○『コミュニスト・デモクラット』とは
『コミュニスト・デモクラット』は、共産主義者と民主主義者を結ぶ機関紙・政治評論誌です。マルクス・レーニン主義を指針として、2006年10月に創刊されました。『コミュニスト・デモクラット』編集局が、隔月で印刷版を発行しています。
『コミュニスト・デモクラット』は、米帝国主義の対イラク侵略戦争(2003年)に反対し、イラク反戦運動に精力的に取り組む中から、そのエネルギーを最大の原動力として生み出されました。以来、反米・反帝・反植民地主義と国際主義は、私たちの揺るぎない一貫した姿勢です。
現在の編集方針として、米国が主導する西側帝国主義の侵略戦争、新植民地主義的途上国支配・略奪、米国に付き従う日本の軍国主義化と搾取・収奪、反中・反社会主義プロパガンダを暴き出し徹底的に批判すること、労働運動、反戦運動など大衆運動の強化に寄与すること、労働者・人民の階級的覚醒を促すことに重点を置いています。
○なぜウエブサイトを公開したか?――私たちの考え
私たちは、ウエブサイト上で『コミュニスト・デモクラット』の主張および主要記事の一部を公開することにしました。その最大の理由は、日本のブルジョア政治とメディア・言論の腐敗、目を覆うばかりの悲惨な状況が急加速していることへの強い危機感です。これに一矢を放ち、現状を打破するために言論活動を強化したいと考えたからです。具体的には以下の通りです。
第1に、現代における戦争の最大の元凶は米帝国主義です。イスラエルのガザ・ジェノサイド・民族絶滅戦争を主導し、ウクライナでは対ロシア代理戦争を行い、さらに社会主義中国に対する包囲と戦争準備を執拗に追求しています。今日、米帝に明確に矛先を向け、米帝が主導する西側帝国主義と闘うことは、国際反戦運動と左翼・共産主義者の最重要の任務です。しかし左翼・共産主義者の一部は、「中国は帝国主義」「ロシアも帝国主義」など現実の客観的分析を欠いた、ブルジョアメディアと同列の主張を展開し、侵略性・好戦性・凶暴性を異常なまでに高めている米帝を免罪し、闘いの矛先を逸らす役割を果たしています。さらに「植民地体制なき帝国主義」を唱え、抑圧民族と被抑圧民族を区別せず、新興・途上諸国に対する収奪・略奪、新植民地主義構造を否定しています。
第2に、岸田政権と金融寡頭制支配層は中国を主敵とする日米同盟強化=戦争国家化に大きく舵を切りました。しかし、これに対する批判と運動は大きく立ち後れています。その最大の要因の1つは、政府とメディアが日常的に垂れ流す、反中・嫌中、反社会主義、反露・嫌露、差別・排外主義、人種差別主義、等々のプロパガンダです。これを正面から批判する政治勢力が極めて弱いのが現状です。国会では共産党を含め、中国敵視・ロシア嫌悪で一種の翼賛体制が作られています。それは、日本の労働運動、反戦運動、人民運動にきわめて深刻な悪影響を及ぼしています。
第3に、私たちは、日本の支配層が、侵略戦争と植民地支配の歴史を忘れ、「中国の脅威」を煽りながら対中戦争準備に突き進んでいることを許すことができません。かつて天皇制軍国主義日本は、朝鮮を植民地支配し、中国とアジア諸国を侵略し、略奪して破壊しつくし、3000万人の中国人民・アジア人民を虐殺しました。中国が歴史的に被ってきた侵略と植民地支配、帝国主義的介入による苦難が、中国の社会主義的発展に大きな困難を強いてきたこと、今日に至るまで中国人民に甚大な影響を及ぼしていることを思い起こさなければなりません。私たちは、抑圧民族としての自己批判を片時も忘れてはならないのです。対中戦争準備を阻止し、中国敵視イデオロギーを突き崩すこと、日中友好と平和共存を打ち立てることは、私たちの歴史的責務です。
第4に、私たちは現在、歴史的大激動、新しい時代への転換点に立っています。ソ連崩壊から30数年、米帝一極支配、帝国主義の世界覇権体制と植民地主義体制が瓦解し始めました。その最大の原動力となっているのが社会主義中国の急速な発展であり、中国と反米・反帝国家が主導する「グローバル・サウス」の台頭です。「西洋」による世界支配、植民地主義的収奪体制を根底から覆そうとする壮大な歴史的挑戦が始まっているのです。中国、キューバなどの社会主義、ベネズエラを始めとするラ米・カリブの社会主義指向諸国、パレスチナ、アフリカを先頭とする民族解放闘争、国際主義に立つ世界の反戦運動や労働運動、全世界の反米・反帝勢力との国際連帯を呼びかけることが今こそ必要です。
第5に、今日の新しい時代は、マルクスが復活する条件を成熟させています。しかし日本では、マルクス、エンゲルス、レーニンの遺産を継承・発展させようという政党・政治勢力は皆無に近いと言えます。日本共産党は半世紀も前にマルクス・レーニン主義を放棄し、4年前の綱領改定で「覇権主義批判」を根幹に据えて以降は、米国よりも社会主義中国に対する批判を強調するようになりました。帝国主義に迎合する社民主義イデオロギーと一線を画し、マルクス・レーニン主義と共産主義・社会主義イデロギーを普及させることは、私たちの重要な責務です。
2024年4月10日
『コミュニスト・デモクラット』編集局