福島第一原発事故から14年

  • 行き場のない核のゴミを生み続け、複合災害による重大な被ばくをもたらし、日常的な放射能汚染を引き起こす原発・再処理を止め、脱原発に舵を切ろう!
  • 「復興」の名による放射能のばらまきと軍事にも繋がる惨事便乗ビジネスに反対しよう!

  
エネルギー基本計画に「原子力の最大限活用」
 

 政府は2月18日、第7次エネルギー基本計画を閣議決定した。「可能な限り原発依存度を低減」するとの文言を削除し、「原子力の最大限活用」を盛り込んだ。新規原発について、廃炉原発の敷地に限定せず、同じ電力会社の別の敷地でのリプレース(建替え)を認めている。しかし莫大な建設費が必要になるため、建設段階から電気料金へ上乗せする支援策まで模索している。再エネや省エネに向けられるべき資金を奪い、気候危機対策に逆行するものでもある。

複合災害で重大な被ばくは避けられない 原発の稼働・再稼働に反対しよう

 東電が今年中の再稼働を目論む柏崎刈羽原発では、福島第一原発事故を起こし、その後もトラブルと違反行為を繰り返す東電による再稼働に対し、地元から強い反対の声があがっている。再稼働の是非を問う県民投票条例の制定を求める14万3000人余りの署名が新潟県に提出され、4月16日からの臨時議会で審議される。県民の意思に従い、再稼働は中止すべきだ。東海第二原発では再稼働に向けた防潮堤の工事で重大な欠陥が内部告発によって明らかになっている。火災事故も相次いでいる。
 能登半島地震により、原発事故と地震など自然災害との複合災害において、家屋が倒壊すると同時に集落が孤立し、屋内退避も避難も困難な状況が生じることが明らかになった。原子力規制委員会が設置した屋内退避に関する検討チームは3月28日に最終報告を決定、チームには複数の自治体から複合災害の際の対応の検討を求める意見書が寄せられたが、最終報告はこれを避け、被ばく防護を放棄した。最悪の事態を避けるためにも直ちにすべての原発の稼働を停止すべきだ。

矛盾の集中点…使用済核燃料問題 乾式貯蔵に反対! 六ヶ所再処理工場の稼働阻止!

 原子力政策の矛盾は、原発の燃料プールで溢れる使用済核燃料に集中的に表れている。関西電力は使用済核燃料対策の「新ロードマップ(工程表)」を福井県に提出し、3月24日了承された。しかし、そこで搬出先とされている六ヶ所再処理工場は稼働のめどは立っておらず、中間貯蔵施設の建設についても同様だ。苦肉の策として「使用済MOX燃料の再処理の実証研究」の名目でフランスに向けて400トンの使用済核燃料を搬出する計画も入っているが、代わりに高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)を引き受けなければならない。青森県は早々に受け入れ拒否を表明している。新工程表に実効性はない。急場しのぎとして関西電力と東北電力は敷地内乾式貯蔵の建設計画を進めている。これを止めることにより、使用済核燃料は行き場を失い、老朽原発は稼働ができなくなる。これが脱原発運動の目下の焦点となっている。
 六ヶ所再処理工場は、事実上破綻しているといってもよい。度重なるトラブルにより、既に放射能汚染により近づくこともできないレッドセルとよばれる区画が多数存在するが、レッドセルでは検査も安全対策工事もできないからだ。日常的に空と海に大量の放射能をまき散らす。その意味でも、決して動かしてはならない工場だ。本格稼働をなんとしても止めよう。
  
汚染土のばらまきに反対!全国の闘いで止めよう!

 福島第一原発の廃炉作業が一向に進まない中、政府は汚染水の海洋放出に続き、「復興再生利用」の名で汚染土のばらまきを強行しようとしている。労働者・住民に内部被曝をもたらし、原発関連独占体が利益をむさぼる事業に対し、実証事業の地元住民や地権者による反対運動が精力的に取り組まれてきた。闘いは全国の自治体や地域の闘いで止める局面に入った。各地の運動強化で放射能のばらまきを止めよう。
  
軍事技術に直結する「福島イノベ」に反対しよう

 そればかりではない。イノベーションコースト構想(福島イノベ)では、「復興」の名の下で、福島第一原発周辺の放射能に汚染された広大な敷地にハイテク産業を誘致し、ロボットなど軍事転用が可能な研究開発を進めようとしている。政府が税金を使ってお膳立てをした惨事便乗型ビジネスに資本が群がり、利益をむさぼりながら軍事にも繋がる構図だ。危険極まりない福島イノベに反対しよう。

(S)

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