[1]日米為替協調介入が示す世界金融資本主義の危機
(1)「2つの爆発源」と米戦争資本主義の危機
7月31日、突如、日米両政府は円買いの協調為替介入を行い、世界を驚かせた。この出来事は、世界経済と国際金融市場、世界金融資本主義が未曾有の危機にあることを暴き出した。日本と米国こそ、世界資本主義の「二つの爆発源」なのだ。
米国はなぜ介入したのか。トランプは「日本のため」「友情の証し」と言うが、ウソだ。日本が単独介入を続ければ、原資として外貨準備の米国債を大量売却せざるをえない。そうなればドルが急落し、危機的状況にある米国債市場が暴落、長期金利が急騰し、AIバブル崩壊が取り沙汰されるNY株式市場や金融市場も暴落する。トリプル安(株安・債券安・通貨安)が、米国発・日本発のグローバル金融恐慌の引き金を引きかねなかった。米国は自らの危機回避のために介入したのだ。
対イラン戦争、対中戦争準備、対ロシア「代理戦争」の「三正面戦争」にキューバ・ベネズエラなどラ米カリブが加わり、「四正面戦争」に拡大した。米国の戦争資本主義経済と軍事費は異常に膨張している。連邦債務は3月に39兆ドルを突破し、中間選挙前にも40兆ドルに達する勢いだ。利払い費だけで年1兆ドルを超え、2020年の3450億ドルから3倍に膨れ上がった。すでに石油価格が急騰し、米国人民の生活はどん底に突き落とされている。ベッセント財務長官が危機感を持ったのも当然だ。
(2)もう一つの爆発源――高市「骨太の方針」が国際金融危機の引き金に
もう一つの爆発源は日本だ。日本資本主義・帝国主義の超長期停滞と膨大な財政危機が引き起こす円暴落の危機である。介入直前、円は1ドル164円目前まで急落した。約40年ぶりの歴史的な円安である。さらにヘッジファンドが円売り(空売り)攻撃を仕掛ければ170円まで暴落する危険があった。低金利の円を借りて外貨資産に投資する円キャリー取引(100兆円を超えると言われる)も巨額に積み上がっている。それが逆回転すれば一挙にバブルは破裂する。
世界資本主義は、実体経済を大きく上回る超巨大バブル状態にある。金融資産残高は実体経済(世界GDP約118兆ドル)の4~5倍、約450兆~500兆ドル。これに先物やオプション、為替スワップといったデリバティブ(金融派生商品)の想定元本を加えると、その規模は数千兆ドル(実体経済の数十倍以上)に達する。リーマン・ショック以来のグローバル金融恐慌がいつ勃発してもおかしくない。
社会主義中国は、この金融資本主義の崩壊を見越して、周到に準備を重ねてきた。実体経済(製造業は世界の30%以上)と金融・為替の厳しい管理を軸に社会主義経済を建設し、BRICSやSCOを通じて、脱ドル化を推し進め、金融バブル崩壊の打撃を最小限に抑え込もうとしている。
日本資本主義の危機を世界金融資本主義の危機との連関で捉える必要がある。日本は何をやろうとしているのか。円急落・暴落の危機を引き起こしているのは、高市の無制限な財政拡張政策(積極財政)そのものである。高市首相が5月22日、植田日銀総裁に長期金利の上昇を抑えるための国債買い入れを要請していたことが、8月4日に発覚した。3兆円規模の補正予算編成の際には、日銀を使って財源を確保できないかまで検討していた。まさに政府の赤字を中央銀行が穴埋めする「財政ファイナンス」そのものだ。高市とそのブレーンの常軌を逸した破壊的行為である。
介入後も、日米金利差は縮まっていない。しかも今回の円安は、金利差だけでなく日本財政への市場の信用低下=「日本売り」が加わった質の異なる円安である。円暴落の危機は残ったままだ。「骨太の方針」の超巨額投資を財政拡張主義で強行すれば、金融バブル崩壊の新たな引き金を引くことになる。
バブル崩壊後35年の超長期停滞の下、労働者・人民は絶対的・相対的貧困化に喘いでいる。さらに円暴落が加われば、人民生活破壊は一挙に加速する。
高市政権は、対中戦争準備と軍国主義化・反動化の故だけではなく、財政拡張と円安で労働者・人民をどん底に突き落とすが故に、即刻打倒されなければならない。そういう切羽詰まった状況にある。以下で明らかにするとおり、「骨太の方針」は、軍国主義的・対米従属的性格、歯止めのない財政拡張的性格、そして社会保障解体の性格を持つ、徹頭徹尾、反動的反人民的なものであり、撤回を要求しなければならない。
[2]バラマキ財政と巨額の軍需関連投資で日本資本主義の復活を夢想
(1)17分野370兆円――その正体は広義の軍需関連投資
7月21日、高市政権初の「骨太の方針2026」と「日本成長戦略」が閣議決定された。17の戦略分野・62品目に2040年度までの累計で370兆円超の官民投資を行う――これが目玉である。
370兆円はどこへ向かうのか。「危機管理」「経済安全保障」や「軍民・民生の両用」は「広義の軍需」である。この定義に基づけば、17分野の圧倒的大部分が広義の軍需関連投資だ。
――デジタル・サイバーセキュリティ: サイバー防衛は現代戦の最前線だ。
――AI・半導体/ 情報通信/ 量子: ドローンなどの無人機、自律兵器、暗号通信、戦況分析システムの基盤技術である。
――航空・宇宙/海洋/造船:偵察衛星網、無人艇・水中無人機、海洋状況把握(MDA)、自衛艦建造など、装備品サプライチェーンそのものだ。
――マテリアル/資源・エネルギー・GX:兵器と先端半導体に不可欠なレアアース確保であり、有事のエネルギー遮断に備えた「危機管理投資」である。
純粋民生に見えるものすら同じだ。政府は創薬・バイオを「バイオ・ディフェンス(生物兵器対策)」、フードテックを「海上封鎖時の食料安全保障」、宇宙・航空を「有事の通信・偵察網」と位置づけた。すべての投資の切り口が「経済安全保障」であり、対中戦争を想定した計画として盛り込まれた。
高市は、日本資本主義の構造を丸ごと軍国主義に改造しようと息巻いているのである。「危機管理投資」「経済安保投資」=軍需を成長の起爆剤にする戦略を露骨に押し出したのだ。この投資計画は来年度からの実施である。日本経済の現状も国際的力関係の転換も無視したネオファシストの夢想である。軍需で経済復活はあり得ない。世論を動かせば破綻させることが可能だ。
(2)「広義の軍需」が8~9割。残りかすの民生投資
政府は370兆円を、「広義の軍需関連投資(経済安全保障・軍民両用含む)」と「純粋民生投資」を公式には切り分けない。あえて分ければ、広義の軍需・経済安保関連投資が約300兆円~340兆円、実に8~9割に達する。巨額の資金が動く基盤技術のほぼすべてに、対中リスクと「有事対処」という経済安保の網がかかっているからだ。370兆円枠は、岸田政権下で決定された「10年間で150兆円」の脱炭素・GX投資枠をそのまま組み込み、AI・半導体(約50兆円想定)を含む残り16分野の将来投資(約220兆円)を合算した数字だ。
したがって、コンテンツ(ゲーム、アニメ、マンガ、音楽、実写)などの民生投資は、せいぜい数十兆円の残りかすである。しかも「骨太」は、2040年度に名目GDP1100兆円という目標を掲げた。600兆円台を15年で1・7倍以上にするという夢想だ。「成長すれば税収で返せる」という財政拡張の大前提は、この空語の上に乗っている。
[3]「対米貢ぎ物システム」に投げ込まれる370兆円
(1)利益の9割は米国へ――公式文書に書き込まれた不平等
「骨太の方針」の370兆円には、もう一つ別の「対米貢ぎ物システム」という側面がある。
対米投資5500億ドル(約85兆円)は、2025年7月の日米関税合意を受け、9月に赤澤経済再生担当相とラトニック米商務長官が了解覚書に署名した石破政権下の産物である。高市政権はそれを継承し、実行段階を担っている。歴代自民党政権の対米従属路線が生んだ枠組みなのだ。
案件を選定・推薦するのは米商務長官が議長を務める投資委員会であり、最終判断は米大統領が下す。日本が拠出を渋れば米国は追加関税を引き上げる。自動車をはじめ輸出産業が「人質」だ。極めつけは利益配分である。2025年7月25日の内閣官房資料は、日米の利益配分を「1対9」と明記した。ホワイトハウスも同様に説明している。カネは日本が出し、使い道は米国が決め、儲けは米国が9割取る。「不平等覚書」そのものだ。
国内投資370兆円も構造は同じである。一見すると産業政策の形を取るが、その中身(半導体、AI、宇宙・防衛、GX)は、設計・ソフトウェア・知的財産という最も儲かる「上流」を米国企業(エヌビディア、AMD、マイクロソフト、米軍産複合体など)に握られている。日本の金融資本にバラまいて工場やインフラ(下流)を整備しても、ライセンス料、米国製基幹システムやクラウドの利用料、コア部品の購入費という形で、莫大な利潤が自動的に米国へ還流し続ける。日本企業は米国金融資本の「下請け」に転落する。
半導体を見よ。AI半導体の中核である設計と開発ソフト(CUDA等)は米国のエヌビディアなどが支配する。工場を持たず設計に特化する企業ゆえに、設備投資リスクを負わず純利益率5割超の暴利を貪る。数年ごとに数兆円を投じなければ一瞬で陳腐化する装置産業の泥沼に、人民の血税が注ぎ込まれている。利益の大部分は特許料と米国製AIソフトの購入費として米巨大テックへ吸い上げられる。
さらに悪辣なのは、リスクの引き受けまで日本が背負う点だ。JBIC(国際協力銀行)の融資には財政投融資と政府保証が付き、民間融資にはNEXI(日本貿易保険)の保険が掛けられる。2026年度の財政投融資計画は前年度比56・1%増の19兆180億円、うちJBIC向けが過去最大の8兆5827億円、その大半の7兆1827億円が対米投融資だ。融資が回収不能になれば、損失は丸ごと人民の税金で穴埋めされる。「利益は民間と米国、リスクは人民」――これが正体である。
この献上システムは、製造業を再興させたいトランプ政権の思惑、経済安保を口実に対中超軍拡を加速したい高市らネオファシストの野望、省益拡大と金融資本への利益誘導を図る経産省と自民党政権の利害が一致した結果、人民不在のまま生み出されたものだ。
(2)「対米貢ぎ物システム」を考案し導入した者たち
この日本の税金と借金で、米国の金融資本(巨大テックや軍需産業)を潤す貢ぎ物システムを誰が考案し、誰が持ちこんだのか。
米側の立役者はラトニック商務長官である。対米投資85兆円のうち「実際の国費は1~2%、残りは政府保証と民間融資で動かす」という枠組みだ。「経済安全保障」「日米一体の防衛サプライチェーン」の必要性を日米両政府に提言してきたのがCSIS(戦略国際問題研究所)とハドソン研究所だ。ハドソン研究所はトランプ派の代表的シンクタンクであり、安倍以来、高市ネオファシストらと強固なパイプで結ばれている。高市は3月の訪米に際しても「サナエノミクス」と「経済安全保障の一体化」を売り込んだ。閣議決定の4か月も前に、「骨太の方針」を「国際公約」としてぶち上げたのである。
日本側で組み立てたのは、経産省出身の官邸ブレーンと経産省通商政策局である。彼らはホワイトハウスや商務省と政策を具体化し、「米国の関税要求を日本の産業界のビジネス拡大に昇華させる」案件(ソフトバンクのデータセンター、天然ガス、人工ダイヤなど)を選定した。
そして理論を担うのが、アベノミクスの理論的支柱・若田部昌澄である。高市は2025年11月、経済財政諮問会議の民間議員を刷新し、前日銀副総裁の若田部を送り込んだ。「責任ある積極財政」も「デフレ完全脱却のための呼び水投資」論も、この人物が政府中枢の内側から制度そのものを書き換えることで実現されている。アベノミクスで日本経済を衰退させ、巨額の財政赤字を生み出した張本人たちが、何一つ総括せぬまま同じ理論を「経済安全保障」で塗り直して暴走させているのだ。
[4]財政破綻の加速は不可避――結局は大増税で労働者・人民が負担
(1)「レバレッジ」という国費投入の屁理屈
今回の「骨太の方針」の犯罪性は、軍事一辺倒と対米従属だけではない。国内投資をしない金融資本に、人民の血税をタダでくれてやる仕組みを作ったことだ。キーワードは「レバレッジ」。国費を「呼び水」に、その何倍もの民間資金を引き出すという意味だ。補助金をもらえるならばと、金融資本は「危機管理投資」「経済安全保障」のレッテルを貼って我も我もと群がる。
370兆円は国費ではない。政府支援で民間投資を呼び込み、官民合わせて積み上げる総額だ。「5~7倍のレバレッジ」と想定すれば、国費は2040年度までの累計で50兆~75兆円規模となる。だが政府は、放漫財政批判を回避するため官民の内訳も国費総額も示さず、「必要な予算額は今後の予算編成で精査する」としているだけだ。
金融資本がため込んだ内部留保は637兆円、13年連続で過去最高を更新した(2024年度)。同年度の経常利益は過去最高の114兆円である。本来、企業が自腹で設備投資と賃上げに回すのが筋だ。ところが国が先に補助金と財政融資を出すという。こんな甘えが通れば、金融資本はますます国内投資をせず、海外投資を増やし続けるだろう。投入される国費は、企業の投資リスクを国が肩代わりするものであり、失敗すれば人民の負担、成功すれば利益は大企業のもの、という仕組みだ。
(2)原資は赤字国債増発と特別会計流用――財政赤字の偽装的別会計化
高市政権がレバレッジ原資に想定するのは、「つなぎ国債」と「特別会計」である。
まず、つなぎ国債。①財政健全化の指標から除外できる、②複数年度の「長期的な補助金」を出せる、③投資資金を国債で前借り(つなぎ)できる――騙しとごまかしの手口だ。「償還財源を決めておく」ことが条件だが、高市政権はそれを明示しない。実質的な赤字国債の乱発である。
次に、特別会計の流用。特別会計とは、年金や雇用保険など「保険料を納めた人への給付」のために、一般会計とは区別してプールされた資金である。高市政権は「13の特別会計や基金からの歳入確保を一から洗い直す」と表明し、やり玉に挙がった外為特会の利益を、高市首相自身が「ホクホク状態」と言って狙いを定めた。労働保険特会や年金特会の積立金は、失業急増時や高齢化社会を支えるための命綱である。その流用は、セーフティネットの機能低下と、帳尻合わせのための「保険料引き上げ(ステルス負担増)」に直結する。「目的外流用」は断じて許されない。
さらに高市政権は、財政健全化目標そのものを組み替えた。基礎的財政収支(PB)黒字化目標を「債務残高対GDP比の安定的低下」に差し替えたうえ、経済安保上重要な分野のつなぎ国債は、その新目標の指標からも除外するというのだ。新目標を軍事・経済安保投資の分だけ空洞化させる二重の仕掛けである。官民ファンド・基金への資金迂回など、ありとあらゆる手口で国費を注ぎ込もうと画策している。
こうした仕組みの推進者が、前述の官邸ブレーンたちだ。彼らは「投資で経済が成長すれば税収が増えて国債は返せる」という都合の良い試算(内閣府試算)を盾にする。だが市場は「不確実な成長を前提にした事実上の赤字国債の垂れ流し」と見なした。6月30日の原案公表を機に長期金利は急騰し、7月9日には一時2.900%、約29年8か月ぶりの水準をつけた。これが「骨太ショック」である。金利上昇は住宅ローンを直撃し、企業数の99.7%を占める中小企業の利払い負担を膨らませ、膨張する利払い費が社会保障予算を押し潰す。
[5]「骨太の方針」に埋め込まれた社会保障制度の解体
(1)単年度主義からの脱却――社会保障解体の長期プログラム
「骨太の方針」は、「単年度主義」からの脱却を謳っている。長期戦略として埋め込まれたのは、軍事偏重・対米従属の370兆円だけではない。軍事費増と社会保障削減の一体的推進である。①現役世代の保険料引き下げのツケを高齢者の窓口負担増や給付カットで賄い、世代間対立を煽る。②70歳以上の医療費窓口負担の引き上げ(2026年末までに改革工程表を策定)。③高額療養費制度の上限額引き上げ。④OTC類似薬の保険給付の見直し。⑤診療報酬・介護報酬の改悪、食事代・光熱費・おむつ代などの自己負担増。
③は既に始まった。この8月診療分から自己負担限度額が引き上げられ、年収約370万~770万円の区分では月8万100円が8万5800円になった。2027年8月には第2段階が待つ。2025年に凍結された改悪が、高市政権のもとで復活・強行されたのだ。
それだけではない。食料品減税は2年間の「つなぎ」で、「本丸」は給付付き税額控除だ。消費税を温存し、医療・介護の給付削減・自己負担増を進める一方、非課税・無職・生活保護・障害者・高齢者などを排除した「中低所得勤労者」への選別給付を軸に、新自由主義的選別福祉へと転換する――長期的な社会保障解体へと突き進む戦略である。
(2)「骨太の方針」と「安保三文書」は一体。反戦運動と生活防衛闘争の結合を
高市は、「骨太の方針」を「安保三文書」と一体化させ、三文書を踏まえて「必要な措置を講ずる」と明記した。数値目標は伏せたまま、欄外に海外の軍事費の例を並べて軍事費大幅増を示唆した。米国は同盟国に中核的軍事費でGDP比3・5%、関連経費を含めて5%を要求している。GDP比3%で年約20兆円、5%なら30兆円超だ。
高市「骨太の方針」の本質は、国費を際限なく対中戦争準備および米日金融資本へのバラマキに費消し、異常な対米従属帝国主義国家を作り上げ、米帝覇権を下支えすることにある。その国費は全て、日本の労働者・人民からの搾取と将来に続く大増税によって賄われる。
「責任ある積極財政」と国債乱発は、市場の信認失墜を招き、円安と壊滅的な物価高を引き起こしている。ベッセント米財務長官は8月4日、協調介入の理由を「アジア通貨危機への波及懸念」と語った。日本のためではない。同時に米政権は消費税減税に異論を唱え、利上げと財政の安定を迫っている。介入と引き換えに財政・金融政策を外から握られたのだ。対米従属は財政主権の中枢に及んでいる。
高市政権は誕生以来、物価高が急激に高進する中で、超軍拡と反動法案ごり押しに狂奔するだけで、人民生活には全く見向きもしなかった。石破政権の「2020年代中に最低賃金全国平均1500円」も公然と先送りされた。
食料品だけ2年限定の消費税減税と「積極財政」への反対論が、自民党内とメディアから一斉に噴き出している。だがそれは「財政規律」からの反対であり、行き着く先は社会保障・人民関連切り捨てと大増税だ。他方、軍事一辺倒・対米従属という本質に国会から正面切った批判は出ない。「投資の方向性は共有できる」(立憲)など、骨太の方針そのものは与野党の前提だ。われわれの要求は逆だ。軍事と大企業への370兆円をやめ、消費税を廃止し、社会保障と賃上げに回せ。国会の外から、職場と地域から闘いを起こすことが、今こそ必要だ。
「骨太積極財政」と円安は日米矛盾の焦点に躍り出ている。財界の一部からは政治圧力による対米投資や骨太投資への不満が渦巻いている。そもそも85兆円・370兆円投資そのものが実現不可能に近い。高市の基本政策は弱点まみれなのだ。対中戦争反対と軍事費大幅削減の闘い、「骨太の方針」撤回の闘いを生活防衛の闘いと結合して闘い、高市政権を打倒しよう。
2026年8月9日
『コミュニスト・デモクラット』編集局
