イスラエルはパレスチナ人「死刑法」を今すぐ廃止せよ!
レバノン虐殺を中止せよ!
ガザ・西岸での殺戮と入植地拡大をやめよ!

 米=イスラエルのイラン侵略戦争以降、イスラエルはガザ封鎖強化、西岸地区の暴力的入植拡大、レバノン再侵攻へと一気に踏み込んだ。こうした侵略と植民地支配強化の一環として押し通されたのが、パレスチナ人を狙い撃ちにする「死刑法」である。「死刑法」即時廃止は、ガザ封鎖解除、全面撤退とあわせて、国際的なパレスチナ連帯運動の喫緊の要求となった。

パレスチナ人だけを標的にした「死刑法」

 イスラエル国会(クネセト)は3月30日、パレスチナ人だけを事実上の標的とする死刑法を可決した。西岸の軍事法廷で「テロ」と認定され、イスラエル人を殺害したとされたパレスチナ人に、死刑を原則として科すものである。対象は「イスラエル国家の存在を否定する目的で故意に人を殺害した者」とされ、法案提出者は「ユダヤ人のテロリストは存在しない」と言い放った。パレスチナ人を襲撃するユダヤ人入植者は対象外で、パレスチナ人だけを狙い撃ちするものだ。しかも判決から90日以内の絞首刑執行を義務づけ、軍事法廷の多数決で死刑を宣告し、上訴も恩赦も認めない。
 イスラエルは1954年に通常の殺人罪に対する死刑を廃止し、その後、民間人対象の法廷で死刑が執行されたのは1962年の元ナチス高官アドルフ・アイヒマンただ1人である。西岸の軍事法廷では、イスラエル人を殺害したパレスチナ人に死刑を科すことは法的には可能だったが、実際に死刑判決が下された例はなかった。その転換点が、この「死刑法」だ。
 この法案を推進した極右のベン・グビール国家治安相は「テロを選べば誰でも死を選ぶことになる」と語り、法案可決後に仲間の極右議員らと議事堂内でシャンパンを開け祝杯を挙げた。
 「死刑法」は単独で存在しているのではない。2月15日には、西岸の一部で土地登記手続きの開始も決定された。占領下で登記不能に追い込まれた土地を「国有化」し、入植拡大に使うものだ。入植者は野放しにしたまま、これに抗するパレスチナ人を死刑で威嚇する――それがこの法の本質である。
 民族によって恣意的に死刑を適用する、ナチスも顔負けの「民族差別の制度化」である「死刑法」は即刻廃止されるべきだ。

全世界で高まる非難――「死刑法」を即刻廃止せよ

 この「死刑法」に対し、ハマスは「占領の血塗られた本質と、殺戮とテロに基づくその手法を反映している」「監獄に収容されている囚人の命を脅かす」と断罪し、イスラエルに対し武力報復を警告した。国連や赤十字に対し、パレスチナ人被拘禁者保護のための緊急介入を要求した。
 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は任期最終日の3月31日、「特定の集団だけを標的にした極めて差別的な法律だ」と批判した。テュルク国連人権高等弁務官は、この「死刑法」を占領下のパレスチナ自治区住民に適用することは「戦争犯罪」に当たると述べた。アムネスティ・インターナショナルなど31の人権団体は、共同声明で、EUに対しイスラエルとの貿易協定の停止を要求した。イスラエル国内の有力人権団体も、この法律が「パレスチナ人に対する制度化された差別で、人種主義的暴力行為だ」と強く非難した。イスラエル公民権協会は、この法律に関して最高裁判所に違憲申し立てを行った。

イラン侵略と同時に進むガザ恒久占領化

 イスラエルは、イラン侵略戦争開始と同時にガザの主要な検問所を閉鎖し、食料搬入も厳しく制限した。イラン戦争の陰で、ガザ占領の恒久化へと踏み出したのだ。ガザ最南部のラファ検問所は3月19日に一部再開したが、人員の限定的な移動に限られ、食料など生活物資の搬入は妨害し続けている。傷病者の域外での治療も困難になっている。ジェノサイド開始前と比べたインフレ率は3倍を超える。依然として、子ども10万人以上が急性栄養失調に陥る恐れがある。
 「停戦」下で、今なお虐殺を続けている。ガザ保健省によれば、昨年10月11日からの「停戦」期間中に733人が殺され、2034人が負傷させられた(4月7日)。2023年10月7日のジェノサイド開始からの死者は7万2312人、負傷者は17万2000人を超えている。
 イスラエルは、イランとの戦争を、停戦の第2段階への進展を妨害する格好の口実としている。停戦発効後もイスラエルはガザ地区の約58%を占領し続けているが、その境界線「イエロー付近に深く広い塹壕を掘り、ラインの内側の土地をさらに占領しようとしている。ガザ中央部の東部、特にデイル・アル・バラの東側から始まり、北はネツァリム検問所の郊外まで、南はハンユニスの北部まで延びる大規模な塹壕の掘削を続けている。また、イエローライン周辺で絶え間なく爆撃を行い、その付近の住民を生活不能に追い込んでいる。

レバノン虐殺・侵略を直ちにやめ、停戦を遵守せよ

 イスラエルは4月7日、トランプがイランと2週間停戦で合意するや、首都ベイルートの住宅密集地など全土で過去最大規模の無差別空爆を行い、殺戮と破壊をエスカレートさせた。300人以上を殺害した。虐殺を即刻やめるよう要求し、イスラエルに停戦遵守を押しつけていかなければならない。
 イスラエルは停戦破壊の常習犯だ。2024年11月にヒズボラと停戦協定に署名しながら、部隊撤退を拒否し、協定に違反して攻撃を継続してきた。2月28日の米=イスラエルによるイラン攻撃開始後、イスラエルはレバノン南部やベイルートなどを空爆後、3月16日に地上侵攻を開始した。4月1日までに1300人以上を殺害、約4000人を負傷させ、国民の2割近く100万人以上が避難を強いられている。国連レバノン暫定軍(UNIFIL)も攻撃を受け、インドネシア人隊員が相次いで死亡している。
 イスラエルのカッツ国防相は3月24日に、レバノンのリタニ川以南を「制圧する」と表明した。22日には、レバノン南部の橋や住宅を破壊するよう軍に指示したことを明らかにしている。リタニ川の橋の破壊は、民間人の避難と支援物資搬入を妨げる。イスラエルはすでにリタニ川にかかる橋5本を破壊したとしている。
 ネタニヤフ首相は、イスラエル軍に対し、レバノン領内10Kmに緩衝地帯を設けるよう命じた。レバノン侵略の目的は、ガザのイエローラインと同じく、レバノン南部の広大な領域を「緩衝地帯」と称して占領し、事実上のイスラエル領とすることだ。

ネタニヤフ・トランプの行き詰まり――今こそ国際的圧力の強化を

 イラン侵略の開始によって、米国とイスラエルの中東支配は、決定的な転換点を迎えた。米=イスラエルの侵略戦争に対するイランの徹底抗戦と持久戦は、この間後退を強いられてきた「抵抗の枢軸」を蘇らせ、イスラエルに対する一斉の反撃を呼び覚ましている。ネタニヤフとトランプの思惑どおりに進まなくなった。イスラエルはすべての戦線で苦境に立っている。
 レバノンでは、イラン革命防衛隊(IRGC)の支援で指揮系統を再建したヒズボラが参戦を宣言し、イスラエル北部へのロケット・ミサイル攻撃を連日展開している。「抵抗の枢軸」最強の同盟としてイランと共に戦い、イスラエルに甚大な被害を与えている。
 ガザの植民地化を狙うトランプの「和平計画」は完全に行き詰まっている。ガザの停戦や治安の維持を担う国際安定化部隊(ISF)に最多の約8000人を送るとしていたインドネシアは、イラン攻撃により米国への不信を強め、派遣延期を決めた。
 イスラエル自身が、パレスチナやレバノンと戦争しながら大国イランとも戦う泥沼に踏み込んでいる。長引く戦争でPTSDに苦しむ帰還兵が2万人に上り、75人が自殺、自殺未遂が数百人、夫に殺された妻が46人と報告されている。軍トップのザミール参謀総長は3月25日、戦線拡大と兵員不足で「このままではイスラエル軍は自壊してしまう。軍は複数の戦線で戦い続けることはできない」と懸念を示した。軍はこの日までに徴兵期間を終えた予備役を最大40万人動員する案を承認したが、招集拒否の再拡大は避けられない。
 イスラエル政府は、26年度予算で軍事費を約400億シェケル増額する一方で、民生関連予算を3%削減したが、レバノン地上戦の費用数十億シェケルを上乗せする必要に迫られている。10月下旬までに総選挙が行われるが、与党過半数割れでネタニヤフが敗北する可能性が高い状況だ。

パレスチナ連帯とイラン反戦を結合して闘おう

 イスラエルと米国が泥沼に足を取られてぐらつく今こそ、国際的圧力を強めよう。3月30日のパレスチナ「土地の日」には、世界各国でジェノサイド阻止・パレスチナ連帯の行動が行われた。4月4日には、イスラエルの包囲を突破しガザを目指す「グローバル・スムード・フロティラ」の「2026スプリング・ミッション」の船団が、約20隻でフランスのマルセイユを出港した。これらの船はイタリアに向かい、他国からの船と合流し、地中海を横断してガザに向かう計画だ。
 日本でも運動を強化しよう。2月17日の入札でイスラエル製ドローンの自衛隊への導入を阻止したのは、日本のパレスチナ連帯運動の大きな成果だ。日本政府と企業にイスラエルとの関係を断つよう、一段と声を大きくしよう。イラン戦争を契機に、全国各地で反改憲・反戦の新たな大衆的なうねりが沸き起こっている。パレスチナ連帯をイラン反戦と結びつけ、さらに強化しよう。


2026年4月8日 
『コミュニスト・デモクラット』編集局

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