○ガザへの空爆をやめよ!地上侵攻するな
○即時停戦せよ!パレスチナ人民と連帯しよう
パレスチナ抵抗勢力が「ガザ封鎖」を突破
10月7日早朝、ハマスを中心とするパレスチナの抵抗勢力がイスラエルに対する電撃的な攻撃作戦に打って出た。ガザの封鎖を突破し周辺のイスラエル軍基地と入植地に攻撃を仕掛け、テルアビブを含むイスラエル全土の目標に5000発のロケットを打ち込んだ。海からも空からも攻撃を行った。ガザを囲むフェンスを越えてイスラエル領内に大規模な攻撃を行ったのは初めてのことだ。17年にわたるガザ封鎖の突破で、パレスチナ人民は誇りと生きる力を取り戻した。
ファシスト・ネタニヤフ政権は直ちに大規模な無差別爆撃を開始し、破壊と殺戮の限りを尽くしている。続いて、大規模な懲罰的な地上軍侵攻を計画している。ガザを「無人島」にすると脅し、200万人の住民にガザから出て行けと命じた。
われわれはイスラエル軍の報復攻撃に反対する。すでに10月9日の時点で700人以上のイスラエル人が死亡し、2000人以上が負傷した。500人以上のパレスチナ人が死亡し、2000人以上が負傷している。イスラエル軍の行動が拡大すれば、犠牲者は増大せずにはおかない。
全責任はネタニヤフ政権と米帝国主義にある
今回の事態は、突然起こったものではない。イスラエルによる、75年にわたるパレスチナ人の不可侵の権利に対する暴力的侵害、民族絶滅、拡張主義的な侵略と入植地政策の結果である。
昨年、ネタニヤフ第6次政権になって以来、パレスチナ人に対する暴力と抑圧、略奪と殺人、暴力的な入植地拡大がますますエスカレートした。直近では聖地アル・アクサモスクへのパレスチナ人のアクセス阻止、嫌がらせや暴力行為、逮捕や拘束が急増した。ガザの住民は2005年から全面封鎖状態に追いやられた。「屋根のない監獄」だ。パレスチナ領であるヨルダン川西岸の過半はイスラエルが略奪し、壁で囲んだ。世界的にも例がないアパルトヘイト状態だ。パレスチナ人民が、あらゆる手段を使って抵抗しようとするのは当然のこと、彼らの正当な権利だ。
イスラエルとネタニヤフを全面的に支えているのは米帝国主義だ。バイデンは直ちにハマスをテロリスト扱いし「イスラエルには反撃する権利がある」とイスラエルの全面攻撃に許可を与えた。空母打撃部隊を東地中海に送り込み、軍事援助拡大で軍事的解決に走っている。かたや中国は即時停戦と平和的解決を求めている。
何よりも、年間33億ドルもの軍事援助をし、イスラエルを武装させ、凶暴化させ、忠実な同盟者、中東の軍事支配の要として最大限利用してきた。レバノン、シリア、イランなどへの攻撃と挑発をさせてきた。東エルサレムをイスラエルの首都と認め、ヨルダン川西岸の違法な入植地を合法なものと認めたのも米国だ。イスラエルに対する国際的非難、度重なる国連の非難決議を拒否権で潰し、不処罰状態においてネタニヤフ政権に好き放題をさせ横暴を助長しているのも米帝国主義だ。
米国に追随する岸田政権も、ハマスを一方的に非難した。今回の抵抗を、理由もなく突然攻撃を仕掛けた無法者であるかのように扱った。しかし、今年だけで47人の子どもを含む250人以上のパレスチナ人がイスラエル軍に殺されている。その多くは路上で、わけもなく暴行を受け、殺されたのだ。政府とメディアは、このイスラエルの占領支配と蛮行に口を閉ざし、イスラエルを支援している。
占領終結とパレスチナ主権国家の樹立を
パレスチナ人民の闘いに連帯し、イスラエルを非難する運動は世界中で急速に広がっている。ヨルダン川西岸のパレスチナ人はストライキで闘いに合流している。レバノン、イラン、トルコなど周辺国、米国、英国など世界中で数千、数万の人々が街頭に出て連帯の意思を表した。世界中でイスラエルによる大規模攻撃をやめさせ、パレスチナの占領支配を終わらせろという声が広がっている。
イスラエル・パレスチナ問題の解決の道は一つ、パレスチナの自決権行使と民族解放しかない。それはすなわち、占領状態を終わらせ、ガザとヨルダン川西岸全域に東エルサレムを首都とする独立したパレスチナ主権国家を樹立することだ。それしか血みどろの闘争を終わらせ、中東に平和と安定、共存を作り出す途はない。
イスラエルは戦争をやめろ。即時停戦せよ。パレスチナ人の正当な要求と権利を認めよ。パレスチナ人民と連帯しよう。
2023年10月9日 『コミュニスト・デモクラット』編集局