○米帝主導のクーデター策動と闘う革命政府・人民と連帯しよう
○米=極右野党、メディアの「不正選挙」のデマを打ち砕こう
Ⅰ.われわれは祝福する!マドゥロは勝利した!選挙結果は揺るがない
(1)マドゥロ大統領、過半数を獲得し、勝利。選挙機関、国民議会も承認
7月28日の大統領選挙は、マドゥロが51.2%を獲得し、極右・米帝が支持したゴンサレスの44.2%に7%の差をつけて勝利した。投票率は59%。投票の80%が集計された段階で全国選挙評議会(CNE)が不可逆的な結果であるとして、7月29日に発表した。CNEは国内で唯一結果を認める権限を与えられた機関だ。
その後、8月2日、96.87%の集計でもマドゥロは51.95%の得票率、ゴンサレスは43.18%で先の公表の正確さを再確認した。むしろ差は開いた。
ほとんどの野党候補もマドゥロ勝利を承認した。ベネズエラ国民議会も7月30日、CNEの公式結果をを賛成多数で承認し、極右の暴力行為を拒否した。議会承認の形でもベネズエラ人民の民意が示されたのだ。
一方、極右野党は投票日前(!)から選挙結果を認めないと公言し、自分たちが勝利すると騒いだ。公式結果後、極右指導者のマリア・コリーナ・マチャドは、ゴンサレスが70%の得票率で選挙に勝利したと一方的に発表し、米政府・西側メディアが一斉に「不正選挙」キャンペーンを世界中に垂れ流した。
われわれは、マドゥロ大統領の勝利を心から歓迎し、祝福する。今回の選挙勝利は、ボリバル革命を守り抜き、その継続を誓うベネズエラ人民の勝利である。
(2)国際的な反米・反帝勢力、進歩勢力、反戦運動は、マドゥロ勝利を祝福する
8月2日時点で、マドゥロ勝利を祝福したのは、40カ国以上に及ぶ。米帝一極支配と闘う社会主義中国、キューバ、ニカラグア、そしてベトナム、朝鮮民主主義人民共和国など社会主義・社会主義指向諸国を筆頭に、ロシア、イラン、ベラルーシ、シリア、ジンバブエなど米・NATOの攻撃と闘う諸国、フランスの植民地からの解放を勝ち取ったブルキナファソ、マリが含まれる。
今回のマドゥロの勝利は、米帝国主義の侵略、制裁、内政干渉への打撃であり、ラ米カリブの革命的・進歩的勢力にとっての勝利である。米帝一極支配と闘う世界中の革命的・進歩的勢力にとっての勝利である。われわれは、米帝・極右野党のクーデター策動と闘うマドゥロ政権=人民の革命防衛の闘争を断固支持し、連帯する。
Ⅱ.米帝主導の政権転覆策動=「ハイブリッド戦争」を糾弾する
(1)米帝主導の計画的・組織的な政権転覆策動=「ハイブリッド戦争」
8月1日、遂に、マドゥロ政権とボリバル革命打倒策動の首謀者米帝国主義が姿を現した。ブリンケン米国務長官が声明を発し、「ゴンサレスが最多得票を獲得した」と極右野党候補の勝利を、何の根拠も示さず世界に向かって表明した。声明はまた、ベネズエラの選挙制度、投票日のプロセス、CNEを批判した。
マドゥロ政権は、今回の選挙クーデターを、米帝主導の政治・経済・メディア覇権を総動員した「ハイブリッド戦争」とみている。ベネズエラの基幹商品・石油をはじめ、食糧・設備・医療品など全面的な経済封鎖で輸出入を途絶させ、経済を崩壊させようとしてきた。ベネズエラ国営石油公社の在米子会社CITGOを米政府が接収し、ベネズエラが米欧金融機関に預けていた外貨や金を勝手に略奪した。これら全てを「人権」「自由と民主主義」という偽善の下に行った。
また、今回の選挙クーデターは、2014年、17年の「グアリンバ」の再来、トランプ政権が2019年に勝手に極右野党の無名の若手ファシストを「暫定大統領」に据えた「グアイド・クーデター」の再来だ。今回は老いたゴンサレスを大統領に据えるというのだ。
そもそも、今回の選挙クーデターは極右野党だけで計画・実行できるものではない。バイデン政権の即日の「選挙結果否定」発表、西側メディアによる一斉「不正選挙」キャンペーン、イーロン・マスクのSNSによる攻撃、CNEへのサイバー攻撃、停電攻撃、極右野党のデモ動員、カネで雇われた犯罪者集団の暴動・破壊行為、米州機構・リマグループによる選挙結果への攻撃――投票締め切り直後からのこれら一連の一斉攻撃は、事前に計画されたものでしかなく、この大規模な計画を命令し、組織し、実行できるのは米帝国主義以外にない。
選挙結果についても、元首についても、決めるのは主権国家ベネズエラの労働者・人民である。なぜ米国が決めるのか!どこが「人権」「自由と民主主義」か!まさに古い植民地時代の帝国主義列強のやり方である。断じて容認できない。
(2)CNEへのハッキング・停電・放火攻撃
米帝=極右野党は、まず選挙妨害、投票妨害を実行した。――第1に、CNE本部へのサイバー攻撃だ。北マケドニア共和国から実行されたDOS(サービス拒否)攻撃であることが分かっている。データ送信システムへのハッキング攻撃によって選挙結果の発表を遅らせ、議事録を偽造することを狙ったが失敗に終わった。CNEは、29日の午前に選挙結果を発表し、午後には当選を証明する信任状を交付した。
CNEコンピュータシステムのハッキングは、歴史上かつてない大規模なものだった。現在もなお、サイバー攻撃は続いている。それだけではない。CNE職員に対する攻撃もあり、本部が放火され、選挙に関する書類や資料が燃やされた。彼らは各地で投票所を襲撃した。
――第2に、停電攻撃である。住民の投票自体を阻止するために7月28日に停電を発生させ、投票日夜7時から8時の間には停電を起こそうとした。首謀者はすでに逮捕されている。
(3)米=極右野党の組織的暴動。実行犯は武装犯罪集団「コマンディトス」
米帝=極右野党は、投票終了後深夜から一斉に暴動を開始した。倍の得票差で勝利が確実なら暴動を起こす必要はないはずだ。彼らは選挙の敗北を知っていたのだ。幾つかの都市で路上バリケードを張り、主要道路・幹線道路を焼けたタイヤやその他の残骸で封鎖した。翌日には、カラカスの複数の場所でバリケードを設置し、治安部隊と衝突した。
選挙後だけではない。彼らは、選挙戦中も、交通機関、医療・食品サービス施設、貧困住民への食糧配給機関CLAP事務所や倉庫も攻撃し、病院も破壊し放火した。ウゴ・チャベス大統領の銅像、与党ベネズエラ社会主義統一党(PSUV)本部、地域議会の首長、ボリバル・チャベス戦闘部隊(UBCH)の代表など、地元の政治機構の指導者に対して襲撃を加えた。
デモや暴動を主導しているのは、これまでのような野党や住民団体ではない。マチャドが組織する「ベンテ・ベネズエラ」(Vente Venezuela)の「特別奇襲部隊」(コマンディトス、comanditos)と呼ばれる暴動専門の犯罪者集団だ。彼らの多くは警察の取り調べに対しあっさり白状した。最近海外から入国し、選挙にも行かず、海外で軍事訓練を受け、犯罪歴があり、薬物使用者で、「1日に150ドル支払われている」と。1千人以上がすでに逮捕された。マチャドは、暴動の首謀者として逮捕を怖れ、姿を隠した。
そもそも、候補者ゴンサレスは当事者能力がなく、選挙中も自宅にこもり、選挙で全国を飛び回ったのはマチャドだ。米政府は当初このマチャドを「第二のグアイド」として野党候補に立てようとしたが、今年1月に最高裁判所から公職失格処分を受け、急遽繰り人形のゴンサレスを代役に立てたのである。マチャドは、CIAと米麻薬取締局(DEA)が画策したクーデター陰謀計画に関与し、グアイドのクーデターやその汚職計画に関与した人物だ。彼女の資金は、米国国際開発庁(USAID)と 全米民主主義基金(NED)から出ている。露骨なことに、マチャドの選挙公約はベネズエラ国営石油公社(PDVSA)の民営化だ。彼女は、大統領選挙に勝った場合にPDVSAをシェブロンに引き渡すため、320万ドルの賄賂を受け取ったことが暴露された。こうした米政府と彼女と極右野党の薄汚い利害関係と犯罪行為は、腐敗した日本や西側の主流メディアには一切出て来ない。
Ⅲ.「不正選挙」のデマ 国際選挙監視団の承認
(1)マドゥロ大統領、選挙結果保護を求め最高裁に上訴
ベネズエラの選挙制度によれば、CNEは選挙終了後48時間から72時間以内に結果を公表し、30日以内に結果を選挙公報に掲載する。今回もそれに準じている。ところが米帝・極右野党の口車に乗って周りが騒いでいるのだ。他国が、国家主権に関わる選挙結果の「データの全面公開」を要求するなど言語道断、主権侵害、内政干渉だ。しかし、マドゥロ政権は譲歩した。7月31日、マドゥロ大統領は最高裁判所(TSJ)選挙部に選挙結果の保護を求める訴えを提出した。マドゥロの勝利を証明した選挙プロセスの透明性と結果の信憑性に対する疑念を払拭するためだ。同時に、マドゥロはTSJに対し、全ての候補者、全ての政党の代表を召喚し、全ての証拠を比較し、技術的審査を実施し、選挙結果を認定するよう求めた。まず、ベネズエラ社会主義統一党(PSUV)が勝利を証明する議事録を全面提示し、他の候補者にも同様の手続きをとるよう促した。
8月2日、10人の候補者のうち9人がTSJの召喚に出席し、ただ1人ゴンサレスだけが参加を拒否した。そして出席者のうち何度も反革命クーデターに加わったエンリケ・マルケスは証拠書類の提出を拒否した。結局、極右マチャド=ゴンサレスと同じ対応だ。
このマルケスを支持したのがベネズエラ共産党(PCV)だ。PCVは、今回の選挙結果を認めず、選挙後のマチャドの暴動を「民衆運動」として支持し、完全に反革命に転落した。反マドゥロで共闘してきたトロツキスト・グループも呆れ果て同党と決別した。ベネズエラのような米帝から政権転覆攻撃を受けている国で、情勢把握を「国内矛盾」に解消し、現実の発展段階を無視して一挙社会主義を掲げてマドゥロを主敵に据えたらどうなるか、本来の主敵である米帝との闘いを回避すればどういう結末を迎えるのか、それを見事に証明した。
(2)「ゴンサレス勝利」キャンペーンの司令塔PUDと「並行CNE」
米帝・マチャドが主導する「不正選挙」キャンペーンは、CNEの選挙結果を証拠を挙げて批判するのではない。彼らがでっち上げた独自の集計システム=「並行CNE」が勝手に偽の選挙世論調査、偽の出口調査を行い、偽の集計を行い、米マイアミに設立したコンピュータ・センターと西側メディアを通じて、CNEが結果を公表する前から、世界中に垂れ流すというものだ。「並行CNE」の議事録には、証人、投票所メンバー、機械オペレーターの署名がなく、完全に偽造されたことが暴露されている。米政府が後ろ盾になれば、その国の公式選挙結果とは別の選挙結果を好き勝手にできるというのだ。もう滅茶苦茶だ。この司令塔になったのが極右野党政治連盟「統一プラットフォーム」(PUD)だ。そもそも最初からまともな選挙戦を闘うつもりなどなかったのだ。
「並行CNE」のデマはすでに暴露されている。主に2つある。
――事前の世論調査のデタラメ: 極右野党ゴンサレスの得票が70%前後だという彼ら独自の「世論調査」が大々的に宣伝された。だが、極右野党の事前の世論調査と過去の実際の選挙結果を比較すると、約30%水増しされていることがわかるという研究結果が公表されている。極右が主張する70%から30%を差し引くと、40%という実際の選挙結果とほぼ同じになる。
――出口調査のデタラメ: 極右野党ゴンサレスが勝利したとする出口調査は、CIAとつながりのある米国政府系企業エジソン・リサーチが作成した。同社はこれまでもCIAと協力し、ウクライナ、ジョージア、イラクで活動していた。
(3)米帝の傀儡・米州機構(OAS)で「野党勝利」決議は不発
米帝の傀儡「リマグループ」がCNEの選挙結果公表前から、PUDのデマ計画に基づいて「不正選挙」「野党勝利」キャンペーンを開始した。アルゼンチン、チリ、コスタリカ、ペルー、パナマ、ドミニカ共和国、ウルグアイ、ラ米カリブ全33カ国のうちわずか7ヵ国だ。リマグループの本部があるペルーのボルアルテ政権自体、米と結託して前任の左派大統領を議会クーデターで追放した全く正当性のない政権である。これまでも米帝に追随してベネズエラのクーデターを支持してきた常連ばかりである。マドゥロ政権は、ペルーと断交し、アルゼンチン、チリ、コスタリカ、パナマ、ドミニカとウルグアイから外交官を撤退させることを決定した。にもかかわらず、日本のメディアは、まるでほとんどのラ米カリブ諸国が「選挙疑惑」で立ち上がっているかのように偽情報を垂れ流している。
しかし、同じ米帝の傀儡機関だが、構成国が多い米州機構(OAS)では「不正選挙」「野党勝利」を決議することに失敗した。域内大国メキシコが、参加を拒否したことが大きい。
また西側メディアでは、ブラジル、メキシコ、コロンビアが、「開票結果のデータの全面公開」を要求したことだけを宣伝しているが、この3カ国は同時に、米政府の内政干渉にも反対している。ラ米カリブ諸国は全体として米帝国主義の思惑通りに動かなかったのだ。
(4)国際的な選挙監視団が今回の選挙の透明性、民主性を認めている
今回の選挙の透明性、民主性、信頼性を、国際的な選挙監視団が証明している。信頼性の高い専門団体の2つの例を挙げよう。
――「全米法律家協会(AAJ)」:選挙前7月26日の声明で、米国とその同盟諸国が、覇権主義的なメディアやソーシャルメディアを使って不正選挙疑惑のシナリオを構築し、介入的な行動をとったことを非難した。また、政府による選挙結果の改ざん疑惑の証拠を持っていると虚偽の主張をしている、と声明は続けた。この策略は2019年にボリビアの元大統領エボ・モラレスに対するクーデターと非常によく似ており、米国国際開発庁(USAID)、米州機構(OAS)、欧州連合が関与していたことが証明されていると付け加えた。
――「全米弁護士組合 (NLG)」:選挙監視員5名からなる代表団が7月28日の大統領選挙を監視し、正当性、投票へのアクセス、多元性に細心の注意を払いながら、透明で公正な投票プロセスを観察した。代表団は、選挙システムへの攻撃と、民主主義プロセスを損ねる米国の役割を強く非難している。代表団は、カラカスなどの投票所を数か所訪問し、国連、アフリカ連合、ラテンアメリカ選挙専門家協議会(CEELA)など、95カ国と多くの組織から集まった910人の選挙監視員とメモや情報を共有した。代表団は、米国が支援する野党、リマ・グループを含む地域の右翼勢力、アントニー・ブリンケン国務長官を含む米国当局者、および西側メディアによって流布されている不正の主張を、全面的に拒否した。
なお、日本を含む西側メディアは、カーターセンターの「非民主的」との報告書を金科玉条のごとく喧伝する。しかし、同センターは、選挙監視プロセスを完了せず、途中で米国に帰国した。その上、報告書はすでに1カ月前に作成されていたことが暴露された。カーター・センターはかつては、ジミー・カーター元大統領が率いてまともな選挙監視をしていたが、今回代表が代わり、米国務長官の指揮下にあるUSAID(米国際開発庁)の手中にある。この虚偽報告を日本で宣伝した左翼報道は恥じるべきだろう。
Ⅳ.ボリバル革命は社会主義中国・BRICSとの結合を通じて新たな段階へ
(1)マドゥロ政権は、革命防衛体制を確立し、次の段階へ進む
マドゥロ政権と革命的労働者・人民は、7月30日から連日、全土で反ファシストのデモ行進を続けている。マドゥロは主張する。「街路は人民のものでなければならない。私たちが平和を回復するまで、平和を定着させるまで、私たちが行う行動は2つある。それは、ベネズエラ全都市における軍と警察のパトロール、そして、平和と正常を回復するために人々が毎日街頭に動員されることである」と。結集した人民は口々に叫んだ。「マドゥロは去らない」「マドゥロ、友よ、人民はあなたとともにある」と。反革命クーデターは、逆にベネズエラ人民の団結を固めている。
もちろん、警戒を緩めることはできない。しかし、当面の決着は付いた。マドゥロ大統領は、投票日深夜からの暴力・破壊行為を翌29日にはコントロールし、30日には各都市機能は正常化された、ファシスト・クーデターは解体されつつあると明言した。米政府の8月1日の「ゴンサレス勝利」介入をもってしても、極右野党の暴力と動員をもってしても、マドゥロ勝利と革命的人民の団結と決意を打ち崩すことはできなかった。米帝の反革命クーデター策動は当面のヤマ場を超え、ボリバル革命は勝利的前進を勝ち取りつつある。
革命権力は、最高レベルの国家防衛会議と国家評議会の合同会議で、軍参謀本部の出席のもと、ミラフロレス宮殿からの放送を開始した。ロシア・中国政府の協力を得て、CNEの通信システム攻撃を分析する特別委員会を設置した。メディアやソーシャルネットワークにおける攻撃からベネズエラ世論を守る特別委員会も設置した。ボリバル国軍と警察は、暴力的な「コマンディトス」に対するパトロールと逮捕・拘禁を強化した。
マドゥロ大統領は、「闘いの次の段階に進もう」と訴えた。すなわち「生命、平和、国民の平穏、労働、生産の権利のための闘いに移ったのだ」と。そして、「我々はファシスト右翼との闘いの中からさらに強くなるだろう」と述べた。
(2)社会主義中国、BRICSとの協力強化で、米帝の経済封鎖に対抗
マドゥロ政権は、長期にわたる破滅的な経済封鎖からハイパーインフレの抑制や食糧増産や国内製造業復活を通じて、ここ数年顕著な改善を勝ち取ってきた。
その成果の上に立って、マドゥロ大統領は、選挙戦の最中、大胆な社会主義指向戦略「7つの変革の祖国計画 2025-2031」を打ち出した。その筆頭が「経済・金融の封鎖と闘うための新しい経済」だ。7月18日、議会の全会一致で「非石油輸出促進法」を可決し、ベネズエラ経済を多様化し、石油部門への歴史的依存を軽減する野心的な目標を立てて動き始めた。その鍵を握るのが中国、ロシア、BRICSとの協力強化だ。マドゥロ政権は、社会主義中国、ロシア、BRICS諸国との政治・経済関係強化を通じてさらなる経済復活を図る戦略的方針を打ち出した。プーチンはマドゥロ再選を祝福し、今年10月、ロシアで行われるBRICS首脳会議へ招待した。昨年来、中国との相互交流は急速に拡大している。昨年9月、マドゥロ大統領は中国を訪問し、習近平国家主席との間で両国関係を「全天候型の戦略的パートナーシップ」に昇格させると発表した。中国共産党とPSUVとの党レベルの相互交流も拡大している。
8月2日、自国の石油・天然ガスの共同開発をBRICS諸国と進める方針を明らかにし、現在、クーデターを主導する米国の石油メジャーシェブロンが持つ開発権を剥奪する可能性を示唆した。また、BRICS諸国への輸出を拡大するための農業ビジネス委員会の創設を発表した。とりわけ、ベネズエラがBRICSの新開発銀行(NBD)や模索中のBRICS決済システムに参加できれば、ベネズエラ経済を苦しめているドル決済やSWIFTシステム依存を緩和することができる。
米帝一極支配の全面攻撃と真っ向から対決するマドゥロ政権とベネズエラ人民が生き残り、発展する道は、社会主義中国が主導するBRICSや上海協力機構(SCO)などの多極化世界との結合であり、反米・反帝の左翼・共産主義運動や反戦運動との結合である。われわれも、経済封鎖反対を掲げて、マドゥロ大統領とベネズエラ人民の革命的偉業に連帯して闘い続ける。
2024年8月5日
『コミュニスト・デモクラット』編集局