。それでも地獄から這い上がり、遂に経済のプラス成長を勝ち取り、労働者・人民への医療・福祉・教育も整備しつつある。食糧自給も達成した。帝国主義の包囲の下で後れた途上国が革命を起こすのがどれほど大変なことか。それを深く理解できる者だけが共産主義者に値する。「万国の労働者と被抑圧民族は団結せよ」。このスローガンが今ほど重要な時はない。われわれはボリバル革命の達成と歴史的意義を周辺の人々に積極果敢に訴えていこう。
トランプはマドゥーロ大統領とフローレスを直ちに解放しベネズエラに戻せ!
米軍をベネズエラから、カリブ海から撤退させろ!海上封鎖を解除せよ!
ただちにトランプに対する糾弾・抗議の声をあげよう!
トランプの侵略と闘うベネズエラ政府・人民と連帯しよう!
社会主義キューバの防衛に連帯しよう!
2026年1月7日
『コミュニスト・デモクラット』編集局
