イスラエル製虐殺ドローンを自衛隊に導入するな
イスラエル軍は攻撃をやめ、ガザから完全撤退せよ

相次ぐ日本のイスラエル加担に反対を

 日本のパレスチナ連帯運動にとって、日本政府・企業のイスラエル加担に歯止めをかけるべき重要な局面を迎えている。防衛省は自衛隊に導入する小型攻撃用ドローンⅠ型の機種決定の入札を2月17日に行う。候補4機のうち2機がイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)製だ(輸入代理店は海外物産)。
 IAIとはどのような企業か? 昨年6月に国連人権理事会でアルバネーゼ氏が提出した報告書では、イスラエルの遂行するジェノサイド・戦争犯罪を経済的に支え、虐殺に直接加担し、利益を得ている企業として、真っ先に糾弾されているイスラエルの二大軍需企業のうちの1社である(もう1社はエルビット・システムズ)。IAI製が選定されれば、防衛省が今年度予算で310機取得の予算32億円が、イスラエルの軍需企業に流れ、新たな高性能兵器の開発や生産に使われ、さらなる虐殺を生む。防衛省が自爆型の攻撃ドローンを導入するのは初めてだ。ドローンⅠ型でイスラエル製が採用されてしまえば、今後さらに大型のⅡ・Ⅲ型でもイスラエル製採用のハードルが下がることになる。入り口で阻止することが重要だ。
 2023年10月7日のジェノサイド開始以降、分かっているだけで7万1000人以上のガザ住民が殺害された。そのうち多くの人がIAI製のドローンで殺された。ドローンはガザ上空で人々を監視し、攻撃を繰り返している。ガザだけでなくヨルダン川西岸で、レバノン、シリア、イランなど他の中東諸国で、数え切れないほどの人々を殺してきた。高市政権は、パレスチナと中東の人々を実験台にして殺しまくり、その性能を証明し強化してきた悪魔のような兵器を、平然と自衛隊に導入し、今度は中国との戦争で自らが使おうというのである。
 23年10月以降だけでも、日本政府がイスラエル製の武器・装備を241億円分購入していたことが明らかになっている。しかし防衛装備庁は「会計法令には特定の国の製品を取り扱う事業者を排除する規定はない」と、虐殺国家イスラエルから武器を輸入することに何も問題はないとの姿勢だ。
 日本のパレスチナ連帯運動は、日本政府と企業によるジェノサイドへの加担を止めさせるよう呼びかけて闘ってきた。今、目の前に迫っているイスラエル製ドローンの導入をさせないことが、最大の課題となっている。防衛省前では1月26日から11日間ハンストが行われた。これに連帯する行動が、各地で行われた。「虐殺ドローン導入反対」の声を政府・防衛省に集中し、導入を阻止しよう。
 今年に入って明らかになった日本のジェノサイドへの加担の動きは他にもある。今年初め、小野寺元防衛相など国会議員15名がガザ虐殺を続けるイスラエルを訪問し、血にまみれた戦争犯罪人ネタニヤフ首相と握手した。小野寺はSNSに「イスラエルはミサイル防衛やサイバー、ドローン分野でも世界の先端技術を有しており、今後の日本の安全保障政策を検討する上で役立つ」と虐殺技術を礼賛した。まさしくこの訪問はイスラエル製ドローン導入の地ならしだ。また、「スパイ防止法」制定に突き進む高市政権は、イスラエル軍や情報機関などが米のグーグルなどIT企業と協力して開発し、「テロリスト」の監視・殺害のノウハウを蓄積してきた諜報技術を手に入れようとしている。
 国会議員の直後には茂木外相も訪問し、ネタニヤフに「イスラエルの自衛権を認めるなどしてきた日本に感謝する」と歓迎された。茂木は、「文民・軍調整センター」(CMCC)に、日本政府から人員を派遣することを表明した。このセンターは、米軍が主導し、イスラエル軍の他複数の国が参加し、停戦監視と言いながらイスラエルの攻撃は一切非難せず、ハマスの監視、武装解除を狙うものだ。

イスラエル軍は停戦「第2段階」破壊をやめ、完全撤退せよ

 ガザを巡る現在の争点は、停戦合意の「第2段階」にある。ハマスは、武装解除を断固として拒否し、イスラエル軍のガザからの完全撤退を要求する。米国とイスラエルは、「ハマスの武装解除」要求を繰り返す。第2段階を進めたい米国に対し、イスラエルは第2段階そのものの破壊を追求している。ハマスは、米国とイスラエルの間にくさびを打ち込み、イスラエルの撤退に持ち込もうとしている。
 1月14日、米国は第2段階への移行とガザの暫定統治機構である「平和評議会」の創設を発表した。評議会議長には米トランプ大統領が就き、メンバーには、ルビオ米国務長官やブレア元英首相、米国のウィトコフ中東担当特使やトランプの娘婿クシュナー、トランプ側近のガブリエル大統領副補佐官、世界銀行のアジェイ・バンガ総裁、米資産管理会社の経営者マーク・ローワンの7人が任命された。顔ぶれを見ただけでも、米国を筆頭とする帝国主義がガザを植民地として経営するための機関であり、パレスチナの民族自決とはかけ離れたものであることが明らかだ。
 評議会には、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、カタール、ヨルダン、モロッコ、トルコ、パキスタン、ハンガリー、インドネシア、アルゼンチンなどが参加を表明し、10億ドルを払った国は評議会の「常任国」になれるという。議長に就くトランプは拒否権を持ち、任期もない。大統領退任後も議長にとどまると言っている。トランプにとってガザは始まりでしかなく、国連に代わり自らの言いなりになる国際組織に育てる野望を持っているとされる。
 米国にとっての「第2段階」とは「ガザ植民地化計画」の第2段階であり、それには「ハマスの武装解除」と「イスラエル軍のガザからの撤退」が含まれる。ハマスなどガザの民族解放勢力は、第2段階を通じて全面撤退を実現させるために奮闘している。評議会と同時に、パレスチナ人テクノクラート15名による官僚組織「ガザ行政国家委員会」も発足し、直接ガザの行政に関わることになる。ハマスなどはこの委員会の発足を歓迎している。
 これに対しイスラエルは、平和評議会に参加しながら、第2段階の進行を妨害している。行政国家委員会の人選に異議を唱え、ガザへの入域すら認めないなど、委員会を活動させないために躍起になっている。大規模な攻撃を仕掛けて混乱を引き起こして活動を妨害し、委員会にガザの統治能力がないことを見せつけ、第2段階を破産させることを狙っている。イスラエルはイエローラインの外に再入植し併合することを狙っている。イスラエル軍はイエローラインの内側への新たな地上作戦を計画し、戦争の全面再開、ガザ全面占領に進もうとしている。ザミール参謀総長は「イエローラインを越えて広範囲な攻撃に迅速に転換する準備が必要」と語っている。

イスラエルは攻撃をやめろ、支援団体の活動を妨害するな

 ハマスは停戦第1段階の「人質全員の解放と遺体の返還」を誠実に実行した。イスラエルは1200回以上の停戦違反を繰り返し連日のように攻撃を続け、さらに停戦の第2段階に入って攻撃をエスカレートさせている。1月31日には「ハマスが停戦合意に違反した」としてガザ市やハンユニスなど各地を空爆・砲撃し、子どもを含む少なくとも31人を殺害した。停戦発効後の死者数は500人を超えた。負傷者は1200人以上。子どもの犠牲者は100人を超え、ユニセフによると毎日1人の子どもが殺されている。
 かろうじて生き延びている住民も、イスラエルによって命の危機に追いやられている。粗末なテントでの暮らしを強いられ、寒さや大雨に苦しめられているが、代わりのテントや防水シート、仮設住宅用の資材などの搬入は、イスラエルが妨害する。1日600台のはずのトラックは、43%しか入域を認められていない。
 さらにイスラエルは12月30日、「国境なき医師団」「パレスチナ子どものキャンペーン」「日本国際ボランティアセンター」など37の国際NGOのガザでの支援活動を禁止した。「イスラエル・ボイコット」の呼びかけや、イスラエル政府関係者の国際法廷への訴追を支持したことを理由としている。昨年1月には国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁じる法律を施行したが、年末にはUNRWA施設への水や電気などの供給を停止し、政府に施設を収用する権限を与える法改正を可決した。1月には、東エルサレムのUNRWA施設を重機で破壊した。
 イスラエルは、ガザへの食糧の搬入を制限し、住民を飢餓に陥らせる一方、飢餓を否定する悪質なデマ宣伝を行ってきた。人々が飢餓で苦しんでいる時に、イスラエル政府はYouTubeに「ガザに食料はある。他の主張は全部ウソだ」とする広告を流した。グーグル、YouTubeとの広告契約に、半年で計1億5000万シェケル(約75億円)を費やしたという。
 人質が全員解放・返還されることと引き換えに、イスラエルはガザ南部とエジプトとの国境にあるラファ検問所を開放するとしていた。2月1日から実施されたが、実態は開放とは程遠い。ガザに入れるのは23年10月以降の戦闘中にガザを離れた人に限られ、それ以前に出ていた人やその後生まれた子は入国できない。人数も1日50人に制限。出入りする人はシンベト(イスラエル諜報機関)の承認が必要で、実際には数人にとどまっている。支援物資の搬入も認めない。一方で、帰国者の3倍の人数が毎日ガザから出ることを認めるとし、これはパレスチナ人をガザから一掃しようとする計略の一部でしかない。

2026年2月8日
『コミュニスト・デモクラット』編集局

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました