3月5日、昨年12月の行動に続き、再び5万人以上の高校生が全国約150都市で、徴兵制の再導入に反対して授業を休み街頭に繰り出した。彼らは警察と学校管理者の妨害と圧力をはねのけ、この第二波全国行動を大成功に導いた。
彼らは、幾つかの新たな前進を遂げた。第1に、若い主催者たちがストライキ委員会を1・5倍の全国150箇所に拡大し、再び何万人もの学生に働きかけ、政治的・階級的意識を高め、動員することに成功したこと。第2に、彼らの12月大行動の影響を受けて周りに親たちの支援組織が形成されたこと、第3に、地元の労働組合、教員組合(GEW)、ドイツ平和協会(DFG―VK)、青年政治団体、左翼党の議会グループ、全国各地の平和イニシアチブなどが協力と連帯活動を強化したこと、学生運動と労働運動・平和運動との結合である。
高校生たちはドイツの全高校でストライキ委員会を形成し、その持続性・組織性を強めようとしている。以下、ドイツ共産党の機関紙や左翼系新聞などから、第二波行動の特徴を紹介する。

「学校ストライキ」サイトから
(渉)
金持ちは戦争を望み、若者は未来を望む!
ベルリンのデモには、約6000人が参加した。学生による演説から支持者からの挨拶、音楽演奏に至るまで、政治的なメッセージは紛れもなく階級闘争志向であり、反帝国主義的であった。「金持ちは戦争を望み、若者は未来を望む!」という中心的スローガンが各都市で繰り返し叫ばれた。「ドイツ連邦軍には一人たりとも、一銭たりとも差し出さない!」という要求も熱狂的に唱えられた。手作りの看板や横断幕には、「死ぬことはカリキュラムにない」「フリードリヒ・メルツを前線へ!」「我々の唯一の闘いは階級闘争だ!」「徴兵ではなく教育を!」といったスローガンが掲げられた。
ドルトムントでは、ver.di(統一サービス産業労働組合)会館での朝食会を皮切りに学校ストライキが始まった。約600人の学生が市内中心部へ出発する前に、ver.diとIG Metall (ティッセンクルップ労働組合)を代表してフィービー・ハウク氏が以下のスピーチを行なった。「最近、病院では賃金と労働条件の改善を求めるストライキが行われた。政府は病院への資金提供を削減し、代わりに皆さんを安価な労働力、強制労働(徴兵代替の社会奉仕活動)として利用しようとしている。これらすべては、ドイツの再軍備と軍事化を助長するものだ。私たちver.diは、学生の皆さんが組織したこの運動を誇りと敬意をもって見守っている。軍事化と徴兵制への反対は、私たち共通の闘いだ。私たちは皆さんと全面的に連帯し、支援する!」
ストライキに臨む若者たちに加え、抗議活動に参加する親の数も増えている。ベルリン、トリーア、ミュンスター、フランクフルト・アム・マイン、キールなど、ドイツの多くの都市で、親たちは子どもたちの先導に従い、「徴兵反対の親たち」というイニシアチブを組織し、若者たちを支援している。その活動は労組内に、職場内に、そしてコミュニティ内へ良い影響を広げるものとなる。
軍事費を教育に回せ!
「軍事費を教育に回せ」は学生や親たちの切実な要求となった。劣悪な教育環境に対する強い怒りの表現でもある。例えば、リューベック大聖堂付属学校の屋根は雨漏りしている。教室には水が滴り落ち、冬には室温は摂氏14度をわずかに超える程度だ。暖房設備が故障した後、電気配線が1960年代から使われているため危険すぎるとして、電気ヒーターの使用も禁止された。昨年、市は大聖堂学校および他の12校の改修は、市には資金がなくて当面行えないと発表した。大々的に宣伝されている「特別インフラ基金」の5000億ユーロのうち、市が受け取れるのはせいぜい年間1800万ユーロに過ぎない。これは学校運営を維持するのに必要な金額のほんの一部に過ぎないと、リューベック市長は言う。
これは大聖堂付属学校だけではない。老朽化した教室、使用不能なトイレ、カビだらけの更衣室、殺風景な鉄製の箱のような校舎。建物の構造上の問題、あるいは天井が教室に崩落するなどの理由で、校舎が完全に閉鎖されることも少なくない。必要な学校改修の未処理費用は約700億ユーロにも上る。これが再軍備に暴走するドイツの学校の現状なのである。
道路のインフラも劣化が激しい。戦争と軍事費への浪費はインフラ基盤をブ)は、修復されない路面の穴によって「車両、自転車、歩行者に多数の損害」が生じる可能性があるとすでに警告している。だが当局は今年中に修復される可能性は低いと国民に告げた。「特別基金」の5000億ユーロのうち、都市や町の公共インフラを担う自治体に分配されるのはせいぜい600億ユーロで、実際に配分されるかどうかすら定かではない。連邦政府と州政府は、主に軍事、戦争、再軍備といった他の支出を優先する。そのため、学校や自転車道の改修は放置され、「戦車に強い」高速道路(ヒトラーのアウトバーンと同じ)が建設されている。これは若者から生活と学習の手段や環境を奪い、徴兵によって彼らを砲弾の餌食にするという計画に他ならない。こうしたことこそが、平和運動が「数十億ユーロは一体どこへ消えているのか?」と追及するきっかけとなっている。
対ロシア戦争と社会の軍事化に抗う徴兵制反対スト
高校生たちの徴兵制反対ストは、軍事演習、社会の軍事化に抗う闘いでもある。3月までの「クアドリガ戦争演習」は、ロシアとの戦争を想定したより実戦的な「任務遂行準備作戦」として実施されている。ドイツ、リトアニア、北海、バルト海での軍事演習が含まれる。架空の訓練演習シナリオから実際の「対ロシア戦争準備作戦」への転換だ。ドイツ連邦軍はドイツ国内での演習活動を軍事訓練区域から民間区域へとますます移行させている。数年前までは公の場で全く見られなかった「戦争」という言葉が、政治家や主要メディアの言説にますます頻繁に登場するようになっている。ロシアとの戦争は、現実的なシナリオとして公然と議論されるようになっている。
①今年の「クアドリガ演習」の作戦地域は、ドイツ、リトアニア、北海、バルト海に及ぶ。今回の焦点は、リトアニアへの「あらゆる輸送ルートを通じた戦闘準備の整った部隊の短期展開」であり、ロシアの西国境に向けて展開することである。ドイツ連邦軍は2017年からリトアニアに部隊を駐留させて、大幅に強化し、現在ではドイツ初の外国領土における常設軍事基地となっている。
②海軍、陸軍、空軍の各軍種の指揮部隊が連邦軍の包括的な統合作戦司令部に初めて統合され、単一の目標を集中攻撃することを可能にした。
③クアドリガの活動とは別に、1200人の兵士と280台の車輪式及び履帯式車両からなるドイツ戦車旅団が、リューネブルク近郊で「公道とオフロードの両方」で訓練用弾薬を使用して演習を実施した。
④ドイツ連邦軍はハンブルクの港と市街地で、デモ隊とバリケードを想定した訓練演習を行った。
⑤ドイツ連邦軍と国防省は、連邦共和国内の公共空間で軍事作戦を実施する軍の憲法上の根拠を見い出せず沈黙している。これを解決する方法として、彼らは軍に広範な権限が与えられる憲法上の「非常事態前段階」――「ドイツはもはや完全に平和でもなく、かといって完全に戦争状態にあるわけでもない」――を正式に宣言することだと考え、連邦憲法擁護庁長官はこの「宣言」の導入のために、ロシアによる「ハイブリッド攻撃」のでっち上げを考えている。
⑥今や公共放送局の番組のタイトルは「ドイツは戦争でどのように行動するのか?」であり、バイエルン放送協会は視聴者に向けて、戦争への備え方について「最悪の事態に備えて、家族とどこで会うかを決めておく。なぜなら、降伏したり、現実から目を背けたりするという選択肢はないから」と流している。
ナチスドイツ壊滅81周年の日に第三波全国ストを提起

「学校ストライキ」サイトから
徴兵制反対学校ストライキ運動の第1回全国会議が、2月14日と15日にゲッティンゲンで開催され、12月の大行動の総括と次の方針が検討された。強調されたことは、ストライキ委員会が各学校に直接もっと深く根づき、何よりも持続的な運動を確立するということであった。労働組合青年部との連携を強化し、「一発屋」のような構造から脱却し、すべての学校に持続的な反軍国主義勢力を築いていくことを明確にした。学校の休暇期間中も活動を続ける覚悟を持った学生の中心グループが生まれ形成されていることも確認された。
さらに3月5日の会議で共同決議が採択された。主な要求は、学校からの連邦軍撤退、卒業生に対する包括的な「良心的兵役拒否カウンセリング」の導入、すべての学校におけるストライキ委員会の設立、再軍備ではなく教育・社会福祉プログラムと環境保護への支出の優先であった。
第三波徴兵制反対全国高校生ストライキは5月8日である。その日は、ナチスドイツ壊滅の81周年の日に当たる。現在のドイツ帝国主義の徴兵制、再軍備、戦争準備とそれに伴う生活破壊と闘う人々が総結集するのにふさわしい日となるであろう。
