2025年を迎えてー対中戦争でなく日中平和・友好を

○敗戦80周年、日本の加害責任を追及しよう
○米=イスラエルのガザ大虐殺を止めよう
○トランプのハイブリッド戦争を許すな

 2025年は、米帝と西側帝国主義の覇権後退からの侵略的巻き返し、これに対する反米・反帝・反植民地闘争の不屈の反撃によって幕を開けた。ガザのパレスチナ抵抗勢力は1月1日午前0時、イスラエル入植地を攻撃し、決して屈服しない断固たる決意を全世界に示した。1年3ヶ月に及ぶ長期の虐殺戦争で甚大な被害を受けながら、驚異的な回復力で反撃を強化している。ヨルダン川西岸、レバノン、イエメンなどでもレジスタンスの抵抗闘争が続いている。これに呼応するように、ニューヨーク、ボストン、ロンドン、ベルリン、ヘルシンキ、オスロ、イスタンブール等々、世界各地でガザ大虐殺中止を要求するパレスチナ連帯行動が行われた。
 2024年は、米=イスラエルのガザ大虐殺、ウクライナ代理戦争、対中戦争準備と軍事挑発、ベネズエラ等での政権転覆策動、そして12月のシリア政権転覆、等々、米帝国主義の異常なまでの侵略性・残虐性・略奪性、そして逆流が露わになった。だが同時に、中国が主導するグローバル・サウスが劇的に台頭し、パレスチナを先頭に米帝に屈しない反米・反帝・反植民地闘争が前進し、新たな多極化世界の新時代を切り開いた年でもあった。われわれは今、100年に一度、あるいは500~600年来という進歩的歴史変動の真っ只中に立っている。この歴史的大激動は今年も引き継がれることになるだろう。

中国が主導するBRICS拡大とグローバル・サウスの集団的台頭

 1月6日、インドネシアがBRICSに正式加盟した。BRICSは、加盟10ヵ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア、エジプト、エチオピア、インドネシア、イラン、アラブ首長国連邦)とパートナー国8ヵ国(ベラルーシ、ボリビア、キューバ、カザフスタン、マレーシア、タイ、ウガンダ、ウズベキスタン)となり、拡大BRICSとしてスタートした。実に世界のGDP(購買力平価)の41.4%、G7帝国主義の29.08%を大きく上回る。世界人口では半分を占める。BRICSはグローバル・サウスの劇的な台頭の最大の推進力だ。
 習近平総書記は、2025年の新年メッセージで、「グローバル・サウスとの団結と協力の深化」を訴えた。戦争と略奪による「西洋式現代化」とは全く異なる、平和とウィン・ウィンの経済協力による「平和的現代化」推進、「一帯一路」を柱とする新興・途上諸国の発展・開発の推進は、グローバル・サウスの団結と協力を強化する中国の戦略的方針である。それは一昨年から昨年にかけて、中国・アラブ諸国協力フォーラム、中国・中南米カリブ界諸国フォーラム(中国・CERACフォーラム)、中国・アフリカ協力フォーラム北京サミット、そして上海協力機構(SCO)、BRICS、APEC、G20のサミット、等々で具体化され、グローバル・サウスの相互協力と協調的発展の最大の原動力となってきた。
 中国は、米国の経済封鎖で深刻なエネルギー危機に直面するキューバに対し、電力システム復旧設備、太陽光発電設備の設置など、社会主義的協力関係の緊密化を進めている。米国の政権転覆策動をはねのけて社会主義指向革命を前進させているベネズエラとも、エネルギー・金融分野での戦略的連携を強化している。
 社会主義中国が主導するBRICSおよびグローバル・サウスの集団的台頭は、反米反帝の民族解放闘争の前進と結びつき、米帝国主義の世界覇権を掘り崩し、「西洋中心主義」からの脱却をめざす世界史の新段階を切り開いている。
 日本のメディアは、「先の見えない世界」(朝日)、「逆転の世界」(日経)など、米国と西側諸国が主導できない世界の現実を受けとめられず、戸惑い嘆く。そして、その憎悪の矛先を中国とBRICSの発展に向ける宣伝に終始している。
 われわれは、社会主義中国の発展とBRICS拡大、グローバル・サウスの台頭を支持し歓迎する。グローバル・サウスの台頭、反米反帝の民族解放闘争の前進を支持し連帯すること、人類と世界平和最大の敵である米帝国主義に矛先を向け、その軍事介入・制裁・政権転覆、「代理戦争」等々と闘うこと、そして何より米帝に従属する自国帝国主義と闘うことは、西側諸国で活動する左翼・共産主義者の責務である。

米=イスラエルのガザ大虐殺をやめさせ、恒久停戦を実現しよう

 1月20日、第2期トランプ政権が始まる。トランプは就任前から、グリーンランド、パナマ運河、そしてカナダに至るまで軍事的あるいは経済的強制力による領有権を主張した。それは、あくなき領土拡大欲を抱く好戦的な植民地主義者・帝国主義者としての本質を露わにしたものだ。政権中枢を親イスラエル、対中・対イラン強硬派で固めたトランプ政権が、戦争推進政権となることは確実である。
 日本と世界の反戦平和運動が直面するトランプ米帝との対決の課題は大きく2つある。
 何よりも第1に、今年こそ米=イスラエルのガザ大虐殺戦争をやめさせ、恒久停戦を実現することである。
 米=イスラエルは、年末年始に関係なくガザ大虐殺・民族浄化戦争を繰り広げた。ガザ北部で残虐極まりない絶滅作戦(「将軍たちの計画」)を遂行し、病院を意図的に攻撃し、医師らを拘束した。子どもたちの飢餓が広がり深刻化している。
 バイデンは最後の最後までイスラエルと共に大虐殺を続行する姿勢を貫いた。退任まであと2週間と迫った1月6日、80億ドルの対イスラエル武器供与を承認した。この大虐殺戦争は、「ジェノサイド・ジョー」から「イスラエル第一主義」のトランプへと引き継がれる。トランプは、米・イスラエル関係をさらに強固にし、国内のパレスチナ連帯運動を弾圧する諸法案、国際刑事裁判所(ICC)制裁法案、UNRWA資金援助の禁止措置恒久化の法案などを画策している。
 だがイスラエルは、長期の戦争で損耗と疲弊が進み、軍事的行き詰まりと破綻に直面している。米=イスラエルへの国際的包囲網は着実に狭まっている。ガザ停戦が現実の日程にのぼっている。合意間近と言われながら実現しないのは、ネタニヤフが頑なに合意に応じず、米国もまたそれを支持しているからだ。パレスチナ抵抗勢力の恒久停戦案を受け入れるよう、米=イスラエルに全世界から圧力をかけていかなければならない。
 国連での停戦要求だけでなく、イスラエルに対する具体的措置をとる国、武器輸出を禁止・制限する国が増大している。全世界でBDS運動が広がり、成果を勝ち取りつつある。ジェノサイドを容認してきた西側帝国主義諸国の加担、政府・企業のイスラエル支持・協力をやめさせなければならない。

トランプの関税戦争・代理戦争・「カラー革命」などハイブリッド戦争と闘おう

 第2は、対中新冷戦とハイブリッド戦争に反対して闘うことである。
 米帝主導連合軍によるシリア・アサド政権転覆は、まさに米帝国主義の飽くなき侵略的・植民地主義的野望を見せつけた。そして次はイエメンとイランに標的を定め、攻撃を繰り返している。バイデンが仕掛けた「三正面戦争」が次々と破綻する中で、米帝はそれを取り繕い巻き返しを図ろうと、一気に冒険主義的好戦的姿勢に打って出ている。トランプもこれを継承するだろう。ウクライナ戦争は「24時間以内に終わらせる」と豪語していたが、早くも「6ヶ月はほしい」とトーンダウンした。
 トランプの究極の狙いは、米帝国主義の世界覇権、とくにドル・金融・貿易覇権の維持である。緊急事態宣言を発し、同盟諸国を含めて一律関税を課す関税戦争を発動する方針だ。とりわけ中国に対しては60%追加関税など、中国の発展を封じ込める対中新冷戦で、米帝の覇権衰退を食い止めようと牙を剥き始めている。
 危険なのは直接的な軍事介入だけではない。軍事力を柱にしながらも、「代理戦争」、貿易・関税戦争、経済制裁・封鎖、政権転覆策動などを組み合わせた帝国主義戦争の全形態を問題にすべきである。関税戦争や経済制裁も戦争行為なのである。米帝を戦略敵として捉え、徹底的な批判的態度を取らなければ、たちまち米帝免罪・米帝容認へと転落することを自覚しなければならない。

日本帝国主義の加害責任追及と日中平和友好の実現は日本人民の責務

 2025年は、天皇制日本軍国主義の敗戦80周年、抗日戦争勝利・朝鮮半島解放の80周年、そして反ファシズム戦争勝利80周年である。
 われわれは、かつての日本帝国主義が、中国と朝鮮半島をはじめアジア・太平洋諸国の数千万の人民を虐殺し、略奪・破壊・人権蹂躙と暴虐の限りを尽くした歴史、その戦争責任・加害責任を忘れてはならない。だが日本の支配層は、侵略戦争と植民地支配の歴史を否定し、米帝国主義に従属し一体となって対中戦争体制づくりに乗り出している。絶対に対中戦争を引き起こしてはならない。対中戦争準備を阻止し、日中平和・友好を要求し実現していくことは、日本の人民の責務である。
 年初にあたり主要紙はこぞって「戦後80年」「昭和100年」を取り上げたが、日本の侵略戦争と植民地支配を正面から問題にしたものは皆無であった。侵略戦争に対する反省も謝罪もなく、それを問うこともない。そればかりか、「中国の軍拡」「権威主義」「一党独裁」などと中国に対する敵意と憎悪、デマに満ちた「中国の脅威」を煽り立てている。日本では、異常なまでの反中・嫌中イデオロギーが日常不断に人民大衆に刷り込まれ、対中戦争準備を容認する世論が醸成されているのである。
 今夏、政府とメディアは、もっぱら日本の被害のみに焦点をあて、現在の対中軍国主義を正当化する「戦後80年」の日本賛美、愛国主義的キャンペーンを展開するだろう。天皇による広島・長崎・沖縄の訪問も検討されている。日本の支配層は、日本の侵略的過去、植民地主義的過去を一気に清算し否定することを狙っている。
 われわれは敗戦80周年の今年、「対中戦争ではなく日中平和友好を」を合言葉に、軍事費倍増の対中軍国主義を許さず、日本の戦争責任・加害責任を追及し、中国との平和共存、友好協力政策への転換を求める反戦平和・友好活動の強化を呼びかけたい。
 敗戦80年は同時に沖縄戦終結80年でもある。沖縄では米兵による性暴力事件が後を絶たない。本土の人民は、沖縄に対しても加害者の側にあることを自覚し、沖縄が強いられてきた屈辱の歴史と苦難の闘いを自己批判的に学ばなければならない。再び沖縄を戦場にする対中戦争準備・軍事要塞化を絶対に許してはならない。
 石破政権は、トランプ政権発足を前に、対中関係の改善を模索し始めている。だが問われているのは言葉ではなく行動である。軍事費倍増の対中軍備増強をやめなければならない。何よりも日本政府は、侵略戦争の反省と「一つの中国」原則を確認した日中共同声明(1972年)の原点に立ち返るべきである。
 問題はそれだけではない。石破政権がこのまま軍事費倍増の軍備増強を進めるならば、大衆増税と人民関連予算切り捨てで確実に労働者・人民の生活破壊が進む。トランプがさらなる軍事費増額などで対日要求を強めれば日本国内の階級矛盾は一段と激化するだろう。軍事費を大幅に削減させ、中国との平和友好路線へと転換させなければ、労働者・人民の切実な願いを実現することはできないのである。
 ブルジョア議会では、与野党問わず日米同盟を基軸として前面に押し出し、対米従属の対中軍国主義を根底から問題にせず、対中非難で一致するという体制翼賛化が進んでいる。しかし他方で、総選挙での自民党の歴史的大敗と少数与党化で、自公政権の基盤は弱体化し、労働者・人民が自らの要求実現を支配層に迫っていく格好の政治的条件が作り出されている。
 野党と労組ナショナルセンターの右傾化・弱体化の中で、沖縄、大分、関西をはじめ各地で反基地・反弾薬庫の市民運動が展開され、対中戦争準備を阻止する闘いが徐々に広がりつつある。これらをつなげる「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」の結成準備が進んでいる。日本の加害責任の追及、「戦争教科書」を許さない闘い、日中友好活動も粘り強く続けられている。パレスチナ連帯運動、原発再稼働阻止の闘い、生活破壊・切り捨て反対の闘いなど、支配層・自公政権と対決するすべての運動と結合して闘おう。


2025年1月11日 『コミュニスト・デモクラット』編集局

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